【ミャンマー法務ブログ】第7回:日本語とミャンマー語の関係、契約書の意味

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第7回となる本稿では、日本語とミャンマー語の関係、契約書の意味について解説します。


 

1. 日本語とミャンマー語の関係

ミャンマー語と日本語は文法が似ており、ミャンマー人にとって日本語は学習しやすい言語と言われています。
実際、ミャンマーでは日本語を話せる人と会う機会も多く、また、日本語能力検定試験の受験者や日本語学校の数も近年増加しています。
日系のIT企業の中には、社員を採用後、ITスキルのみならず、社内で日本語を教えてから実際の業務を割り振る企業も多く存在し、なかには1,000名以上の従業員を採用している企業も存在します。

また、日本で働いていた経験のあるミャンマーの方も多く、一定期間日本で勤務後、2011年の民政移管後にミャンマーに帰国して事業を立ち上げている人も多いです。
そのため、ミャンマーで合弁会社を設立する際などに、そのような日本語が話せるミャンマーの方をパートナーとして選ぶ日系企業が多く存在します。

それに関連して、ミャンマーに限らず、タイやマレーシアにおいても、日系企業からのトラブルの相談の多くの原因は合意内容を記載した書面が存在しないことです。

 

2. 契約書の意味

日本では口頭のみで信用して取引を行うこともありますが、ミャンマーも含め海外で契約書を作成せずに取引を開始することは欧米企業においてはほとんどありません。
また、一般的に、新興国の裁判所では多くの場合は自国企業が有利で、日系企業など外国企業が不利になる傾向にあります。ミャンマーにおいては周辺国以上に裁判官の質が低く、汚職も多いことから、裁判を行うことをできる限り避けるべきです。

そのためには、どうすれば紛争を予防できるかという視点が重要です。最初に述べたとおり、トラブルの多くの原因は書面が存在しないことです。すなわち、相談の内容として、相手方が●●を行うと約束していたけど、約束を履行してくれないのでどうすれば良いかという話がなされ、その約束が記載されている書面を見せて欲しいと伝えると、口約束だということが多いです。
そうすると、言った言わないの水掛け論になり、弁護士としても対応しようがないときがあります。したがって、このような水掛け論を防ぐためという点のみでも、契約書をしっかりと作成してサインすることの意味は大きいと言えます。

もちろん、契約書を作成していてもその内容に相手方が違反することもありますが、それはミャンマーだけでなく日本においても同様です。ミャンマーにおいては、契約書を作成しても当然に内容を守らなくて良いという考え方の人は少ないと感じます。
多くのトラブルの背景には、前提となる考え方が違い、きちんと意思疎通ができていないにもかかわらず、詳細な契約を作成しなかったがために、その齟齬が表面化しないまま取引を進めてしまい、後から齟齬が表面化するといった事態が多いです。

 

3. 小括

以上より、繰り返しとなりますが、何らかの合意をした上で取引や事業を開始する場合には、必ず契約書を作成するようにして下さい。契約書の作成を弁護士に依頼した場合、費用が必要となります。しかし、契約書を作成せずにトラブルになった場合にも弁護士に依頼する必要があり、その場合には、通常は契約書作成時に必要となる費用以上に多くの費用が必要となり、かつ、時間や負担も大きくなります。
したがって、長期的視点から、海外で事業を行う上で必要なコストと考え、契約書を作成することを意識して下さい。

 
 
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TNY国際法律事務所 TNYグループ
日本国弁護士:堤雄史
連絡先:yujit@tny-legal.com
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