マレーシアビジネスの最前線①(2017年版)

マレーシアの大手会計事務所に勤める会計士、とーますと申します。
会計・税務・M&A・ベンチャー支援・アジア進出支援等、大小さまざまな日系クライアントの経営課題と向き合っています。

 

近年、日系企業の東南アジア進出が加速しています。日系企業にとって、東南アジアは魅力的な市場であり、どの日系企業にとっても事業拡大のために避けては通れない市場という位置づけではないでしょうか。その中でも今回は筆者が在住するマレーシアのビジネス概況についてご紹介します。

 


1. マレーシアのビジネス概況

 
マレーシアは、東南アジアの中心に位置する国であり、南シナ海を挟んで西に位置するマレーシア半島と、ボルネオ島等からなる東マレーシアに大別されますが、首都クアラルンプールや第二の都市であるジョホールバルが存在するマレー半島が主要な経済圏となっています。人口は、マレーシア全土で約3,000万人、その内約180万人が首都クアラルンプールに在住しており、これは日本の福岡県とほぼ同規模の経済圏です。
経済規模、経済成長率を表す代表的な指標にGDPという概念があります。GDPとは、その国で生み出された付加価値の総和であり、よく新聞やニュースで今年の日本のGDP成長率は○%であったというようなことを耳にしますが、GDPは、その国の経済規模・成長率を表現する際に使われる最も代表的な経済指標の一つです。以下は、東南アジア各国と日本のGDP成長率のグラフです。

 

実質GDP成長率 東南アジア比較

出典:JETRO HPより筆者作成(2014年度 実質GDP成長率)

 

このグラフから見て分かる通り、人口減少・少子高齢化等の構造的な社会問題を抱える日本のGDP成長率に比して、東南アジア各国のGDP成長率は高く、そのポテンシャルは一目瞭然です。そして、この市場のポテンシャルこそが、日本企業を惹きつける最大の魅力です。

 
 

2. マレーシアのビジネス経済圏としての魅力

 
では、次に、日系企業のマレーシアへの進出状況について見ていきます。以下は、マレーシア日本人商工会議所の会員数の推移です。

 

マレーシア日本人商工会議所会員推移

出典:マレーシア日本人商工会議所HPより筆者作成

 

上表を見て分かる通り、この30年間で製造業を中心にマレーシア進出企業数が増加傾向にあることが見て取れます。
では、なぜ、これほどまでに日系企業の東南アジア、とりわけマレーシアへの進出が加速しているのでしょうか。これには、大きく3つの背景があると考えます。

1) まず、背景にあるのが、中国経済の不透明感によるチャイナプラスワンとしての地位です。中国経済の成長は誰もが知るところですが、近年、中国国内における賃金の上昇や経済成長の鈍化によって、中国市場の魅力度が相対的に減少しており、中国市場→東南アジア市場へのシフトが進んでいます。

2) 二つ目に、数多くの日系製造業が、安価な労働力を求めてその製造拠点としてマレーシアを中心とした東南アジアに進出しています。近年では、マレーシア国内の賃金上昇も著しく、カンボジアやフィリピンといった更なる新興国に目を向け始めていますが、労働市場としての魅力は引き続き高いものと思われます。

3) さらに、近年は特に製造拠点としての魅力だけではなく、マレーシア国内の旺盛な購買意欲を背景とした消費市場としての魅力も増しています。これは、マレーシアで日本食レストランや日本の商品がスーパーのレジに数多く並んでいることからも明らかです。

 
 


以上が筆者の目線からのマレーシアビジネスの最前線です。

これからもマレーシア、東南アジアについてご紹介していきますので、ぜひご覧ください。
 

人と人とのつながりから生まれる幸せを大切に

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マレーシア大手会計事務所勤務の会計士。会計・税務・M&A・ベンチャー支援・アジア進出支援等、大小さまざまな日系クライアントの経営課題と向き合う。クライアントの課題解決に向けて、クライアントと共に成長していくことを生きがいとする。

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