人事制度をローカライズする 【第4回】毎年、制度の見直しをする

前回に引き続き「人事制度をローカライズする」というテーマで、今回は、制度導入後の制度見直しの観点をまとめてまいります。

前回までのコラムで述べた通り、人事制度の設計内容面でのローカライズ、ローカル幹部社員をプロジェクトチームメンバーとするチーム編成に加えて、導入後の制度見直しを年間計画に組み込むことも重要です。

「制度は頻繁に変えてはいけない」
「制度見直しは3~5年おき程度に」

といった言説は、日本で良く語られることですが、このようなスタンスをベトナムで貫くと、市場環境に置いて行かれてしまう可能性が高いです。なぜなら、ベトナムは日本よりも労働市場環境がChanging(=変化に富む、変わりゆく)だからです。

・過去8年間の昇給率は、日本が四捨五入すると常に2%で一定だったのに対し、ベトナムは18%から8%へと実に10%も下がっていたり、
・離職率は、日本が7%前後であるのに対し、ベトナムは13~14%程度と、約2倍労働者の流動性が高かったり、
・GDP総額は、日本がUSD4.9tril(10億ドル)弱に対し、ベトナムはUSD0.22trilと日本の22分の1の市場規模であり、大型の外国直接投資などがあれば労働市場環境が即座に反応しやすい

などなど、日本よりもよほど動的な市場環境であると言えます。

世間が環境変化を繰り返している中で、自社が5年前に作った制度をそのまま5年間見直しをかけずにいたらどうなるか、想像に難くないはずです。

何も骨子部分から毎年見直しをかける必要はありませんが、変化しやすい報酬周りは毎年レートやテーブルの見直しをすることでマーケットポジションを維持し続けることができます。
また、それ以外にも、制度の違和感は時と共に立ち現れたりするものですが、調整や見直しをデフォルトでしている会社は変化を日常的に受け入れますが、5年間全く変えずに、今年変えますというと変化にあらがう社員が団結して変化を拒むこともあります。

ベトナムはChangingな世の中です。Changingな世の中で静的な制度運営をすることこそが、ローカライズを阻む要因となります。「制度は毎年見直し続けるもの」というマインドセットで人事管理にあたることが持続的なローカライズへの肝となります。

 
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組織人事コンサルティング部統括部長

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ICONIC

ICONIC 組織人事コンサルティング部統括部長/取締役/賃金管理士。 横浜国立大学卒業後、日本及びフランスの中小企業を対象とする経営コンサルティング企業にて、新規事業の開拓支援を行う。2006年より青年海外協力隊としてウガンダにて民間職業訓練校における人材育成需要及び労働市場で求められる人材需要に関する調査を実施。2007年に渡越後、三井住友銀行ホーチミン支店にて法人営業を担当。2010年、ICONIC取締役に就任。

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