みなさん、こんにちは。
ICONICのHan(ハン)です。
今回はコラムを書く前に、1つ質問したいことがあります。
みなさんはホーチミン市について、どのような印象をお持ちですか?
おそらく、「賑やか」「発展している」「交通渋滞がすごい」といった回答が出ると思いますが、一見騒がしい印象の市内にも、穏やかな暮らしが営まれている“小さな農村”が存在します。メコンデルタのように川や水田・畑が広がり、人々は自給自足の生活を楽しんでいるのです。
現在、そうした農村はホーチミン市の急速な発展とともに失われつつあります。
今回私が紹介することをきっかけに、ぜひみなさんにも興味をもっていただければと思います。
ビンタン区の孤島、タンダ半島
まずは、ホーチミン1区からほど近いビンタン区にあるタンダ(Thanh Da)半島を紹介します。
周りをサイゴン川に囲まれており、中心地から切り離された孤島のようです。
タンダ半島へは、ビンクオイ(Binh Quoi)通りという狭くて長い道を進むとたどり着けます。
奥地には古い家々が並んでおり、壊れたような外観の家、廃墟となった家、建設途中の建物もあります。これらはすべて、ホーチミン市計画投資局のインフラ整備のプロジェクトによって管理されています。
引用:http://redsvn.net/chum-anh-ban-dao-thanh-da-vung-nong-thon-heo-hut-giua-long-sai-gon/
住民は広い土地を活用して稲を植えたり、家畜を育てたり、池で魚を飼ったりと穏やかに暮らしています。そうした景観の先に近代的なビルが見えると、全く違う2つの世界の間に立っているような、不思議な感覚になります。
引用:http://redsvn.net/chum-anh-ban-dao-thanh-da-vung-nong-thon-heo-hut-giua-long-sai-gon/
都市化に迫られる田園地帯
また、同じタンダ半島内の2区にほど近い農村では、およそ20世帯の家族が生活しています。サイゴン川から引いた水で稲作をしており、広大な田園風景が広がっています。
先代から継いだという水田は、都市化の影響で縮小してしまったようですが、それでもホーチミン市内とは思えない見事な景観です。ここでは住民が自給自足の生活を楽しんでおり、自分たちで育てた米や野菜、家畜や魚を食べる豊かさを味わっているようです。
一方で、市のプロジェクトによって水田を取り上げられた場合、賠償金が支払われるのか、いくらもらえるのか…といった不安を感じている住民も多いようです。
サイゴンのオアシス、ゴー村の暮らし
ホーチミン郊外のビンチャイン県には、“サイゴンのオアシス”と呼ばれるとても小さな農村ゴー村(Xom Go)があります。
数十世帯の家族が暮らしており、家畜や魚、野菜を育てて生計を立てています。ゴー村に50年以上暮らしている住民によると、昔は道路や橋もなく、電気や水も引いていない状態だったとか。また、近所を行き来するにも船が必要で、子供の頃は遊びに行けず寂しい思いをしたそうです。
5~6年ほど前に小さな橋が架かったことで、交通の便も良くなりました。
村の畑は浸水しているため、通常の作物は育ちません。そこでボンボン(Bon Bon)というベトナムの特産野菜を植えています。全長2メートルにも及ぶ巨大サイズで、浸水した畑でもしっかりと育ちます。根の部分を塩漬けにして食べると美味しいです。
引用:https://doanhnhansaigon.vn/phong-su-ky-su/xom-go-mot-mua-mua-mot-mua-nang-1040333.html
裕福には見えない暮らしぶりですが、彼らは自然に囲まれて、自給自足の生活を送るという充実した毎日を過ごしており、村を離れて都市で暮らそうという気は全くないそうです。
以上、ホーチミン市内にある小さな農村について紹介しました。
急速な都市化が進むホーチミンでも、こうした穏やかな暮らしは今も残っています。
田舎暮らしに触れる機会が少ない市民にとって、小さな農村の存在は、貴重な財産になるはずです。
私もいつか、こうした所に家を建てて、野菜を植えて、鶏を飼って…自然に囲まれながら、シンプルな暮らしをするのが夢です。
本記事はVIETJO Lifeに掲載されています。
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