現在私は妊娠6ヶ月。
出産の際は日本へ帰国する予定ですが、8ヶ月までの検診はベトナムの病院にて行っています。
今回は、謎に満ちたベトナムの産婦人科の内部についてお伝えします。
インターナショナル病院の産婦人科へ
私の通うCity International Hospitalは、Binh Tan区に位置するインターナショナル総合病院で、市内1区からはタクシーで30分ほどの距離に立地しています。
※1区の同病院クリニック(201 Nguyen Thi Minh Khai)からの往復無料シャトルバスもありますが、本数は少ないです。時刻表等はHPに記載有。
太り方が足りない!?検診で驚かれる
産婦人科の待合室。人が全然居ません。
診察室へ通され、現れた私の姿を見るなり驚きの声を上げる担当女医。
女医「ちょっと、お腹全然出てないじゃないアナタ!!」
ああ……
そこか……
周りのベトナム人の皆さんから言われまくっているので、私にとっては耳にタコなのですが…。
妊娠するとお腹が極端に大きくなるベトナム人女性からすると、さほど目立たない日本人妊婦の身体は、不思議な上に心配でしょうがないようなのです。
女医 「というかまず、太り方が全然足りないわ」
私 「いや、でも3Kgは増えました」 (妊娠6ヶ月の時点での増量平均値)
女医 「いいえ、12Kgは増やしなさい」
私 「出産の時点でですよね?」 (出産時の増量目安は10Kg程度)
女医 「いいえ、今の時点でです」
そんなわけあるか!
妊婦さんへ必要以上の栄養を採らせようとする、ベトナム習慣の一端を垣間見た気がしました。ベトナム人の妊婦さんがすごく大きくなる理由も、ちょっとわかったような気がしました。
あのお腹は胎児のみならず、お母さんの生活習慣の現われでもあるのでは……。
性別判明で医師大喜び!?エコーで騒がれる
エコー待合室。人が全然居ません。
前回の検診の時点で、エコー医師より「80%の確立で赤ちゃんは男子」と教えられていたのですが、今回それがより確実になっていたようで、彼はうれしそうに再び「やっぱり、男の子だよ!」などと伝えてきます。
エコーを一時停止し、足の付け根あたりに見える小さな突起の影に対し、画面上に矢印の記号まで表示させて強調した挙句、「ほら!これ!これが、アレだよ!!」と、性に対する興味が芽生え立ての小学生男子さながらはしゃぐ、40代半ばと思しき男性医師。
ですが、そのテンションに若干苦笑いしていたところ、突如静かになった彼は、いきなり思い出したかのように真面目な様子となり、声を潜めてきました。
「ところで、実は、この病院では、この時期に子供の性別を告げることは禁止されているのです。ですので、ここで性別を聞いたということについては、絶対に口外しないでください。絶対にです。」
は!?
前回、聞きたいとも言っていなくて、心の準備もできていない私に対して、「知りたいですか?」の前置きも無く、唐突に「男の子だねコレ!」とか騒いで一方的に教えてきたの、貴方ですよね!!
しかも前回そんなこと言われなかったから、もう結構周りに言っちゃったし!!!
しかしどうやら話によると、ベトナムでは「生まれる前に子供の男女を聞く → 望まぬ性別だった場合の堕胎」 という例が少なからず存在するのだそう。それを防止するための病院側の規則ということですが、やはりまだまだ日本とは違う命の価値観を、思い知らされた一幕でした。
産婦人科での費用
薬カウンター。こ と ご と く 人 が 全 然 居 ま せ ん 。
破傷風予防接種、血液検査、尿検査もあり、結果としては「順調そのもの」。
赤ちゃんの大きさも重さも、21週のごく平均値ということで、初っ端に「こんなにお腹が出てないなんて、絶対におかしいわ、赤ちゃんがちゃんと育ってないんじゃないかしら」などと脅かしてきた担当女医も一安心してくれた様子です。
●ベトナム産婦人科の費用目安
今回の検診料:2,140,000VND(約10,800円)
薬代:390,000VND(約1,970円)
タクシー代:往復400,000VND(約2,020円)
こちらの病院で分娩までする際は、自然分娩の場合で50,000,000VND(約252,220円)程度が費用目安だそう。
参考までに、インターナショナルではなくローカル産院で出産する場合、分娩費用の目安は、ゼロが一個減って5,000,000VND(約25,220円)程度だとのことです。
一体どのような状況での出産となるのか、未知の世界すぎて想像が掻き立てられます。
なお、この病院はインターナショナルを謳っていますが、産婦人科の先生は英語がほぼ話せません。私は、利用している医療通訳サービスの通訳さんをお願いしています。
また、エコー写真の載った診断結果について、ベトナム語であればすぐに出してくれますが、英語だと当日には出せず、次回行った時にしかもらえません。さらに言うと、これだけ「人の居なさ」をアピールしましたが、それにも関わらずやけに待たされます。
それらの点から、異国に住む身からしては若干不安の残る対応という印象はありますが、ローカル病院と比較すれば、施設は大きく清潔感もあり、設備に関しても十分なものは揃っていますので、外国人が利用するには決して悪い場所では無いと思います。
というわけで、大半が個人的な文句で構成されるという歪んだ紹介となりましたが、私の実際の体験を通して、ベトナム産婦人科事情をお伝えしました!どうぞご参考までに。
またね!