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海外転職やアジアでの生活に役立つ情報を現地からお届けするブログです。

ビジネスの記事一覧

【タイ労働法コラム】第6回:労働者保護法の主な改正ポイント

GVA法律事務所・タイオフィス代表の藤江です。 本コラムでは、タイの労務管理について、日本との違いを踏まえた上で、法的に解説していきます。今年の5月5日に、改正労働者保護法が施行されました。そこで、前回と今回の2回に分けて、改正労働者保護法の主な改正ポイントについて取り上げたいと思います。 1. 改正の趣旨 まずは、改正の趣旨を再度確認したいと思います。 今回の改正は、既存の労働者保護法の規定の中で現代の労働環境に即していない部分の改定、また、国際標準に合わせて労働者保護のレベルをさらに引き上げる

【マレーシア法務ブログ】第6回:社会保障制度①

TNYグループのマレーシア事務所の弁護士の下田です。今回は社会保障制度のうち、EPF(Employees Provident Fund(従業員積立基金))について解説していきます。   1. EPFの目的 EPFは労働者の老後の生活資金の確保等を目的とした強制貯蓄制度です。同制度は、従業員積立基金法(Employees Provident Fund Act 1991)に基づき運用されています。   2. 加入対象者 従業員積立基金法は、全ての「使用者」及び「労働者」は、労働者の月々の賃金額に応じた拠出金を納付しなければならない旨を定めています。 「使用

人事制度をローカライズする 【第2回】報酬制度のローカライズ

前回に引き続き「人事制度をローカライズする」というテーマで、今回は、報酬制度のローカライズの観点をまとめてまいります。 前回のコラムで述べた通り、人事の基幹制度の中でも特に報酬制度は、「基本的にはローカライズすべき制度」であり、労働関連法規や雇用慣習、労働市場相場等による制限の中での設計が求められます。   法規制による最低限の要求事項に合わせてローカライズする まず初めに、ネガティブサイドの人事施策がどこまで許容されうる法体制なのかのチェックが必要です。例えば、減給、降格、昇給ゼロ、賞

【連載⑪】就業規則の大解剖~タイの経理現場から~

「タイの経理現場から」シリーズ、連載11回目となります。 ▼過去の記事はこちらをご覧ください。 但野和博(外部ライター)の記事一覧 https://iconicjob.jp/blog/author/tadano/   タイの福利厚生と権利 前回の一服的なコラムをはさみ、前々回に続いて就業規則の後半部のメインパートを今回も紹介していきます。引き続きタイならではの特色がある内容にあふれていますので、そのあたりの具体的な事例を交えながら取り上げていきます。 目次 第7章 福利厚生と権利 7.4 賞与/報奨金(Incentive) 7.5 職能給(CPD/CP

【ミャンマー法務ブログ】第6回:ミャンマーの弁護士、裁判官等

第6回となる本稿では、ミャンマーの弁護士や裁判官等について解説します。   1. はじめに ミャンマーに限らず、いかなる場所、事業分野においても予想外の問題が生じ、話し合いで解決できない場合には紛争解決制度を利用することとなります。合弁契約等の契約書を締結する際には、紛争解決に関する条項も入れることが一般的です。 紛争解決制度は大きく分けて裁判による方法と仲裁による方法が存在し、国によって制度内容が異なる点もあるため、紛争に備え、事業を行う国の裁判および仲裁制度について把握する必要がありま

【マレーシア法務ブログ】第5回:雇用関連の法規制⑤

TNYグループのマレーシア事務所の弁護士の荻原です。今回は解雇以外の雇用契約の終了原因について解説していきます。     1. 労働者からの雇用契約終了の通知 使用者から雇用契約を終了させる場合(解雇)と異なり、労働者は特段の理由なく雇用契約を終了させることができます。 もっとも、労働者側から雇用契約を終了させる場合であっても、事前通知期間を遵守する必要はあります。この事前通知期間は契約において定められます。但し、雇用法(Employment Act 1955)の適用対象となる労働者(原則として、月額賃