突然ですが、シンガポールの物価事情について問題です。
シンガポールで外食すると、1食あたりの相場はいくらになると思いますか?
A. 250円
B. 2,500円
C. 25,000円
……実は、A・B・C全て正解です。
「物価が高い」と言われるシンガポールはその言葉通り、生活費がかかる都市 世界No.1として知られています。
英エコノミスト誌EIUの調査「Worldwide Cost of Living 2018」によると、香港・フランス・スイスなどの物価が高い国を抑えてランクインしています。
そんなシンガポールで生活しようと考えたときに、キーポイントとなるのが食事です。家賃や自動車などの物価は高くても、食事代は状況によって安く抑えられるのです。
今回はシンガポール在住者の目線から、外食相場に100倍の差がある現地のグルメ事情についてお伝えします。
250円でご飯が食べられるホーカー街
まずはA. 250円のグルメを見ていきましょう。
シンガポールには、ローカルの屋台(ホーカー)が軒を連ねるホーカーセンターが至る所にあります。女性の社会進出により、家で料理を作る習慣がないシンガポールでは、家庭の味は「母親の手料理」ではなく「馴染みのホーカー料理」。
そんなホーカーで食べられる料理は、美味しくて、種類が豊富で、しかも安い!
1食あたりの相場は250円とお手頃価格です。
チキンライスに代表されるシンガポール料理だけではなく、タイ料理やベトナム料理、日本食、フレンチまで様々なメニューが揃っています。日本では考えられないほどの安い値段で、量もたくさん食べることができます。
ホーカーでの物価
メニュー | 価格相場 |
---|---|
チキンライス | 250円 |
ホッケンミー(焼きそば) | 300円 |
ジュース | 160円 |
タイガービール(大瓶1本) | 560円 |
ビールが少し高いですが、ご飯+ジュースなら500円程度に収まります。
シンガポール旅行や現地生活が初心者という方におすすめのホーカーセンターは、マックスウェル・フードセンターとラオ・パ・サです。
観光地チャイナタウンにあるマックスウェルでは、チキンライスやお粥などの定番グルメを頂けます。ラオパサはオフィスビル街にある国内最大規模のホーカーで、多国籍な料理が楽しめますよ。
余談ですが、ホーカーの料理は「安い油を使いまわしているので体にはあまり良くない」と聞きます。とはいえ、私はほぼ毎日食べていますが…。
なお、お会計は現金払いのみ可能なため、カードを使っている方はご注意ください。
2,500円でおしゃれカフェランチ
次に、B. 2,500円のグルメです。
写真のようなおしゃれカフェやレストランでランチをした場合の相場は、平均して2,500円です。
シンガポール観光の定番、中心地のオーチャードエリアにあるカフェ「The Coffee Academics」を例に見てみましょう。
カフェ・レストランでの物価
メニュー | 価格相場 |
---|---|
コーヒー1杯 | 450円 |
ランチプレート | 1,700円 |
ピザ(ホール) | 2,000円 |
スイーツ | 1,300円 |
コーヒーとプレートを頼んだら、あっという間に2000円を超えますね。
その理由は、税金とサービス料にあります。シンガポールの税金は7%。ここにサービス料10%が加わり、上記のような物価になるのです。
もちろん、社会保障や医療費、街中のインフラ整備等を通じて還元されていますが、日本の感覚で金額だけを見ると、高く感じてしまうかもしれません。
25,000円の高級ディナー!?
最後に、C. 25,000円のグルメです。
シンガポールの高級レストランでお酒を飲みつつディナーをすると、なんと25,000円程度かかります。但し、これは2人分の合計金額です。
中華料理のお店で、シンガポール名物のチリクラブを食べたり、お寿司を食べて日本酒を飲んだり、フレンチでワインをボトルで頼むと、だいたいこの値段です。日本でちょっと奮発したディナーをした時の金額ですね。
マーライオンにほど近いチリクラブの老舗「パームビーチ」を参考にすると、おおよそ以下のような相場です。
高級レストランでの物価
メニュー | 価格相場 |
---|---|
チリクラブ | 9,600円 |
1品料理(海鮮のフライ、チャーハン)など | 1,600円 |
ビール(グラス) | 850円 |
カニもなかなかのお値段ですが、ビール(グラス)が850円というところがポイントです。シンガポールは酒税が高く、国土が狭いため、アルコール度数の高いお酒は輸入せざるを得ません。
高級レストランでお酒を頼むと、通常の価格に輸送費や税金、サービス料が乗り、ワインボトルは6,400円、ウイスキーは1杯2,400円程度と跳ね上がります。
もちろん、リーズナブルなレストランやファーストフード店もたくさんあり、安く済ませることもできますが、ホーカーで食べるかレストランで食べるかによって、コストと質に大きな違いがあることも事実です。
100倍差も気にしない国民性?
こうした物価事情のシンガポールでは、昼間はホーカーの250円ランチを食べて、夜は250,00円のディナーを食べるというのも一般的なのです。日本だと考えられない、おもしろい国民性だなと思います。
一口に「物価が高い」と言っても、上記のような理由から様々な物価相場があり、それを踏まえた上で食事をする場所・タイミングを上手に選べば、シンガポールでの生活も楽しめるはずです。
ホーカーの激安B級グルメから、夜景の見える素敵なレストランでのディナーまで、シンガポールのグルメを満喫してくださいね!