シンガポール人のビジネス習慣<日本との違い>

 

今回は長年シンガポール人と働いて感じた特徴をまとめておこうと思います。

長所短所をバランスよく絞れるよう努めます。それではまずは迷わず、短所から(笑)ご紹介します。(あくまで個人的な見解であることをご了承の上、あらかじめ知っていて損はないこととして、良好な関係構築のために役立てていただければと思います)

1. 絶対に謝らない

反対に言うと、国際的には日本人が「すみません」と謝りすぎなのでしょうけど、特に職場でプライドが高いシンガポール人に限っては、明らかにこれは謝る場面でも、絶対に謝りません(笑)。

相手の間違いを指摘されると、自分が間違いであるかどうかを疑い、そうであると気がついたら、「まずはしっかり謝って次に進む」という日本人のビジネス習慣とここにはコミュニケーション上、大きなギャップがあるように思えます。

一体、なぜなのでしょう。Try & Errorが良しとされている中華系の文化なのでしょうか。確かに自分の非を認めない方が、弱みに付け込まれず、合理的ではありますよね。

誤解しないでいただきたいのが、気軽に自分の誤りは認めませんが、間違いの指摘されることは嫌には思われないですし、「謝罪」の言葉はないにしろ、Errorを正す姿勢は見せてくれるのでご安心を。形式的な「謝罪」に意味を感じていないのかもしれません。もちろん日常生活ではちゃんと謝りますが、プライドの持っている仕事の領域となると尚更この傾向が出やすいように思います。

ローカルの方式にならって、こちらも謝りすぎず対応するのが個人的には良いかなと思います。逆に指摘はどんどんしてきますので、折れることなく、「指摘されたら(謝罪なしに)正す」という真面目な姿勢は日本人とほぼ変わりません。

2.早口、行動や決断がとにかく早い

これは英語であっても中国語であっても同様で、とにかくなんでも事を済ませるのが「早い」ということです。日本語であればビジネスの場では「ゆっくり、丁寧に、明確な」言葉での会話が重視されるように思われますが、シンガポールではその真逆(笑)で「とにかくはやく、雑でもいいから(雑とはあえていいませんが)、(あえて)曖昧に」という反応をもらうことがしばしば起こります。

良くも悪くも決断は早いのも特徴です。そうした迷わない思考に加えて、一般的な教育を受けたシンガポール人であれば、多言語を操れるという手段があるので、慎重派の日本人とのスピード感のギャップが生じることもあります。ほとんどの日本人は初めのうちはローカルスピードについていくのがやっとではないでしょうか。

ただし、スピードが早いからといって(曖昧なことはいっても)適当なことは言わないのが良い点です。何かしら根拠を持っているはずなので、そこは理解するまで何度も聞き返しても嫌がられません。日本人であれば一度伝えたことや同じ言葉を何度も聞き返されたりすると不快に思われたりしますが、シンガポール人は絶対に嫌がらずに、何度も丁寧に説明してくれます。

3. 権限を重視、トップダウンに抵抗なし

シンガポール人に限ったことではないですが、特に会社などの組織においては、誰がどんな権限をもっているかが、人間関係において非常に重視されます。日本では一部を除いて平等に接する機会がありますが、ここではそうしたことが感じられることは多くないのかなと思います。

どのようなことにおいても人間関係が大切です。中華系は特に重視します。もともと多民族が暮らす国家なので、「コミュニティ」や「ファミリー」という言葉がよく使われます。内輪な関係が苦手な人には、抵抗を感じるかもしれません。私自身もそうでした。

誰が仲間で誰が敵かを明確にし、公私共に利害関係を重視するように思います。良くいえば、日本であればそうしたことを表立って出すと嫌がられることでも、シンガポールでは当然のことのように思ってくれるので、躊躇なく交渉手段を打ち出せてやりやすい見方ができますね。

4. 躊躇ないアメとムチな態度

公私共に利害関係を重視する中で、必要なのは適度なアメとムチです!アメで一番わかりやすいのは、日常的に受け取る「礼物(あえて中国語的に書いてみました)」もしくは「(見返りを求めない)お裾分け」です。シンガポールに来てから、ご近所付き合いでも職場でも、特別な日でない時でも、食べ物や小さな物をしばしばもらうことがありました。日本人の感覚からすると、突然思わぬ人から関連性のないものを突然もらったりすると、「どんな見返りを求められているのだろうか」や、「これは何かの罠?(笑)」とついつい考えがちです。

ただ受け取ってしまったからといって、日本人のように何か「恩と義理」を感じすぎなくてOKです。ほとんどのシンガポール人がとても気さくで、無意識にとても気軽に「モノ」をプレゼントしてくるのです。ただ断られることを想定していないので、かなり一方的に要らないものを押し付けてくることもありますのでご注意を。私の場合は、シンガポール人がこれ美味しいわよといってたくさん揚げ物のスイーツやパンをくれたのですが、脂っこすぎていつも口に合わず、とりあえず受け取りはするものの、もらったモノとしてもカウントしないことにしています(笑)

また驚くことに「ムチ」の部分については、日本人のように抵抗なく、前起きなく突然実施してくることがあります!とても極端な例ですと、リストラなどです。躊躇なく決断し、それが覆ることはありません。ですので、周りの人間はこの究極の「ムチ」が下らないように、日頃から権限が高いものには誕生日をお祝いしたり、「モノ」をあげたりして、機嫌を損ねないようにしてますね。

個人的にこういう場面に遭遇してしまうと、信念がないといいますか、結局そこなんだ…と思うことがしばしばありました。もちろん、仕事に厳しい日本人は悪気がなくても「ムチ」と思われる態度をとってしまえば、信頼関係を取り崩してしまうことがあるので、十分注意してコミュニケーションに取り入れるべきかと思います。逆に曖昧にとってしまうと、得意の言語で、速攻でへちょん、へちょんに逆襲されます(笑)

5. 交渉文化の定着

 

交渉に自信がある方にとっては、個人的にはここが一番この国で楽しめると思います。交渉が大好きなシンガポーリアンとうまくやれれば、期待以上に良い待遇や境遇に出会えるでしょう。気がついたらガツガツして欲望に満ち溢れてしまうかもしれないので注意は必要ですが、基本欲張りなシンガポール人と気が合う日本人も少なくないかなと思います。適度にアクセルとブレーキを使い分ければ、交渉力がみるみる上達すると思います。

 

さて、ここまでメジャーに感じられたシンガポール人の特徴をまとめてみました。いかがでしたでしょうか。個人的な体験や主観も混ざってしまっていますが、きっとあなたにとっても共感する部分があったのではないでしょうか。相手と接する前に、お国柄や傾向を理解するのは非常に重要なことだと思っています。シンガポール人と上手に関わる参考としてもらえれば嬉しいです。

 

日本の川育ち。海を越えシンガポールに渡りました。

日本の川育ち。海を越えシンガポールに渡りました。

Ayu

東南アジアにいながら、実は南アジアが専門。日本の低気圧が苦手で、常夏のシンガポールでは何故か活力がみなぎる。小籠包とJolliebeeを愛する外資系ウーマン。日本に残るサラリーマンの夫を連れてくるため、戦略検討中。

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