【知っておきたいベトナムのお盆】「鬼月」と「ブラン祭」とは?

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みなさん、こんにちは。
ホーチミン在住のベトナム人Hanです。

時が過ぎるのは早いもので、旧暦上は1年の半分が経ちました。新暦上では8ヶ月が経ち、2018年ももうすぐ終わりますね。
ところで皆さんは、今年の「鬼月」をどのように過ごされましたか?
鬼月とは、旧暦7月(新暦では8月中旬~9月中旬頃)を指します。亡き魂(鬼)がこの世に戻って自由に徘徊するといわれており、ベトナムのお盆「ブラン祭(Vu Lan)」も旧暦7月15日に行われます。

なぜ鬼月というのか?鬼月には何をして過ごすのか?今回はベトナムならではの風習について紹介します。

 

ベトナムの鬼月は、鬼が現世にやってくる!?

まずは、鬼月に由来する話をご紹介しましょう。

みなさんもご存知の通り、ベトナム文化は中国の影響を受けています。鬼月もその一つで、道教における中国のお釈迦様に起源があります。言い伝えによると、地獄の王である閻魔大王(えんまだいおう)が鬼門を開き、旧暦7月2日~14日までは先祖の霊(鬼)がこの世に戻ってくるのです。その間、現世の人々は不運を避けるために、お粥や塩などを備えなければなりません。

鬼門を開けるよう命令する閻魔大王
引用:http://www.baogiaothong.vn/vi-sao-thang-7-am-lich-duoc-goi-la-thang-co-hon-d160480.html

 

鬼を避けるには、お供え物?

経典「救抜焔口陀羅尼経」にも、鬼にまつわる話があります。
ある時、釈迦の十大弟子である阿難(アーナンダ)が座禅をしていると、ひどく痩せて口から火を噴いている餓鬼が現れたそうです。彼は阿難に、「三日後にお前は死んで、私のように生まれ変わる。避けたければ、餓鬼道のあらゆる衆生に対して食べ物を施し、三宝を供養せよ」と言いました。

口から火を噴く餓鬼
引用:http://vietnamnet.vn/vn/doi-song/nhung-dieu-kieng-ky-va-nen-lam-trong-thang-co-hon-188489.html

それを聞いて、阿難は釈迦仏に助けを求めたところ、釈迦仏は「一器の食物とともにお経を唱えれば良い」と説きました。実際にその通りにした阿難は、無事生き延びたそうです。これが先祖への供養として一般に広がり、鬼月には霊(鬼)にお供えをするという風習ができました。

また、亡き人の魂の行先は生前の行いによって決まり、生まれ変わって新しい人生を歩む、地獄へ落ちる、またはあの世をさ迷う、といった言い伝えもあります。

もちろん、信じる人・信じない人はいますが、ベトナムには「Co tho co thieng, co kieng co lanh(“健康的な食事には神が宿る”のような意味)」の言い伝えがあるため、この風習は今もなお続いています。

 

お札を取り合う「生きた鬼」たち

毎年7月2日~14日頃になると、各家庭では鬼へのお供え物として、お香やロウソク、鶏肉、豚肉、豆腐、落花生、お菓子などを用意します。飢えた鬼を助け、現世で悪さをしないように…という意味が込められています。

供養を終えたらそれらを配るか燃やすかするのですが、中にはお金を配る人もいて、1000万ドン(約4万8000円)分のお札をばら撒く人もいます。そのため、毎年7月になると、お札を撒く家を探して虫取り網(長い竹竿に網を付けたもの)を持った子供や若者が集まり、街中は非常に混雑します。時には供養の前に供え物を盗られてしまうしまう家もあり、私たちは彼らを「生きた鬼」と呼んでいます。

鬼へのお供え物
引用:http://soha.vn/cach-cung-co-hon-trong-ngay-ram-thang-7-20170902150406901.htm

お金を取り合う人々
引用:http://www.baogiaothong.vn/giat-co-hon-gay-nao-loan-sai-gon-d118596.html

最近ではお金を撒く家も減りましたが、毎年恒例のイベントということもあり、楽しみにしている人も多いのです。私も小さい頃にお金を拾いに行ったことがあります。但し、人混みに巻き込まれて怪我をする恐れもあるため、見学される方は十分注意してくださいね。

 

ベトナムのお盆「ブラン祭(Vu Lan)」の過ごし方

そして、お盆「ブラン祭(Vu Lan)」には、両親への親孝行に加え、亡き親族のお墓参りも欠かせません。鬼月は亡くなった人にとってのテトであると考えられており、ブラン祭にお墓を訪問することは、祖先への感謝を意味します。お寺では礼式に則り、僧侶の方が読経やお香を焚くなどして、鎮魂の儀式が行われます。

 
最後に、鬼月にやるべき事・やるべきでない事を紹介したいと思います。

やるべき事
1. 菜食を心掛ける:菜食は人の心を清らかにし、悪いものを避けるという考えがあります。化成品を避けることは、病気の予防にも効果的です。
2. チャリティーに参加する:貧しい人にお金や服を寄付したり、お布施をすると、自身や家族に徳をもたらし、安全・健康の祈願になると言われています。
3. お墓参りをする
4. 殺生を控える
5. 問題を起こさず、穏やかに楽しく過ごす

やるべきでない事
1. 枕元に風鈴を吊るす:風鈴の音は幽霊を呼び寄せるため、人が寝ている時に鳴ると家に侵入されてしまいます。
2. 夜間の外出や撮影
3. お供え物を勝手に食べる、燃やす:誰の許しもなく盗れば、災難に見舞われるとされています。
4. 夜に洗濯物を干す:幽霊が服に憑りついてしまいます。
5. 海に行く、水遊びをする:水辺には鬼がいるため、怪我をしてしまう恐れがあります。
6. ご飯茶碗に箸を指す:お供え物だと勘違いした幽霊が食べにきます。

 
以上のことを、現代の生活の中ですべて実践するのは難しいと思います。もちろん、やってもやらなくても生活に支障はありませんが、科学的根拠がなくても、ベトナム人にとっては大切な文化として受け継がれているのです。
ベトナムの幽霊に会いたくない!という方は、信じてやってみた方が良いと思います(笑)
 

HanT

人生は一度きり!

ICONIC

大学で日本語学科を専攻していましたHanです。2013年よりICONICでアルバイトとして働き始めました。かれこれ4年もの間、いろいろな外国人の方と接する機会をいただいています。人生は一度きりなので、これからも有意義に楽しんでいきたいと思います。

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