5月9日、フィリピンでは6年に1度の大統領選挙が行われました。
国民の直接投票によって選出される大統領選挙、なんと投票率は70%を超えるんです!日本とは全く異なる、国民の関心が非常に高い選挙。フィリピンの熱狂ぶりを現地からお伝えします。
5月9日は月曜日。ですが、選挙の為にこの日は祝日となっています。6年に1度の一大イベントのため、フィリピン全土が選挙に沸いていました。
テレビからもラジオからも、流れてくるのは選挙の特別番組ばかり!ものすごいハイテンションで「投票へ行こう!」と促されます。集会があるとなれば、参加者の列によって道は大渋滞!普段なら15分程度で行ける距離でも、1時間以上かかるほどの混雑ぶりです。
また、街中の至るところにポスターが貼ってあります。
道路はもちろん、車にも、お店にも、見渡す限り選挙一色!
また、大通りだけでなく、なんとスラム街ですら選挙ポスターやチラシを見かけます。
スラム街の住民は投票に行くのか?
私は今回、セブ島で最も危険と言われるスラム街「ロレガ」を訪れました。最も危険と言われる理由のうちの一つは、ギャング集団が多数いること。銃を用いた闘争が発生するばかりか、住人の多くがドラッグによって生計を立てていることが理由として挙げられます。
2年前に火事が起きたことで悪が一掃され、治安は良くなっています。ですが現在もギャング集団は6つあり、完全に安全とは言い切れない状況です。
そんな危険なエリアですが、住人のホットな話題は大統領選挙!
多くの住民が、指示する大統領のリングを手首に着けたり、Tシャツを着るなどしています。
少し話をすると、話題はすぐに選挙へ!若者からお年寄りまで、明確な意思を持って支持者を選び、議論します。議論と言っても、口論になるようなことはありません。候補者を公言するところは日本とは異なる文化で驚きました。
猫の首輪になっているのがリング。ちょっとかわいそう…
また、フィリピンでは18歳から投票が可能です。
今回話をしたスラム街の16歳の女の子は、選挙権がないのが悔しいと残念そうでした。
19歳の男の子は、自分がなぜその候補者を支持するのかを熱く語ってくれました。
若者が選挙に対して熱狂的になる姿は、日本とは異なっており、またそれを感じたのがスラム街だったということも非常にショッキングな出来事でした。
選挙に行くとスタバが無料!?
熱狂的なのは当然スラム街だけではありません。当然都市部でも非常に高い関心を集めています。
フィリピンのレストランやカフェなどでは、選挙に関連するキャンペーンが多数行われています。
そのうちの一つがスターバックス。
投票すると人差し指に特殊なインクが塗られるのですが、この指を見せることでキャンペーンに参加できます。1杯購入すると、好きな飲み物が1つ無料でもらえるというもの!
出典:philippine starbucks facebook
スターバックスには非常に長い列が出来ていました。
こういった施策も投票率の向上に寄与しているのかもしれませんね。
大統領選は、犯罪や汚職の撲滅を公約に掲げたロドリゴ・ドゥテルテ氏が当選の見込みです。
フィリピンの犯罪率の高さや、汚職については外国人から見て大きな問題ですが、それ以上にフィリピン国民が辟易している印象を受けました。真剣に「Change」を口にするフィリピン人を見ていると、新しい大統領のもとでフィリピンが安全な国として発展していくような希望が見えた気がしました。