みなさん、こんにちは。
ホーチミン在住のベトナム人Hanです。
旅行や仕事で東南アジアを訪れる際、みなさんは現地の治安について調べていますか。
治安の良し悪しをどう捉えるかは人それぞれですが、ご自身が訪れる国でどんなトラブルが起きているのか、そしてどう対処しているのかをチェックする必要はあるでしょう。
近年ホーチミンでは、外国人をターゲットにしたひったくり事件が発生しています。
そうした事態を踏まえ、ホーチミン市警察は一般市民から成る「ひったくり取り締まり隊(Doi san bat cuop Sai Gon)」を発足し、対処に当たっています。
そこで今回は、私たちの街を守ってくれる「ひったくり取り締まり隊」について、大きな功績を残した2つのチームに焦点を当てながら紹介します。また、昨年結成された「サイゴンSOSチーム(Biet doi SOS Sai Gon)」の活動についても取り上げます。
ぜひ最後までご覧ください。
自ら泥棒を捕まえた、志高い若者がリーダー!Nguyen Van Sinチーム
ひったくり取り締まり隊(以下、SBC)のチームの1つである、Nguyen Van Sinさんをリーダーとしたグループについて見ていきましょう。
Sinさんは25歳と若く、少し太り気味で優しい顔立ちの男性です。外見は穏やかですが、芯は強くひったくりの取り締まりに熱心なのだそう。
彼は以前、仕事帰りに目の前でひったくりが発生し、自ら追いかけて捕まえたという功績の持ち主です。それをきっかけに、もっと多くの人を助けたいと考え、同じ意思を持つメンバーを集めてチームを結成しました。
引用:https://vnexpress.net/tin-tuc/phap-luat/nhung-hiem-nguy-doi-hiep-si-san-bat-cuop-sai-gon-3379908.html
メンバーは全員、運転手やセールス、販売業といった自身の仕事があるため、平日はあまり活動できません。休日に集まってミーティングやパトロールをしています。また、HotlineやFacebook経由で相談を受けて、被害者のもとへ駆けつけることもあります。そうして、彼らは年に数百件のトラブルを解決しました。
しかし、彼らの活動は危険と隣り合わせでもあります。傷害事件に巻き込まれたり、逆恨みされて追い回されたりすることもあるからです。
Sinさんは過去にバイクを壊されたり、注射針を刺される被害に遭いました。メンバーのVuさんは、ナイフで刺されて入院する事態に至っています。彼らの身に何か起きた際は、医療部のサポートを無償で受けられることになっています。
強盗・ひったくりを阻止!Lam Hieu Longチーム
次はLam Hieu Longさんのチームです。Longさんはタンフー区に住む26歳の男性です。
彼のチームは23~26歳のメンバー6人で構成されており、SBCのFacebookページ「Trinh bao mat cap tai san」および「Đoi san bat cuop TP Ho Chi Minh」を管理しています。
詳しい活動の様子は、このページから見ることができます。強盗やひったくり等の事件を200件以上解決している、頼もしいチームです。
LongさんもSinさんのチームと同じく、危険なトラブルに見舞われることがあります。何事もなく解決してほしいと願うばかりです。
夜間の様々なトラブルを解決!サイゴンSOSチーム
そしてもう1つ、みなさんに知っていただきたいのが「サイゴンSOSチーム」です。
Tuan Sangさん・Van Sacさんが2017年3月に結成し、20人のメンバーで構成される比較的新しいグループです。午後10時~午前2時にかけて活動しています。
彼らは主に、夜間走行者のためのバイクの修理、交通事故に遭った被害者の搬送、泥酔した人の介助など、夜間に発生するトラブルへの対処にあたっています。
引用:https://thanhnien.vn/gioi-tre/cuu-nan-dem-khuya-mien-phi-908774.html
必要な工具やガソリン、応急処理の道具等はすべてメンバー自身が用意しており、修理や救護スキルも自ら学んで身に着けたそうです。
結成当初、彼らの存在はまだ信用されておらず、泥棒と間違われることもあったのだとか。それでも諦めずに続けた結果、多くの市民に認められる存在となりました。
メンバーの安全確保が課題
誇らしい存在であるSBC、SOSチームですが、安全性や費用面における課題もあります。
SBCに関しては、危険を伴う活動を不安視する声もあります。彼らはひったくり犯の取り押さえに必要な訓練を受けていますが、武器を持っているわけではありません。犯人がナイフを持っていた場合、警察の応援が必要になります。
最近では、彼らに電気鞭などのサポート器具を給付してはどうか…という声もあり、どのように危険を回避していくかが課題となっています。
引用:https://baomoi.com/tet-khong-nghi-cua-hiep-si-bat-hon-3-000-ten-cuop/c/18632163.epi
また、SOSチームが自ら活動に必要なものを用意しているように、費用面でのサポートも十分とは言えません。事件や事故に巻き込まれてバイクが壊れても、修理代は自己負担なのです。
資金援助がなくても大丈夫、と言うメンバーもいますが、何らかの援助が必要なのではないでしょうか。
彼らの存在に憧れて、グループに参加する若者はたくさんいます。
今以上にスキルを磨ける環境を整えれば、ホーチミンの安全を守る大きな組織となることでしょう。