シンガポール移住までの期間と流れ(内定取得、各種手続き、ビザ取得、引越し準備、現地生活スタートまで)

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今回は日本での海外転職活動の開始から、シンガポールへの移住までの流れをご紹介します。

 

1. キャリア転換の見直し

私の海外転職へのきっかけは、日本で就職して5年が経ち、大学院を卒業したので、その後キャリアの方針転換を見直したことです。学生時代は、カナダに短期、フィリピンの大学に長期留学、海外旅行を通して、国際的な就労環境を求めて、日本での外資系IT企業に就職しました。

しかしよく考えてみると、外資系企業は各国に法人を置く多国籍企業であるため、海外出張や海外プロジェクトに参画する機会は期待より多くありませんでした(むしろ海外に展開する、日系企業の方がそういった機会は多いかもしれません)。企業にもよりますが、実際の職場環境もほぼ日本語で日本の顧客を担当することが多いのです。(日本の市場を担当する営業拠点の位置付けなのでよく考えると当たり前ですが…。)

大学院では海外にフィールドを広げて、多国籍企業の国際分業と人的資本の配置戦略に関する研究を深めたこともあり、机上の産業構造の理論がどれだけ実態に伴うのか・乖離があるのか、知ることのできる就労環境を経験したいと思い、2019年の3月に海外での転職活動を始めました。

もちろん日本で所属する会社でも駐在機会はあるのですが、そのほとんどがベテラン層に限定されていたため、日本の企業で駐在機会を手にするには、日本での実績が問われます。また、仮に運良く駐在員になれたとしても海外に2-3年しか滞在できませんし、その年齢ではすでに日本でのビジネス慣習が染み付き、高度な英語習得にも制約があるため、私の場合は30代までに一度は海外就労を経験し、早い段階から国際的に活躍できるようになることを目指すことにしました。

 

2. 海外転職活動の開始

しかし海外就職を始めるといっても、どの様な方針と方法で海外転職を実現するかは、人それぞれ異なります。一般的には海外の現地に拠点を置く、日系の海外転職エージェントを活用する場合が多いと思います。また就労を希望する国の選定から、採用形態やビザについても情報を収集し、自分に最適な方向を検討しなければならないので、国内での転職活動とは全く別物です。

最終的に私が参考にしたのは、実際に米国で現地企業に就職したインド人IT技術者です。日系企業では駐在員と現地採用に待遇の差があるなどよく聞きますが、外資系企業ではそこまで差はありません。むしろ現地採用である方が、国によっては待遇が良いことがあります。最初は駐在員として海外法人に企業内赴任ビザ、あるいは現地の大学・大学院に学生ビザで入国後、現地採用に転換し、永住権や市民権を獲得するパターンが主流です。

しかし語学力や日本特有の就業経験という制約付きの日本人にとっては、日本よりもより良い待遇ややりがいのある海外ポジションを獲得するのは、非常に困難です。特に米国やシンガポールといった世界でも高度人材が移住を希望する国では、選別的な入国制度や採用基準も厳しい上に競争力が高いため、現地のコネクションが強い他のエスニックコミュニティとは異なり、日本人は不利になります。そうした近年の国際就労事情を理解した上で、どのような戦い方をするのか色々と悩み、私なりに実践してみました。最終的には、日本の所属する企業内でのネットワークを利用するのが合理的で、結果4月にフィリピンとシンガポール法人でのポジションを得ることができました。

 

3. 就労国の選定

そこからは国の選定になりますが、無事内定をもらえた後に、なんと4月末に「妊娠」が発覚してしまいました。そのため「妊婦」であっても受け入れてもらえるか、各国の上司に打診したところ、フィリピンはキリスト教の国で子供を非常に大切にしますし、シンガポールも女性の社会的自立を尊重する文化があってか、5月には両国ともOKという返答でした。対して、仮に断られた場合に日本の他の企業にも打診してみたのですが、日本では快く妊婦に投資はできないという理由で断られました(笑)。

「妊婦になっても海外就職の夢を諦めたくない」、「むしろここで逃したら、子育てに追われて海外就職など2度とできないかもしれない」という思いが強まり、初めは家族に反対されながらも、旦那を日本に残し、海外に転職することを決断しました。いろいろ調べていくと、日本人女性の現地出産実績、医療制度や生活環境、託児所やヘルパーといったサービスの充実、養育・教育環境、条件や待遇の高さから、6月にシンガポールへの移住を選択することになりました。

 

4. 移住に向けての準備

移住を決断してから実際の移住までには、2ヶ月程度かかりました。特に就労ビザであるEmployment Pass (EP)の承認までの審査に2-3週間、私の場合は配偶者用に、扶養家族ビザ(Dependent Pass)も申請したので、2人分のIPA(In-Principle Approval)の発行までにさらに2週間かかりました。

7月に安定期に入ってからビザ取得までの間は、移住に必要な諸手続きや日本の仕事の引き継ぎ、退職手続き、引っ越し手配、現地での不動産エージェント手配、一時滞在ホテルの予約、現地の病院探し、旅券の手配、社会保障制度の諸手続きなどに着手する必要があったため、休む間も無く渡航の時期を迎えます。

 

5. 移住後の手続き

私は7月末に日本を退社、8月1日からシンガポールで入社というスケジュールでした。現地に着いてすぐに、まず就労ビザの登録を行います。EPは2週間ほどで発行され、手元に届きます。

次に、必要なのが家探しです。2週間ほどは会社近くのホテルに滞在し、1週間後には現地で暮らす家を決め、ホテルから移りました。そして最後に重要なのが、現地での初任給受け取りのための銀行口座を開設です。現地に着いて現地住所がない間、銀行口座を開設する基準を満たせないため、銀行口座開設するまでが最も苦労したのでした。

ざっと、移住の決断から実際の移住に至るまでの流れを振り返りました。あくまで一例ですが、現地での赴任や移住を検討している方々の一助になれば幸いです。

日本の川育ち。海を越えシンガポールに渡りました。

日本の川育ち。海を越えシンガポールに渡りました。

ICONIC

東南アジアにいながら、実は南アジアが専門。日本の低気圧が苦手で、常夏のシンガポールでは何故か活力がみなぎる。小籠包とJolliebeeを愛する外資系ウーマン。日本に残るサラリーマンの夫を連れてくるため、戦略検討中。

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