第1.はじめに
2020年9月21日より厳格な自宅待機命令が出され、その補償のために同月24日に労働・入国管理・人口省より社会保障給付金の40%を給付する旨の通知が出された。しかし、当該通知においてどのような条件で給付されるか等の詳細が規定されていなかったことから、同月27日にそのガイドラインに相当するものが公布された(以下「本ガイドライン」という)。以下、本ガイドラインの内容を紹介する。
第2.本ガイドラインの内容
1. 保健スポーツ省は2020年9月20日に命令第107号、2020年9月22日に命令第108号を、ヤンゴン管区内でのCOVID-19の発生を効果的に防止するため発布した。当該命令で、ヤンゴン管区の各地区に住む市民は職場に行くことが許可されておらず、営業が必須である業種を除き自宅待機命令に従う必要があることが発表された。
2. 上記発表に従い、労働・入国管理・人口省は2020年9月24日に通知第196号を発布し、当該通知に応じて、社会保障基金に登録している被保険者であり、2020年6月分を既に拠出しており、かつ、自宅待機計画に含まれる私営工場、ワークショップ、商業施設で2020年9月23日まで働いている被保険者の労働者に対して40%の社会保障給付金が付与される。
(a) 2020年6月に得た賃金又は給料の拠出が2020年6月中に事前に拠出された、または
(b) 2020年6月に得た賃金又は給料の拠出が2020年7月、8月、9月に拠出された
3. さらに、2020年7月1日から新たに雇用された労働者が2020年9月23日まで働いており、使用者が社会保障基金に登録した後の2020年8月に既に拠出している場合、40%の社会保障給付金を申請することができる。。
4.40%の社会保障給付金を申請する場合、各地区の社会保障オフィス又は以下の規定に基づきウェブポータルhttps://ssbmyanmar.org又はウェブサイトhttps://ssb.gov.mmを通して申請することができる。
(a) 申請書に添付すべき書類
(i) 40%の社会保障給付金に関する申請書
(ii) 2020年6月の賃金又は給料を拠出され2020年9月23日まで働いている労働者、及び2020年7月1日から新たに雇用され申請時に既に拠出されている労働者がいる場合、エクセルファイルで纏めたリスト
(b) 申請時に注意すべき事実
(i) 申請時まで工場、ワークショップ、商業施設で働いている被保険者である労働者の氏名及び労働者社会保障番号(Ee-SSN)を正確に記入すること、2020年6月の拠出金を記載している拠出金エクセルファイルを含めること、労働者の氏名を記入する際(U)及び(Daw)を記入しないこと
(ii) 情報を記入する際、Pyidaungsuフォントのみ使用すること
(iii) 2020年6月に既に拠出しているにも関わらず、2020年7月1日から2020年9月23日までに職場の一時的な閉鎖を提出している場合、適用外である
(iv) 2020年7月1日以降に解雇、移動、死亡及び退職した労働者に関しては適用外である
5.使用者が40%を社会保障給付金をウェブポータルhttps://ssbmyanmar.org又はウェブサイトhttps://ssb.gov.mmを通して申請する場合、以下の手順に従い申請することができる。
(a) SSBウェブポータルhttps://ssbmyanmar.orgを入力
(b) 本ポータルで申請する間、使用者は
(i) 使用者登録番号(SSN)をシステムに入力し、会員登録を行う
(ii) 使用者のメールアドレスを入力すると、ユーザーネーム、パスワードが当該メールアドレスに送信される。そのため、メールアドレスを正確に入力することが必要である
(iii) メールアドレスに送られたユーザーネーム及びパスワードを使用してシステムに入り、規定のフォームに従い情報を入力する
(iv) 2020年6月の賃金又は給料を拠出され2020年9月23日まで働いている労働者及び2020年7月1日から新たに雇用され申請時に既に拠出している労働者のリストを作成し、エクセルファイルにこれら被保険者である労働者の社会保障番号及び氏名のリストを作成して添付、提出すること
(v) 使用者から送られた情報が正しい場合、社会保障給付金の40%が計算され、関連オフィス/商業施設又は職場に応じたポータルにメールを送ることによりその旨が説明される。
(vi) 社会保障基金により確認され配布されたリストのハードコピー及びソフトコピーは、社会保障事務所支所に持ち込まれお金の引き出しが継続的に実施される。
6.関連支所から40%の社会保障給付金を受け取った後、以下を順守しなければならない。
(a) 工場、ワークショップ及び商業施設の責任者は小切手を受け取った後、可能な限り早く労働者に付与しなければならない。
(b) 小切手を受け取った日から2週間以内に、被保険者である労働者のための社会保障給付金を受け取ったことに関して、労働者が署名した証拠書類を各地区社会保障事務所に提出し、お金を引き出さなかった労働者のリスト及び拠出金を、迅速に地区社会保障事務所に返却しなければならない。
(c) 社会保障給付金の受領に関して署名した労働者の中で、受け取っていないと報告する労働者がいる場合、使用者は責任を持って解決しなければならない。
(d) 使用者は2020年社会保障法第69条に基づき責任を持って給付金を労働者に与えなければならず、社会保障法に基づく登録を工場、ワークショップ及び商業施設がしていない状況の場合、労働者は実際の労働者数の支払がないため給付金を享受する資格がなく、労働者は賃金又は給料の発生を減らして提出しているため少ない給付金のみを享受することができる。
7.社会保障給付金の40%の申請に問題がある場合、使用者は各地区社会保障事務所に連絡を取る又は社会保障代表事務所の電話067-3417-151. -67-3417-994 及び 067-3417-925まで問い合わせることができる。
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