(写真:ジャカルタの街並み)
こんにちは、ICONICインドネシアのえびなです。
「海外転職してみたい。でも何から始めればいいんだろう・・・?」
こんな風に考えている皆さんはもうすでにスタートラインに立っているのではないでしょうか。
また、海外転職に関して情報収集していく中で
「実際に海外転職を叶えた人がどのように考え、どのように働いているのだろう?」
と興味を持つこともあるかもしれません。
そんな疑問にお応えしたいと思い、過去にICONICの転職支援サービスをご利用いただいた方にインタビューのご協力をいただきました。
海外転職を実現し、現在インドネシアで働いている日本人の生の声を皆さんにお届けしたいと思います。
海外(インドネシア)への転職って実際どうなのかな?海外転職に向けて一歩動き出したい!
と考えている皆さんへ、少しでも海外転職のヒントになれば幸いです。
どうぞ最後までお付き合いください!
インドネシアで働く日本人の方へのインタビュー
プロフィール
海外転職を実現し、現在インドネシアで働いているM.O.さん(20歳代前半・女性)。
転職活動の際にはICONICの転職支援サービスをご利用いただき、インドネシアへの転職を実現されました。
※個人情報保護のため、お名前や勤務先の名称などは伏せております。
ICONIC: ご自身について教えてください。
M.O.さん: サービスアパートメントを管理運営する日系企業で営業職として働いています。
インドネシアへ転職してから約1年が経過します。
西ジャワ州チカラン※に在住しています。チカランは郊外都市でジャカルタのような都会とは違いますが、私自身が日本の地方出身ですので、チカランの程よいコンパクトさがとても自分に合っていて気に入っています。
※西ジャワ州チカラン=ジャカルタの近郊都市。首都ジャカルタから約50km東に位置し、複数の工業団地があり日系企業が多く集積するエリア。日本人が多く住んでいる。 |
インドネシア転職前の状況
ICONIC:インドネシアに転職する前はどのような仕事をされていましたか?
M.O.さん: 大学卒業後、日本の大手メディア企業に入社しました。
地方の営業所で営業職として中小企業や官公庁向けの広告営業をしていました。
新卒から海外で働くことについて考えてはいました。
しかし、私が就職活動を行っていた時はまさに新型コロナウィルスが流行していた時で国境が閉じており、日本で働く以外の選択肢はありませんでした。
新卒採用を停止していた企業も多かったので、新卒として入社できる企業の選択肢も限られていました。
インドネシア転職の動機
ICONIC:なぜインドネシアに転職しようと考えたのですか?
M.O.さん:学生時代にバックパッカー旅行をしたり、海外インターンシップを通じて海外への興味・関心がもともと高かったのと、若いうちによりチャレンジングな環境に身を投じてビジネスパーソンとしてのスキルアップにつながる経験をしたいと思っていました。
新卒で良い会社に入ることができ、それはそれで充実した社会人生活をスタートすることができたのですが、やはりどこかで「海外で働きたい」という思いが自分の中でくすぶり続けていたんです。
そこで、インターネットで「海外転職」「インドネシア 求人」というキーワードであれこれ検索し、iconicJobをはじめ色々な転職エージェントや求人サイトに登録して情報収集を始めてみることにしました。
前職は地方のエリア営業の仕事で、それなりに忙しくやりがいはありました。
でも実際に情報収集を始めると、大きな舞台でよりチャレンジングな環境に飛び込んでスキルアップを目指したいと思う気持ちがどんどん強くなっていきました。
インドネシアを選んだのは、私が大学生の時にインドネシアに半年間滞在しインターンシップに参加した経験があったからです。海外で生活してみて現地の文化に触れて、自分の中の許容範囲や価値観が広がった感覚がありました。
このような経験を通してインドネシアを好きになり、将来インドネシアに住みたいと前々から考えていました。
「社会人経験の浅い私でも本当にインドネシア転職ができるのか?」と、当初は半信半疑でしたが、キャリアアドバイザーの方と話したり、求人案件を紹介してもらったりする中で、インドネシアへの転職がだんだん現実味を帯びてきた感じがしました。
未経験の業界や職種の仕事も紹介してもらいましたが、キャリアアドバイザーの方とお話しする前はこんな機会があるなんて思ってもみませんでした。
現在の仕事について
ICONIC:現在はどのようなお仕事をされているのですか?
M.O.さん:
日系のサービスアパートメントで、営業職に従事しています。
サービスアパートメントというのはホテルとマンションの中間のようなもので、主に駐在員の方々が長期的な住居としてお住まいいただくこともできますし、出張者が短期的に宿泊できるような機能も有する宿泊施設です。
法人営業職として、アパートメントの入居率を増やすための営業活動、既存の入居者の契約更新等や問い合わせ対応、認知度を高めるための広報活動などを担当しています。
ICONIC:どのような働き方をしているのですか?
M.O.さん: 8割はオフィスでの仕事、2割は顧客訪問などの外回りの仕事です。
ノートパソコンを貸与してもらっていて、いつでもどこでも仕事ができる体制です。
営業チームは日本人の上司、日本人の同僚、1名のインドネシア人の部下 プラスその他複数名のメンバーで構成されていて、サポートをしてもらいながら業務を遂行しています。
宿泊業ですので、ゲストリレーションのチームや部屋の清掃担当者などとも一緒に仕事をしています。
サービス業のセクターではありますが、営業職は土日祝日がお休みの仕事で助かっています。
終業時間は17:00ですが、残業をすることは多くありません。
まれに17:00以降に顧客対応が入ることがありますが、残業代がきっちり出ますし、サービス残業的な要素は一切ありません。
会社が車で通勤送迎をしてくれているのですが、車が17:00過ぎには迎えに来てくれるのでそれに乗らないといけません
17:30頃には帰宅できますので、終業後の時間を有意義に使うことができ、翌日の仕事に備えて休養したり運動したりしています。
インドネシア人のローカル社員たちもほとんど残業はしません。多くの人は17:00に仕事を切り上げて帰ります。
ICONIC:仕事で使う言語は何ですか?
M.O.さん: 日本語60%、英語40%という感じです。
取引先や上司・同僚が日本人ですし、社内に日本語スピーカーのインドネシア人スタッフもいます。社内公用語が英語ということもあり、仕事の場面ではインドネシア語はほとんど必要になりません。
同僚の日本人社員は私のように過去にインドネシア経験がある人ばかりではありませんので、そういった人たちにとっても働きやすい言語環境だと思います。
ICONIC:日本で働いていた時と比べて、何か違いはありますか?
M.O.さん:いろいろありますが、自分にとってインパクトが大きいのは残業と自己裁量の大きさだと思っています。
前述の通り、現在はほとんど残業しません。
前職では何となく遅くまで働くのが当たり前でした。そのため、インドネシアで働き始めたばかりの頃は17:30に家に帰っても、正直時間を持て余していました。
だからと言って仕事の量が減っている感覚はなく、効率的に働けているような気がします。
今では終業時間のあとにジムに行ったり、インドネシア語を学習したりしています。インドネシア語の文法の本を使って勉強したりオンラインレッスンを受けたりもしています。
疲れて寝ちゃうことも結構ありますが(笑)
それから、今の仕事は自己裁量が大きくて、そこにやりがいを感じています。
日本で働いていたら、自分の年齢(20代)や経験で部下を持つということはほとんどありえなかったと思いますので、新しい経験です。
そして、今の会社は従業員が「やってみたい」と思うことを提案したら、それを前向きに後押ししてくれる雰囲気があります。
ある時、私が通っているジムのスタジオレッスンのプログラムをサービスアパートメント内の多目的室に誘致してはどうか?ということを先輩社員と一緒に思いつきました。
それを上司に提案したところ「やってみよう」ということになり、それから私と先輩が主導してジムのトレーナーに打ち合わせに来てもらったり、プログラムの構成を設計したりしました。
今では、週に3回トレーナーに来てもらって、入居者さんに参加いただけるフィットネスクラスを提供しています。入居者の皆さんの満足度向上につながる提案ができたのではないかなと思っています。
ICONIC:インドネシア人と一緒に働いてみてどのようなことを感じていますか?
M.O.さん:当社にいるインドネシア人の社員は概して優秀な方が多いです。
一般的なイメージとしては「時間にルーズ」、「締切にルーズ」、「業務のクオリティが高くない」などが挙げられると思いますが、当社のインドネシア人社員はこれらの点に関してはしっかりした社内教育を受けているように思います。
私にも1名のインドネシア人の部下がいますが、言語(英語・日本語)が堪能で、報・連・相をしっかりしてくれるので、チームとしてとても仕事しやすいです。
一方で、眉をひそめることも実際はあります。
月曜日と金曜日に病欠で休む人が妙に多いです。計画的に休暇を取るのではなく、急に休むんです。そしてそれを周囲の同僚たちも許しています。というか関心がない、放っておいているという感じです。
インドネシアの人たちは自分にも周りにも甘いと感じることがあります。
ICONIC:仕事の中で困ったことなどはありましたか?
M.O.さん:そうですね。基本的にはスムーズに仕事を進めることができますが、コミュニケーションのことで時々困ることはあります。
ある時、客室で問題が発生しお客様から苦情を受けたことがありました。
背景を理解しようと思い、部屋の清掃係のインドネシア人に話を聞いてみることにしました。すると彼らは、
「知らぬ存ぜぬ」
「次のシフトの子に引き継いだ」
「いや、それは前のシフトの子の仕事だった」
といった具合に、叱られたくない一心の反応ばかりが返ってきて、これには困りました。
私が必要な情報に全く辿り着けなかったんです。
「犯人探しが目的ではなく、私自身が問題解決のために事情を把握することが必要なだけなので、事実を正直に話してほしい」ということをかなり丁寧に説明した上で、やっと徐々に事情を伺うことができた、ということがありました。
非常にコミュニケーションコストのかかる、正直骨の折れる作業でした。
私は若手ですので、他のインドネシア人のスタッフとは立場の違いのない同僚という感覚を持っていました。そのため前述のように、オープンに話してもらえないということに戸惑いました。
しかしインドネシア人従業員からすると、いくらスタッフレベルとはいえ日本人の社員はなんとなく立場が上の人という風に見られます。
確かに現地のスタッフからすれば高い給料をもらっていますし、日本人の顧客対応など彼らにはできない仕事を請け負っています。
日本人の経営管理者と日本語(インドネシア人の彼らにとってはわからない言語)でコミュニケーションができますから、そのように見られるのは当然かもしれません。
前述のような経験を通して、コミュニケーションの仕方には細心の注意を払わなければならないと思いました。インドネシア人の同僚たちから見たときに模範的な社員でいたいな、と襟を正す経験でした。
今後のキャリア展望
ICONIC:インドネシアで生活したり働いたりした経験が、今後のキャリアに活きると思いますか?
M.O.さん:はい、必ず活きると思いますし、活かせるように行動したいと思っています。
今の仕事についてまだ1年しか経っていないので、引き続きこの会社で頑張っていきたいです。
現在の仕事では社内外の多くの人たちと折衝の機会がありますので、コミュニケーションスキルを磨く絶好の機会に恵まれていると感じています。
また、入居者の新規契約や契約更新の際には家賃交渉の機会もありますので、交渉スキルも身につけることができます。
コミュニケーションスキルや交渉のスキルはどんな営業職であっても、どの場所でも必要なものだと思いますので、必ず将来のキャリアにも活きると思います。
欲を言えば、よりインドネシアローカライズされた仕事や、もっとインドネシア語を使う仕事にも興味があります。現在の職場ではインドネシア語をほとんど使用しないものですから。
将来は日本に戻って働くつもりですが、何かしらインドネシアに関係する仕事をしたいと考えています。そのためにインドネシア語学習の継続や、インドネシアで実際に働いている今の状況のなかで前向きに取り組みたいと思っています。
まとめ
海外転職を実現し、現在実際にインドネシアで働いている日本人の方の声を皆さんにお届けしました。
M.O.さんは、大学生の頃にインドネシアに滞在された経験があるので、現地での生活には比較的スムーズに慣れたようです。
一方で、「学生時代のインターンシップ」と「会社に所属して働く」のは求められる資質や責任も異なります。その違いをご自身でも認識し、仕事のために必要な行動を取るように心がけている印象を受けました。
例えば、営業活動に必要なゴルフをインドネシアに来てから始めたり、人脈作りのためにいろいろな人に会う機会を積極的に設けたり、体調管理にも気をつけているそうです。
大変前向きで向学心のある方でした。
海外転職に向けて一歩動き出したい。でも何から始めればいいんだろう……
そんな気持ちをあと押ししてくれる行動の起点はいくつもあります。
例えば……
- これまでの人生やキャリアの棚卸しを紙に書き出してみる
- とりあえず履歴書・職務経歴書を作って(更新して)みる
- なぜ海外で働きたいのか深堀りして言語化してみる
- 行ってみたい国やエリアについて調べてみる
- 働きたい国の就労ビザについて調べてみる
- 転職エージェントに登録し、コンサルタントとキャリア面談を行う など
とにかくなんでもいいからやってみる!そうすることでまた一歩前進です。
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までありがとうございました。
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