仕事で求められるインドネシア語のレベルについて

こんにちは。インドネシア在住の日本人ライターOZAWAです。

突然ですが、みなさんはインドネシアの公用語が何か知っていますか?私は日本人の友人に「インドネシアって英語?現地語あるの?」と聞かれることが多いので、あえて言っておきますね……インドネシアではインドネシア語が使われています!

そしてインドネシア語について色々なサイトで調べてみると、インドネシア語は世界一簡単!などと書かれていることがあります。理由は諸説ありますが、インドネシア語の文法は英語に近いところがあり、おそらく英語が出来る人にとっては、文章構成が簡単に見えるのではないでしょうか。逆に英語が苦手な方だと「思っていたより難しいな」と感じるかもしれません。

そんなインドネシア語ですが、すでにインドネシア語を学んでいる、またはこれから学ぼうとしており、「将来的にはインドネシアで働きたい!」とお考えの方に向けて、仕事で求められるインドネシア語のレベルについて解説していきます。

 

企業が求めるインドネシア語のレベル

まずは、企業が求めるインドネシア語のレベルを知ることが最重要です。職種別に見ていきましょう。

①コンサルタント会社の専門職、企業内で法務を扱う部署
【インドネシア語技能検定試験:A級~特A級程度】

最もレベルが高い語学を必要とする職種がこちらです。
インドネシア語で書かれた法律関係の書類や論文といった「堅い文章を読み解くレベル」を必要としているからです。難しい言い回しも多く、一般的な仕事をしているインドネシア人が「??」となる単語も出てきます。周りのスタッフと内容を確認し合うといったこともあり、インドネシア語を話す・聞く力は勿論のこと、読む力が特に重要です。

②カスタマーサポート、経理などの職種
【インドネシア語技能検定試験:B級程度】

こちらは主に社内業務の担当者を指します。
お客様にどう対応するかといった相談や、経費・請求書の処理など日々の業務でインドネシア人と関わることが多く、「意思の齟齬が起きないコミュニケーション」が必要とされます。何人かのインドネシア人と議論して結論を出すなど、スピード感が求められることもあり、読み書きの力よりも話す・聞く力が重要となります。

③営業職
【インドネシア語技能検定試験:C級以下】

インドネシアで最も求人数が多い職種になります。
日本人営業職の1日を想像してみると……日系企業へのアポが数件入っており、渋滞している街中をタクシーや社用車で回り、オフィスに戻る時間も少ないため、SkypeやChatWork、Hangoutなどのツールでスタッフとコミュニケーションとる、といったスタイルでしょうか。

インドネシア人スタッフとはGoogle翻訳を活用してメッセージのやり取りができますし、インドネシア語を実際に話すのは、ドライバーかオフィスのセキュリティくらいです。彼らが使うのも決まった言葉で、何度か話せばすぐに慣れます。
時折アポ取りや状況確認などの社内業務でインドネシア語を使用することはありますが、「意思が伝わるレベルのコミュニケーション」ができればOKです。

そのため、読み・書き・話す・聞く力はいずれもハイレベルでなくとも問題ないというのが私の結論です。
もちろん始めからコミュニケーションが取れるに越したことはないので、一定のレベルを求める企業もありますが、学習意欲を見込んで語学力の条件を緩めに設定している企業もあります。インドネシア語に自信がない方は、まずは営業職としてキャリアをスタートすることをオススメします。

なお、公的な検定試験として「インドネシア語技能検定試験」が実施されており、毎年3000名以上が受験しています。日本(東京・大阪・名古屋・九州)と、インドネシア(ジャカルタ・バリ島)で受験することができるため、語学力の目安として受験してみるのも良いでしょう。

 

インドネシア語よりも英語が好まれる意外な理由

「何れにせよインドネシア語はある程度必要じゃん」と思われたかもしれませんが、実は英語を使うインドネシア人も現地には多いのです。特に日系企業で働くインドネシア人は、一部の製造業における現場などを除き、英語ができる人がほとんどです。日本人もインドネシア語より英語でコミュニケーションを取る人が多いため、先述の内容をすべて英語に置き換えて対応できれば問題ありません。

また、インドネシア語が話せるスタッフが多くても、あえて英語でコミュニケーションを取るという企業もあります。
その理由は、「都合が悪くなるとインドネシア語でごちょごちょ言われて、うやむやにされてしまう」というものです。日本人は少し眉をひそめる話かもしれませんが、言い訳癖があるお国柄なので、インドネシア語を色々と並べて逃げられないよう、あえて英語を使用しているのです。

但し、インドネシア人にとっても英語は第二外国語ですから、親密な関係を築きたいのであればインドネシア語は必須です。やはり母国語を喋ってくれる日本人の方が、インドネシア人にとっても嬉しいようです。

 

結局のところ、語学力を伸ばすコツは◯◯

今、インドネシア語を勉強中の方はどのような方法を取っていますか?単語を覚えたり、インドネシア語の学習サイトを見たり、色々あるのではないでしょうか。一通りやった私が申し上げるに、最も効率的な勉強方法は…

単語、学習サイトは2割。話す聞くを8割

ではないでしょうか。インドネシア語力が0の状態では何も話が進まないため、簡単な単語と文法の流れだけチェックしておいて、後は話すに尽きます。話して分からなかったことは後で見直して…の繰り返しです。

日本でインドネシア語を学びたいという方は、話者が少ないからそんなことできない…と思うかもしれませんば、探せば結構います。私も日本にいた時にインドネシア人と話したいと思い、色々と駆使して実際に会って話しました。
その中でもオススメの探し方は、
・インドネシアとの交換留学をしている大学に行く(拓殖大学や東京芸術大学など)
・マッチングアプリで知り合う
・Skypeなどを使って話すサービスを提供しているところで探す
・語学教室に通う

になります。

大学生であれば、留学なども手段の1つに入ると思います。とにかく耳慣れをさせることが大切ですので、話す・聞くを繰り返し練習しましょう。Youtubeでインドネシア語が聞ける動画を視聴するのも、1つの手段だと思います。加えて話す力が弱くならないよう、実際に対面で話す機会も増やしましょう。

 

単語だけ学習してインドネシアに行った私の末路

私はインドネシア語ができない状態で、運良くインドネシアでの就職先が決まりました。ただ「何もしないで現地に行くのもなぁ…」と思い、単語帳だけは眺めていました。そんな状態でインドネシアに着いたところ、「何も伝わらない!」という事態に陥りました。空港、コンビニ、住まい、会社、タクシーなど…最初の数カ月はとにかく周りに迷惑をかけたと思います(英語も出来ませんからね。笑)

そんな私も現在は半年が経過しており、インドネシア人と2人で一緒に遊んで何時間も話せます。覚えている単語数が少ないため、それらを上手く駆使して会話していますが、きちんと意思疎通は取れています。

最初に記載したとおり、インドネシア語は世界一簡単な言語だとは思いません。しかし、それなりの勉強方法と努力によっては上手く話せる言語だと思います。インドネシア語ができれば職の幅も広がりますし、中にはインドネシア語でしかできない仕事もあります。すぐには難しいかもしれませんが、幸い営業職は求人数が多く、ある程度のインドネシア語ができれば、採用条件を満たすことができます。

近年は海外で働くことがキャリアアップの1つとして認識されていますが、語学に自信のない方でも働けるチャンスはあります。ご興味をお持ちの方は、ぜひインドネシアにいらしてくださいね。

それでは!

本当はカナダの景色が好き

本当はカナダの景色が好き

Ozawa

インドネシアで日々楽しむ20代です。 前職はWEBプロデューサーとして働いておりました。20代中頃にやっと自分の夢を見つけ、色々捨ててインドネシアに来ました。 「迷いながらも結果的には行動する」そんな人が大好きです。 やる気に満ち溢れた20代を待ってます。

記事をシェアする

関連する記事

Writer

【アイコニックブログ】海外転職・アジア生活ライター一覧

Follow Us