三度の飯よりコーヒーが好きなわたしは、皆さんにぜひ知っていただきたいコーヒーがあります。
それは、「世界で最も高価」と言われるフィリピン産アラミドコーヒーです。
タガログ語では「Kape Alamid」、英語では「Coffee Alamid」と呼ばれています 。
アラミドコーヒーは、植物ではなく、ジャコウネコという動物の糞から作られる世界でも珍しいコーヒー。
1kg当たり約1,200ペソ(2,640円)で市場で取引され、一般的なコーヒー豆と比べると約5倍の値段です。フィリピン国内のカフェでは、コーヒー1杯300ペソ(660円)から500ペソ(1,100円)で飲めます。これはスターバックスのブリュードコーヒーと比べて、3倍から5倍のお値段!
なぜこんなに高価なのでしょうか? どのように生産されているのでしょうか?
今回はフィリピン産アラミドコーヒーについて詳しくご紹介します!
アラミドコーヒーの生産方法
▼ジャコウネコ
出典:File:A Civet Cat in Kape Melo Farms, Inc., Cagayan de Oro City, Philippinesm.jpg
アラミドコーヒーは、夜行性動物ジャコウネコの糞から作られます。
ジャコウネコは、細長い体型で森林や草原などに生息している動物。もともとは雑食で、昆虫、鳥類、果実、哺乳類などをエサにしています。
一方、アラミドコーヒーを作る野生ジャコウネコは、森の中で赤く新鮮なコーヒーチェリー(コーヒーの実)のみを食べています。
ジャコウネコの体内に入ったコーヒーチェリーは、発酵して糞となって排出。森の中に落とされたジャコウネコの糞は、現地収穫者によって集められ、きれいに洗浄・焙煎された後、「コーヒー豆」として市場に出回ります。
「動物の糞からできる」と聞くと少し不潔な印象を持つかもしれませんが、ジャコウネコは特殊な体内構造を持ち、全く臭いのない糞を出します。一番甘く新鮮なコーヒーチェリーばかりを食べる習慣を持つため、苦味がなく甘い味のコーヒー豆になります。しかも化学物質ゼロの自然が作り出したコーヒー豆です。
アラミドコーヒーが高価な理由
▼ジャコウネコの糞からできたコーヒー豆
shankar s.-Civet coffee beans
出典:https://www.flickr.com/photos/shankaronline/9361812723
アラミドコーヒーは、どうしてそんなに高価で売られるのでしょうか?
その理由は2つ。理由を考えれば、値段が高くなるのも納得です。
希少価値が高い
アラミドコーヒーを作るジャコウネコはケージで育てられるのではなく、山に生息する完全な野生のジャコウネコです。そのため年間でたった500kgしか生産できず、希少価値が高くなっています。
残念なことに、ケージで育てられたジャコウネコのコーヒー豆を高額な値段で販売する悪徳業者もいるようです。ジャコウネコはケージで育てられると、健康面で何か問題を抱えてしまったり、大きなストレスを持ってしまうことが多く、コーヒー豆の品質ももちろん下がってしまいます。購入の際は、生産地を確認してくださいね。
高価でもまた飲みたくなるほどおいしい
アラミドコーヒーの特徴は、繊細な甘み、濃厚な味、滑らかな舌触りです。一般的なコーヒー豆に比べると油っぽく、香りがとても豊かです。多くのコーヒー愛好家がファンになるほどのおいしさで、高価でも手に入れたい人が多くいるのです。
アラミドコーヒーの購入方法
アラミドコーヒーは、フィリピンのお土産ショップで販売されており、簡単に手に入ります。
下記は、わたしのオススメのブランドです。
Coffee Alamid
フィリピンフェアトレード認定のアラミドコーヒー。日本でもオンラインショップで販売されています。
(公式Facebookページ:@Coffee Alamid)
フィリピンのお土産を幅広く取りそろえるカルチュラ・フィリピン(Kultura Philippines)でも販売していました。
写真はマニラ首都圏のボニファシオ・グローバルシティにあるモール、SM AURA店です。1種類のブランドしか、現在取り扱っていないそう。
フィリピンフェアトレード認定(World Fair Trade Organization)のマークがつけられています。
アラミドコーヒーのおいしい飲み方
アラミドコーヒーを最もおいしく淹れるには、フレンチプレスがオススメです。
金属フィルターで濾すため、アラミドコーヒーの油分まで余すことなく抽出できて、アラミドコーヒーの本来のおいしさを楽しめます。
◆フレンチプレスでのアラミドコーヒーの淹れ方
1. コーヒー豆の粉をフレンチプレスに入れる。(プレスの半分くらいまで注ぐ)
2. 熱湯を注ぐ。ここからタイマーで4分計測開始!
3. タイマーが残り30秒になったら、上から1.5センチくらいまで熱湯を注ぐ。
4. タイマーが4分経過するまで待つ。
5. プランジャーを下まで押し下げる。
6. カップに注ぎ、できあがり!
一口目を飲む前に、まずはアラミドコーヒーの香りを十分に味わってくださいね。
ストレートも十分おいしいのですが、クリームと砂糖を入れるとチョコレートのような味に変わります。試してみてください。
ジャコウネコの健康状態や食べるコーヒーチェリーの品種、生産者の焙煎方法、コーヒーの淹れ方などによって、少し香りや味が変わるそうです。
いかがでしたか?
フィリピンに訪れた際は、アラミドコーヒーをぜひ挑戦してみてくださいね。
ちなみに、フィリピンじゃなくて日本で手に入れたいという場合、オンラインショップでも販売されています。
100グラム当たり3,000円~10,000円とかなり高値で販売されていますが、試してみる価値はあると思います。