初めての海外赴任先がベトナムに決定!!!
起業のため家族を説得してベトナム行きを選んだ!!!
………小学生の子どもを連れて………
そのような読者の方の中に、下記のようなギモンを持つ方はいませんか?
- 小学生の子供をどの学校に通わせたらいいの?
- 日本人学校って一年の学費はいくらくらい?
- 通学、休校日、生徒数が気になるけどわからないな・・・
この記事では、このような悩みを解決できます!気になるところから読んでも大丈夫です。
目次
1 英語圏は現地校進学者が多いが、ベトナムは?
英語圏のアメリカやオーストラリアなどが海外赴任先の場合、次のようにお考えの親御さんが多いでしょう。
”英語を習得することは子どもの将来にメリットをもたらすから、子どもを現地校に通わせる予定なんです”
しかし、ベトナムが海外赴任先の場合は、きっとこんな心情でしょうか?
”英語圏なら現地校のメリットが多いけど、ベトナムは…親も十分にベトナム語が話せないし…”
そんな理由で、ベトナムのローカルスクールに子供を通わせている日本人夫婦は限りなく少ないはず…(日越の国際結婚の子どもは別)。
よって、子供を通わせる代表的な小中学校は、「日本人学校」になります。
2 日本人学校とは?
日本人学校とは、国内の小学校、中学校における教育と同等の教育を行うことを目的とする、全日制の教育施設です。世界50カ国・1地域に89校が設置されており、約2万1千人が学んでいます(平成27年4月15日現在)
日本人学校は、文部科学大臣から、国内の小学校、中学校と同等の教育課程を有する旨の認定を受けております。
日本人学校中学部卒業者は、国内の高等学校の入学資格を有します。教育課程は、原則的に国内の学習指導要領に基づき、教科書も国内で使用されているものが用いられています。
現在、ハノイとホーチミン市に各1校ありますが、ダナンにはありません。(2020年11月時点)

ちなみに、義務教育期間とはいっても、日本人学校の学費は無料ではありません(!)
3 日本人学校のギモンあれこれ
将来ベトナムの日本人学校に通わせる可能性がある方に代わって、私が独自調査してみました!
3-1 なぜ子供は日本国籍なのに、日本人学校は無料じゃないの?
➡「教育の機会均等」「義務教育無償」を定める憲法第26条は、直接在外邦人の子どもに適用されません。世界中の日本人学校どこでも有料です。
「日本国籍なら義務教育無料でしょ?!」と勘違いしてた人~(は~い挙手)…
3-2 ベトナムの日本人学校の学費は?
➡1年に約75万円かかります。
ハノイ日本人学校 | ホーチミン日本人学校 | |
入学金 | 800USD | 750USD |
授業料/月 | 440USD | 400USD |
バス代/月 | 140USD | 150USD |
合計/年 | 7,620USD | 7,200USD |
※ホーチミン日本人学校及びハノイ日本人学校の公式HPより著者作成
ほかに、ハノイはPTA会費など徴収があり、ホーチミン市入学金割引対象があるようです。
日本国内義務教育が無料(76万円がかからない)って本来はありがたい制度ですね!
3-3 日本人学校の運営は日本政府なの?
➡いいえ、日本政府ではありません。
ホーチミン日本人学校の運営は、ホーチミン日本商工会
ハノイ日本人学校の運営は、ハノイ日本人学校理事会が行っています。
3-4 教科書、休校日、年間行事、生徒数は日本と同じ?
- 教科書:同じです。海外で使用する日本の教科書は、全世界共通で無料で給与されます。しかし、日本人学校で準備されていないので、自分で手続きをする必要があります。
- 休校日:週5日制で、年間200日程度授業があるのは同じです。しかし、祝日はベトナムの暦、テト休みも一週間程あります。
- 生徒数:ホーチミン日本人学校は約630人、ハノイ日本人学校も500人以上です。
- 年間行事:大体似ています。修学旅行や運動会、部活動や遠足、他外国人学校との交流会もあるようです。



ベトナム国内の修学旅行先が気になります!
3-5 毎日の通学ってどうしてるの?
安全のため生徒児童は原則スクールバスを利用
●運転手と警備員と添乗員3名体制
●欠席や遅刻の場合、アプリを利用してバス係や担任に連絡
●バス停では引き取り人が必要
●引き渡しカードを持っていないと児童が下車できない
児童生徒の登下校の送迎は保護者の責任で行う
●保護者の送り迎えも可能
●小学部 1・2 年生は必ず保護者もしくは代理人がバス停まで送り迎えが必要

友達と寄り道しながら登下校というのが、バスの中って感じですね。
3-6 みんな大好き!給食はあるの?
➡ホーチミンはお弁当
➡ハノイは委託業者に申し込めば、1食約10万ドンのランチが食べられます。
お弁当にあれこれ悩まなくて済むから、ハノイは親の負担軽減をよく考えてくれてるね!ホーチミンも考え方によっては、25000ドンで大衆食堂のお弁当買えるから、経済的!
4 ここまで考えてる?小学校選び@ベトナム
さて、ここまで読んで、「子供は日本人学校に任せれば万事OK!」
とお考えの読者もいるはず。たしかに、日本人だから日本の教育を受けさせたいと思う親の気持ちは当然です。しかし、以下の視点でひとつ考えてみると、違った選択肢も浮かび上がってきます。
4-1 中学進学時もベトナム?それとも日本帰国?
中学時代もベトナムで過ごすなら、日本人学校に中学部があるので問題なしです!また、中学生で日本に帰国したとしても、勉強に十分ついていけるでしょう。
4-2 高校進学時もベトナム?それとも日本帰国?
そう、このタイミングです!衝撃的な事実。なぜなら、ベトナムには日本人学校の高校がありません(!)
実は、世界中の日本人学校で高等部があるのは、上海日本人学校・高等部のみです。(2011年4月開校)
”高校をどうするか”
↓↓↓
「子供を日本人学校に通わせるかどうか」
もう一つの視点です。
5 日本人学校の高校がない。だから、高校は‥‥?
高校どうしますか?例えば、こんな選択肢があります。
【片親が日本へ帰国できる場合】
1. 日本の高校
【父母どちらもベトナム滞在の場合】
2. 日本の実父母・親戚の家から近い高校
3. 日本の全寮制の高校
4. ベトナムのインターナショナルスクール高等部
日本人学校の高等部がないということは、思った以上に家族のあり方が変わってきそうです!
「まだまだ子どもの高校進学は先の事だから…」と思っていても、日本の高校か、インターナショナルスクールかによって、いろんな選択肢が考えられます。
この際、小・中学校での学習+@の学習方法も考えてみましょう。
5-1 日本の高校に進学するなら…
- (小・中)日本人学校
- (小・中)日本人学校+塾
- (小・中)日本人学校+家庭教師
※ホーチミン市にもハノイにも、日本人向けの塾が多数展開されています。
5-2 インターナショナルスクール高等部進学も考えているなら…
- (小・中)インターナショナルスクール+日本人補習校
- (小)日本人学校+(中)インターナショナルスクール+英語塾
- (小・中)日本人学校+家庭教師/英語塾
日本人補習校は、土曜日約3時間、国語算数等4教科を習うところで、日本人学校とは別の団体が運営しています。
子どもが16,17,18歳時も、家族そろってベトナム滞在なら、小学校からインターナショナルスクールに通わせるのもありですね。
6 べらぼうに高額なインターナショナルスクールの学費
気になるのが、インターナショナルスクールの学費。ベトナム事情をまとめるとこうなります。
●アジアで5番目にインターナショナルスクールの学費が高額
●2017年の学費が前年比+2%増
●2018年は世界平均で同+19%増
●生徒全体に占めるベトナム人の割合が2015年に46%
●2018年にはその割合が約72%にまで上昇
●学費は進級するごとに、5~25万円UP(!)
※ホーチミン市:インターナショナルスクール例
小学部 | 高等部 | |
入学金 | 1,500USD | 同左 |
授業料/年 | 20,000USD | 28,600USD |
バス代/年 | 1,200USD | 同左 |
合計 | 22,700USD
(236万円) |
313,000USD (320万円) |
学費は進級するごとに、5~25万円UPするインターナショナルスクールが多いそうです。お金に余裕がある家庭じゃないと、行かせられないのが現状です。
ちなみに、ホーチミン市の公立学校の学費を調べてみました。バスではなく父母送迎の場合です。
※ホーチミン市:公立学校
小学校 | 高校 | |
入学金 | あり | あり |
授業料/月 | 60,000ドン | 120,000ドン |
バス代 | 0円 | 0円 |
合計/年 | 720,000ドン
(3,600円) |
1,440,000ドン
(7,000円) |
1年間で320万円、7000円…この金額の違いで絶句しました・・・
7 まとめ
現在もハノイ、ホーチミン合わせて1000人以上の小中学生が、日本人学校で学んでいます。
もしもダナン、ハイフォン、カントーなどが赴任先なら、子供が2校の日本人学校に通うことは物理的に難しく、現地校もしくはインターナショナルスクール、(もしくは子は日本滞在)という選択かもしれません。その際は、海外子女教育復興団体が、オンラインで国語、数学などの授業を行っているようです。
日本人学校の他にもいろんな形で子供に教育を受けさせる選択肢があるベトナム。
この記事を読んで、小中学生の子供を持つ読者の皆さんのギモンが解決し、ベトナム渡航の不安が少しでも拭う事が出来たら、うれしいです。