外国人の出入国に関する法令の重要な改正ポイント

1. はじめに

2019年11月25日、国会において、ベトナムにおける外国人の出入国・経由・居住法の一部を改正・補足する法律が可決されました。2020年7月1日から施行される予定です。今回の改正は、外国人がベトナムの出入国に有利になる規定が多く盛り込まれています。

2. 主な改正点

まず、外国人のビザの種類の切り替えが出国なしで可能となります。これまでは、ビザの種類を変更するためには、いったん出国してから再入国する必要がありました。しかし、改正法では、一定の条件を満たした場合には、出国なしでビザ種類の変更ができるようになり、就労ビザの取得手続きの大幅な簡素化が実現します。

また、外国人がベトナムのビザ免除措置を利用してベトナムに入国した場合、その出国から30日以上経過していないとビザ免除による入国ができませんでした。改正法施行後は、このルールが廃止されることになりました。

このほか、改正法では、電子ビザ発給に関する条項の新設や、ベトナムに投資する外国人投資家に交付されるテンポラリーレジデンスカードの最長期間が10年に延長されるなどの変更が加えられています。

3. 一覧表

現行法と今回の改正点について簡単な一覧表を作成しましたので、ご参照ください。ただし、改正法の正式な内容はまだ公表されていないので、最新の草案をベースにしています。なお、下記表内に関して正確な内容を把握したい場合は現行法、草案ともに原文をご確認ください。

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日本国弁護士・ベトナム外国弁護士

日本国弁護士・ベトナム外国弁護士

工藤拓人(外部ライター)

CAST LAW VIETNAM 代表、弁護士法人キャスト・パートナー。日本国弁護士(大阪弁護士会所属)、ベトナム外国弁護士。 2011年から弁護士法人キャストに参画し、2013年から中国上海、2014年からベトナムへ赴任。2015年より弁護士法人キャストホーチミン支店長、2017年より現職。ベトナムを拠点に、在ベトナム日系企業に対して進出法務、M&A、労務、知的財産、税関および不動産などの分野で幅広いサポートを行う。著書に『メコン諸国の不動産法』(大成出版社、2017年、共著)、『これからのベトナムビジネス』(東方通信社、2016年、共著)など。

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