フィリピンで生活をしていると、いつも悩まされるのが、マニラ首都圏内の移動です。
最も深刻な問題は、渋滞です。通常であればタクシーで10分程度の距離が、渋滞にはまってしまうと1時間以上かかることも。フィリピン国家経済開発庁(NEDA)によると、マニラ首都圏の渋滞で毎日30億ペソ(約80億円)の経済損失が生じているのだそう! 金額にすると、とてつもなく大きな額ですよね。
渋滞の次に頭を悩ませるのが、治安の問題。マニラ首都圏ではタクシー運転手による犯罪や、電車内でのスリが残念ながらよく起こっています。
そんなマニラで、少しでもスムーズに、かつ安全に移動するためには、どのような交通手段を使えばよいのでしょうか。
現地滞在者の目線でご紹介します!
1. 快適なタクシー配車サービス「Grab」を利用!
忙しいビジネスパーソンや、安全に移動したい方におすすめなのが、タクシー配車サービス「Grab」。
スマートフォンでアプリをダウンロードすれば、手軽に利用することができます。
【参考サイト】Grab Philippines(公式)
https://www.grab.com/ph/
出発地、目的地、出発時刻を入力すると、出発地周辺にいるドライバーの情報が画面に表示されます。好みのドライバーを決め予約をすると、ドライバーに連絡が入り、出発地まで迎えにきてくれるというシステム。
アプリにクレジットカード情報を登録しておけば、現金がなくてもクレジットカード支払が可能。ドライバーの名前、写真、評価、車両ナンバーを確認できるので、もし車内に忘れ物をしたときでも、連絡を取ることもできます。
通常のタクシーより40ペソの追加料金がかかりますが、タクシーを捕まえる時間を節約したい方や安全に移動したい方におすすめです!
ただ、タクシーでの移動は渋滞にはまると非常に時間がかかるため、渋滞が深刻な朝7時~9時、夕方5時~夜8時はなるべく避けたほうがよいでしょう。
2. 近距離の移動は、トライシクル(Tricycle)が使いやすい!
近距離の移動なら、トライシクルが便利です。トライシクルとは、バイクの横に人が座るように座席をつけたバイクタクシーです。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Tricycle_pink.jpg
日中は暑さが厳しく、歩くことが困難なフィリピンでは欠かせない存在です。道路の傍を移動するので、車の渋滞を気にする必要はありません。
トライシクルを見つけたら、ドライバーに声をかけて目的地を告げましょう。料金を教えてくれます。料金は距離次第ですが、1回の利用でだいたい20~30ペソ(約44~66円)です。
ドライバーと会話する際は、ぜひタガログ語を使ってみてください!
以下の3つの伝え方を覚えておくとよいでしょう。
料金を尋ねるとき:
「マグカーノ ポ?(Magkano po)」(いくらですか?)
行き先を伝えるとき:
「【場所名】 ポ(【場所名】 po)」(【場所名】まで、お願いします)
お礼を言うとき:
「サラマッ ポ(Salamat po)」(ありがとう)
英語が分からないドライバーもいるので、タガログ語を使って会話をすればスムーズ! ドライバーも喜んでくれるはずです。料金交渉もしやすくなりますよ。
3. 朝10時~夕方5時の間は、鉄道を利用して時短!
マニラには、フィリピン運輸局によって運営される鉄道・MRT(メトロレール・トランジット)とLRT(ライトレール・トランジット)があります。
日中の車での移動は、渋滞が常! 目的地に近い駅まで鉄道を使い、残りの距離をタクシーやトライシクルを使えば、とってもスムーズに移動することができます。
最初の3~4駅は、たった12ペソで乗車可能! 経済的でもあります。
月曜から金曜は、朝7時~9時、夕方5時~夜8時が通勤ラッシュです。東京の通勤ラッシュと同じくらい混雑しているので、スリにはご注意。持ち物は必ず体の前で持ち、目を離さないようにしてくださいね。
4. 乗り合いバス、ジープニー(Jeepney)に挑戦!
ジープニーとは、第二次世界大戦後にアメリカ軍が残したジープを改造した乗り物のこと。
それぞれのジープニーは、ジープニーステーションから決まったルートを往復しています。車体にはルートの出発地、主な経由地、終点の表記があるので、目的地がルート上にあるかどうかを確認してから乗車しましょう。
ジープニーに乗ったら、料金のお支払い。「バヤッ ポ!(Bayad po)」と言って隣の人にお金を渡すと、リレー式でドライバーまでお金を届けてくれます。
降りるときは「パラ ポ!(Para po)」と叫ぶとドライバーが停車してくれます。
乗り慣れると使い勝手がよく、とても便利な乗り物です! ただ、私は慣れない場所でジープニーに乗ろうとすると、間違ったジープニーに乗ってしまったり、目的地でうまく降車できない、といったことも。少し上級者向けの乗り物のため、初めは乗り馴れた知人と一緒に挑戦することをおすすめします。
また、混み合うジープニーではスリが多いのも事実。持ち物からは目を離さないようにしましょう。
いかがでしたか?
マニラは人口が非常に多いため、実は交通手段のバリエーションが豊富。用途や状況、時間帯によって、それぞれの乗り物を賢く使いこなしてみてくださいね!