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ビジネスの記事一覧

【マレーシア法務ブログ】第15回:識別性

TNYグループのマレーシア事務所の弁護士の荻原と下田です。今回は商標の識別性について解説していきます。   第1 概論 2019年商標法において「商標」は「ある事業体の商品又はサービスを他の事業者のそれと区別することを可能とする画像として表現可能な標章」と定義されています。このことからも明らかなように、商標の役割は商標所有者と商品又はサービスとのつながりを示すことにより、商標所有者の商品又はサービスと他者の商品又はサービスとを区別することができるようにすることにあります。 そして、このよう

タイ不動産の未来 ~BADシナリオ~

  「2010年代はいい時代だったよ。給料は毎年勝手に上がるし、買った不動産もどんどん値段が上がるし」。 そう語るのは商社に勤務する45歳の男性C氏。2010年代前半から続いたコンドミニアムの価格上昇が永遠に続くかのような錯覚に憑りつかれ、銀行からのフルローンで5つもの物件を購入していた。 最初に購入した物件が運よく値上がりし、自分に投資の才覚があると勘違いをしてしまった。幸か不幸か2つ目の物件も購入後に値上がりしてしまった。そこからは怖いもの無し。「今思えば、あの時点でやめておけばよかった」とC氏

【ミャンマー法務ブログ】第14回:ミャンマーの2020年祝日に関する通知

  第1.はじめに ミャンマーでは従来は振替休日が存在せず、祝日が土日と重なる場合も他の日に祝日が振り返られることはなかった。しかし、昨年発布された通知により、急遽振替休日が導入された。 そこで、本稿では、ミャンマーの2020年の祝日について規定した2019年6月第36号通知(以下「36号通知」という。)及び当該通知を一部変更する通知2019年8月第50号通知(以下「第50号通知」という。)について解説する。 いずれも根拠法は流通証券法第25条である。   第2.50号通知の内容及び2020年の祝日 1.50号通知の内

【タイ労働法コラム】第14回:労働時間について

GVA法律事務所・タイオフィス代表の藤江です。本コラムでは、タイの労務管理について、日本との違いを踏まえた上で、法的に解説していきます。今回は、日々の労務管理において必ず知っておく必要がある労働時間に関するルールについて解説します。   タイにおける労働時間の原則は? 日本では、原則として、労働時間は1日8時間以下、かつ週40時間以下とされています。 一方、タイにおいては、以下のように定められています(労働者保護法23条1項、27条1項)。 1日の労働時間 原則8時間以下 1週の労働時間 原

タイ不動産の未来 ~GOODシナリオ~

202X年、タイは一人当たりGNI(国民総所得)2万ドルを達成し、世界銀行が定める先進国の仲間入りを果たした。「転換点は19年の米中貿易戦争でした」。そう語るのは不動産アナリストのA氏だ。 「当時、トランプ大統領の強引な政治が米中貿易戦争をもたらし、世界中が戦々恐々としていた。ただタイは密かに漁夫の利を得ていたんです」。A氏によると、中国で製造することを経営上のリスクと見なしたマイクロソフトやHP、デル、アップルといった世界大手企業の製造受託企業が、中国からタイとベトナムにサプライチェーンの大型移管を行い、

【マレーシア法務ブログ】第14回:商標登録の出願③

TNYグループのマレーシア事務所の弁護士の荻原と下田です。前回・前々回に引き続き、今回も出願手続について解説していきます。   1 概論 審査が終了した後、登録官は出願を受理するか否かを決定します。出願が受理された場合にはそのまま公告がなされ、異議申立がなければそのまま登録へと進むことになります。当該商標が商標登録の要件を満たしていないと登録官が判断した場合には、暫定拒絶の通知がされ、聴聞等を通じて更なる検討がなされることとなります。   2 出願が受理された場合 審査の結果、出願さ