10月になり、ショッピングモールへ行くと必ずと言ってよいほど、クリスマスソングが流れる季節となりました。キリスト教徒が多いフィリピンでは、毎年クリスマスをとっても楽しみにしています。
クリスマスそのものも楽しみですが、もう一つの楽しみが「13月給与(13th Month Pay)」! (「13ヶ月給与」とも言います。)
今回は、「13月給与」についてご紹介します!
13月給与(13th Month Pay)とは?
Christmas in the Philippines
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Parols_For_Sale.png
13月給与とは、簡単に言うと「クリスマスボーナス」。
フィリピンでは、1月1日から12月31日の1年間に支払われる基本給(Basic Salary)の12分の1の額を、12月24日までに社員に支払う義務が全ての会社にあるのです!
もう少し詳しく説明をすると、この給与を受け取ることができるのは、1ヶ月以上会社に在籍した社員のみ。
「1月1日から12月31日の1年間に支払われる基本給」は、住宅手当、残業手当などの諸手当を除いた金額がベースとなります。
法律上、1月から12月までの基本給の合計の12分の1を下回ることは違反、さらに会社が12月24日を過ぎてから支払うことも違反となるのです。
まさにクリスマスのために支給されるボーナスですよね!
13月給与ができた経緯は?
もともと1975年、当時大統領だったフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)が、「給与が1,000ペソ(約2,300円)以下の社員には、13月給与を支払わなければいけない」という法律、「Presidential Decree No. 851」を作りました。
Ferdinand Marcos
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Ferdinand_Marcos.JPEG
その後、1986年に大統領コラソン・アキノ(Corazon Aquino)が「給与が1,000ペソ以下の」という記述を削除し、給与の額にかかわらず、全ての社員が13月給与を受け取れるようにしたのです。
13月給与の計算方法は?
たとえば、1ヶ月の基本給が11,372ペソ(約26,156円)の社員の場合……
1月 : 欠勤なし → 11,372ペソ
2月 : 欠勤なし → 11,372ペソ
3月 : 欠勤なし → 11,372ペソ
4月 : 欠勤なし → 11,372ペソ
5月 : 欠勤なし → 11,372ペソ
6月 : 欠勤なし → 11,372ペソ
7月 : 欠勤なし → 11,372ペソ
8月 : 欠勤なし → 11,372ペソ
9月 : 産休 → 0ペソ
10月: 産休 → 0ペソ
11月: 欠勤なし → 11,372ペソ
12月: 5日欠勤 → 9,192ペソ
⇒12ヶ月の基本給合計:111,540ペソ
13月給与=9,295ペソ(約21,380円)
となります!
フィリピンでは、どの会社も月に2回、15日と月の最終日が給料日となっています。
よって社員は、12月15日の給料日には、12月分の給与と一緒に13月給与ももらえることになるのです!
年の途中で転職するとどうなるの?
実は、以前に勤めていた会社を今年9月に退職し、転職をした私。(ICONICブログ執筆の傍ら、マニラの会社に勤めています!)
支給日前に退職するため、13月給与は受け取れないと思っていましたが、在籍した8ヶ月分の13月給与を受け取れるとのこと! 日本で「ボーナス」と言うと、支給日まで在籍していないと受け取れないという会社がほとんどですよね。
フィリピンの13ヶ月給与は、退職時に在籍した分を受け取れるなんて!
嬉しいカルチャーショックでした。
いかがでしたか?
13月給与は、クリスマスを1年で最も大切にするフィリピンならではですね。
今後もこういったフィリピンならではの習慣や文化をご紹介していきます。お楽しみに!