タイの不動産開発進む道は発展か、 衰退か。Vol.2

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前回に引き続き、タイの不動産開発に関する記事をお届けします。

 

タイ不動産開発の主戦場はバンコクと東部EECエリア

タイ国家経済社会開発庁(NESDB)の調査によるとタイのGDPの約45%をバンコク首都圏※1、約18%を東部経済回廊(EEC)※2で創出している。タイ政府が推し進める高速鉄道網はバンコクとその周辺地域に集中している。また港湾と空港の開発、そしてそれらを結ぶ高速鉄道網はバンコク東部のチョンブリ県、チャチュンサオ県、ラヨン県に集中している。

今後のヒト・モノ・カネの流れは、バンコク首都圏と東部EECエリアに更に集中していくことになるであろう。事項以降ではインフラ、商業施設、オフィスに分けてご案内していこう。

※1 バンコク都、ノンタブリー県、サムットプラーカーン県、パトゥムタニ県、サムットサーコーン県、ナコーンパトム県
※2 チョンブリ県、チャチュンサオ県、ラヨン県

 
時系列でみる不動産開発

1980年代後半、平均経済成長率10%の高度経済成長期を謳歌したタイ。この頃までにセントラルや、サイアムピワットなどの財閥がその確固たる基盤を固めていった。世界経済がグローバル化にむけて大きく動き出し、外国直接投資額も増え、その恩恵はいつまでも続くかのように思えた。しかし事件は起きる。

1997年、ヘッジファンドに狙い打ちされたタイは激しい金融攻防の末に敗北した。韓国のデフォルトを含み、アセアン諸国を巻き込んだ大きな経済ショックの震源地となった。外貨獲得を急ぎ、危機を回避するために政府は外国資本の出資規制などを緩和した。これを機にテスコやマクロなど外国資本も本格参入を進めた。つい今年までスターバックスも100%外国資本で運営がなされていた(19年5月タイ財閥TCC傘下のフレーザー社飲料部門に売却)。自らの危機が外国資本の流入を促し、結果として産業の高度化につながったことは皮肉である。またこの経済危機前後に資金繰りが悪化し、すすめていた開発を頓挫した不動産ディベロッパーもいる。廃墟のまま放置されているビルがバンコクにもいくつかあるが、それらはアジア通貨危機の負の遺産である。

2000年代に入りGDP成長率は5%ほどに回復した。この頃にタイの象徴的存在となるセントラルワールドやサイアムパラゴンなどが開発された。個人消費の伸びと順調に増加する外国人観光客によって、施設は大成功を収めている。

2000年代後半から2010年代半ばにかけて政治不安が続発しクーデターが引き起こる。また、日系企業を中心に産業界に大打撃を与えた11年の洪水被害も記憶に新しい。しかし逆風の事業環境にも関わらずターミナル21、メガバンナー、オークラプレステージ、エムクォーティエなど新たな施設が続々と開発された。アジア通貨危機の時のように目立った開発中断が少なかった背景には、不動産ディベロッパーの資金力が増したことと金融市場の成長にあると考えられる。

2010年代後半にかけて、経済成長率は低位安定であるもののコンドミニアム、オフィス、商業施設そしてインフラの開発は加速化している。一部の識者の間では、不動産開発はバブルではないかとの声も聞こえてくる。現にバンコク都心部の最高値取引は過去30年で10倍にまで膨らんだ。

2019年現在は、明るい未来が待っている発展への入り口なのか、閉塞感が待ち受ける衰退への下り坂なのだろうか。

 
 
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