ヒンドゥー教の奇祭、タイプーサム・フェスティバル@シンガポール

平和で安全な大都市シンガポールで、ヒンドゥー教の奇祭として名高い苦行のお祭り「タイプーサム」が開催されていることをご存知ですか?
本国インドでもその過激さゆえに開催禁止になったという、ディープなシンガポールが垣間見れるとても珍しいお祭りをご紹介します。
 


タイプーサムとは?

敬虔なヒンドゥー教徒が神への忠誠・感謝を示すべく行う苦行のお祭りです。
「タイ」とはヒンドゥー教のタミル暦の10月、「プーサム」とは幸運の星のことを指します。タイの満月の時期、プーサムが最も高い位置に登る日に、この神聖な儀式が執り行われるのです。2017年は2月9日がタイプーサムでした。

ヒンドゥー教はインドが発祥の地ですが、タイプーサムはあまりに過激な苦行内容がゆえ、本国インドですら開催を禁止されています。そのため、現在タイプーサムはシンガポールとマレーシアのみで開催されています。

 

タイプーサムの苦行とは?

苦行の内容、それは全身を鉄の針で貫き、カバディと呼ばれる豪華な飾りを支えながら、約4キロの道のりを歩くというもの。行進中は激しい宗教音楽が流れ、不思議な熱気に包まれています。

※写真を掲載しますが、心臓の弱い方はご注意ください。

 
 


 
このカバディ、重いものは40キロにも及ぶとのこと。カバディを鉄の針で体に刺すことで支えています。針は細いものから太い串のようなものまでありますが、非常に痛そうです。
 

 
全身にくまなく針を刺し、カバディを支えています。
 

 
カバディは信者によって異なるデザインでした。苦行の為、痛ければ痛いほど良しとされるそうです。
 


 
行進をしているのは男性だけではありません。
女性や子供は、ヒンドゥー教で聖なるものとされているミルクを壺に入れて運びます。
 

 

タイプーサムでは、なぜ苦行を行うのか?

「心が物質的な価値から解放され、体が肉体的な欲求から解放された時に限り痛みを感じない」とされているこの苦行。しかし、物理的にどう考えても痛いはず。

タイプーサムの苦行によって神様への感謝を表明し、そうすることで願いを神様に届けることができるとされています。

多くの信者が、家族についての祈りを捧げます。

タイプーサムは苦行を行っている信者とともに親族や友人も行進し、時には励まし、時には歌い、踊りながらみんなで約4キロの道のりを歩くのです。人との強い絆を感じました。
 

 
道中では無料でドリンクやフードが振舞われます。
この女性の持っている食べ物はビリヤニですが、他にもカレーやスイーツなどバリエーションはとても豊富でした。皆、これらの食事を摂りながら行進している人々に声をかけたり、歌ったりしています。苦行者は時折激しいダンスを踊るのですが、その際には拍手やかけ声があがることも。

「苦行」という言葉から、私は当初「孤独な戦い」を連想していました。しかしタイプーサムは孤独とは対極に位置する、とても暖かいお祭りだったのです。家族はもちろんですが、友人や、同じ宗教を信仰する人々、さらには異なる宗教を信仰する人との間にも強い絆があることを感じ、胸がいっぱいになりました。

 


シンガポールが他民族国家であることを久しぶりに肌で実感し、ますますシンガポールの魅力に取り憑かれた1日でした。
ちょっとディープなシンガポールを体験できるタイプーサム、ぜひ参加してみてくださいね。

 

☆タイプーサム・フェスティバル シンガポール(Thaipusam Festival)公式サイト
http://thaipusam.sg/

好奇心の奴隷

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ICONIC

お酒と居酒屋と人間が好きです。世界で一番お酒がおいしく飲める場所を探し求めて、海外の酒場を放浪しています。最貧スラム街から天空ルーフトップバーまでお酒が呼べば何処へでも。未知との遭遇とお酒の誘惑という快楽の奴隷であること以外はごく普通の女の子です。たぶん、おそらく。

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