こんにちは!インドネシア在住の日本人ライターのカワカワです。
今回はインドネシアの住居、「コス(KOST)」と「アパートメント(APT)」の違いを、徹底的かつローカル目線・日本人目線で比較してきます。家賃やエリアも考慮にいれつつ、選び方のポイント、おすすめの物件まで詳しくお伝えします。
インドネシアの「コス(KOST)」って何?
引用:http://dekost-grogol.bookhoteljakarta.com/en/
インドネシアでは、よくKOSTというフレーズを聞きます。KOSTはオランダ語で下宿(シェアハウス)という意味があります。イメージは大きい家にたくさんの部屋があり、共同キッチンや条件によってはシャワーも一緒に使います。でも、一人暮らしに慣れた方なら、そんな物件は微妙ではないのかと思うかもしれません。
コスのメリットは、なんと言ってもアクセスの良さと家賃の安さ。この2つにつきます。コスは会社の近くにいくらでもあるため、近場に住めば通勤時間の短縮ができます。もう一つは家賃の安さ。コスでは電気・水道代を含めた家賃を提示しています。
但し、インドネシアの文化上は男女混合で住むことができません。加えてセキュリティーが弱かったり、部屋を掃除をするお手伝いさんにお金やものを盗まれる可能性があります。コス選びは慎重にしなければなりません。これらの事情をふまえて選ぶべきです。
なお、コスは一か月毎に家賃を支払うのが一般的です(アパートメントは基本半年払いから一年払い)。
それでは次に、家賃ごとの部屋のクオリティを比較していきましょう。
インドネシアのローカル向けコス
【家賃50万ルピアのコス】
マットレス一枚。それ以外は本当にありません。
【家賃80万ルピアのコス】
マットレス+扇風機。ローカルでも都会育ちの方は、この環境はキツイと言っていました。
【家賃100万ルピアのコス】
ここからは部屋にエアコンがついてきます。ローカルの方もこの価格帯からややOKとの事。マットレスではなくベットの部屋がほとんどです。
【家賃120万ルピアのコス】
上記よりも清潔感がある部屋です。たまにお手伝いさんが来て洗濯物をしてくれます。ローカルの方にとっても、ここら辺からが住める価格帯だそう。
インドネシアの日本人留学生向けコス
【家賃150万ルピアのコス】
基本的に不自由なことはありませんし、冷蔵庫などのオプションがついてくることも。日本人の筆者もここは普通に住めると思います。ただ、インドネシア生活が初めての方や女性はキツイ気もします。基本この家賃だと温水は出ません。
【家賃200万ルピアのコス】
この価格帯になると温水付きの部屋も見られ、外国人の居住者も見かけます。設備に関しては言うこと無し。セキュリティーもきちんとしています。朝食なども準備してくれます。
【家賃250万ルピアのコス】
ほとんどの外国人留学生はこの価格帯に住みます。ジャカルタ中心地(SUDIRMANやその付近)を除くと、この価格帯が一番住みやすいです。居住環境は日本と似たり寄ったりです。
インドネシアの日本人就業者向けコス
【家賃350万ルピアのコス】
現地採用の人がインドネシアで住む価格です。会社の近く(SUDIRMAN付近)の物件はここら辺がスタンダードです。
【家賃500万ルピアのコス】
ローカルから見て高級コスになります。日本円にして約4万円。プールやジムがついている物件もあります。
【家賃600万~800万ルピアのコス】
インドネシアの駐在員が住むコスです。居住者の半分以上が外国人を占めます。
インドネシアの高級コス
家賃800万ルピア以上は、コスではなくアパートメントのような居住環境になります。物件は6階~9階建てぐらいです。安いコスとは異なり、一部屋に複数人で住んでも何も言われません。家賃のMAXはだいたい1500万ルピアです。
ちなみにこの価格帯、エリアが限られており物件数も少ないです。筆者も一度知り合いの高級コスに行ったことがありますが、3000万ルピアクラスのAPTと変わりませんでした。
インドネシアの高級コスは、日本で暮らすよりもコスパが良いです。何せ家賃8万円くらいで都心の高級マンションに住めますから、コスパは抜群だと思います。お金に余裕のある方ならおすすめです。
インドネシアの「アパートメント(APT)」って何?
アパートメントは、インドネシアで比較的最近出てきた物件です。一つ一つの部屋に各オーナーがいて、居住者とオーナー間での契約となります。基本的にアパートメントには家具が付いており、電気製品も揃っています。エレベーターにはセキュリティーカードがあり、安全面に関してはコスより上です。また、コスと違い誰が泊まろうと何も言われません。
そのため、家賃が高くなります。プラス電気代・水道料金・メンテナンス料金がかかるため、一人暮らしなら月額100万~150万ルピアの家賃が必要です。ここからはさらに、家賃ごとのクオリティを比較していきます。
インドネシアの日本人留学生向けアパートメント
【家賃200万ルピアのアパートメント】
これが一番安い価格帯です。中心地からはやや離れた場所で、大きな大学付近にあります。プール付き&日本人でも普通に住める環境ですが、温水は出ない物件が多いです。外国人留学生や裕福なインドネシア人が住んでいます。
インドネシアの就業者向けアパートメント
【家賃300万ルピアのアパートメント】
温水+ジム付きの物件です。中心地から近く、ほとんどのAPTが十分なクオリティだと思います。
【家賃500万~800万ルピアのアパートメント】
中心地を除いたモール内にある物件です。居住施設と商業施設がセットになっているため、エレベーターで一階に降りればショッピングモールのように買い物も楽しめます。
インドネシアのファミリー向けアパートメント
【家賃1000万ルピアのアパートメント】
この価格帯からはファミリー向けのAPTが登場します。バスタブが付いていたりと、色々なオプションがあります。
大規模な会社の付近にあり、外国人の就業者もたくさん住んでいます。
【家賃1500万ルピアのアパートメント】
ジャカルタ中心地にある物件のエントリー価格です。
有名なカサブランカモールのAPTも、ここら辺の価格帯ですね。
インドネシアの駐在員向け高級アパートメント
【家賃2000万ルピアのアパートメント】
ジャカルタ中心地の高級APTです。有名なモールの物件は、少なくともこの家賃になると思います。インドネシア人はおらず、外国人の駐在員などがほとんどです。
ロケーションとサービスはとにかく最高で、ホテルで暮らすのとあまり変わりません。日系ホテルで一人暮らしをしても、同じくらいの家賃になります。
【家賃3000万ルピアのアパートメント】
家族が住む中心地のAPTになります。駐在員の家族連れはこの辺りのAPTを借りています。外国人でしかも裕福な家族がターゲットなので、それなりの価格がします。
【家賃4000万ルピアのアパートメント】
日系企業が管理する中心地の家族向けAPTです。ホテルレジデンス(ホテルが部屋を貸し出しているもの)もこの価格です。
インドネシアの物件の選び方
インドネシアに住む上で大事なのはロケーションにつきます。選ぶ理由の70%は場所で良いと思います。
というのも、朝出かけるときに渋滞に巻き込まれると、ものすごくストレスが溜まります。筆者も20分の距離が60分かかる事もありました。渋滞を回避しようにも、中心地とブカシの方はお話になりません。
このエリアに住む場合、通常時の通勤時間はMAX30分かかりますが、渋滞の時には90分にもなります。正直朝ラッシュと帰宅ラッシュは憂鬱で仕方ありませんが、単純に考えてインドネシアの人口密度は東京の3倍なので、まあお察しのとおりです(笑)
部屋選びでここのセキュリティーが甘いとか、部屋が少し臭うといった理由で出勤場所から離れたエリアに住むと、本当にキツイです。会社が中心地にあるにも関わらず、生活環境を重視してモールのAPTに住んだ時はひどい目にあいました。
会社負担で職場付近に住めるのであれば、とことん甘えましょう!「渋滞を制するものはインドネシアを制す」ですからね。コスを選ぶ時は会社から近い(7割)・部屋がきれい・ベットの質が良いの3つだけで十分です。
筆者厳選!インドネシアでおすすめのアパートメント
もしもインドネシアの大学に留学するなら、デトスというAPTがおすすめです。モール付近でジムなども近くにあり、何より温水が出ます。家賃は300万~350万ルピアくらいです。他にも色々なAPTやコスがありますが、ここが一番だと思います。
SUDIRMAN付近に住む駐在員なら、お金の許す限りはskygarden、SENAYANエリアならSENAYANAPTの2つに絞られます。ちょっと古くてもよければ、PLAZARECIDENCEもおすすめです。日本人スタッフの対応がすばらしいことで有名です。
BLOK MやSENOPATIエリアのAPTはあまりおすすめできません。家賃が高くてコスパが悪い物件もあるからです。KEMANG、KUNINGAN方面は老朽化が進んでおり、家賃は他と同じでも建物が古いというケースが多いです。
コストパフォーマンスを求めるなら、カサブランカモールのAPTが一番です。一人暮らしで80㎡、1000万ルピアほどで借りられます。最低800万ルピアの部屋もあります。老朽化が進んでいますが、リフォームも頻繁に行っていますし、バスタブ付きの部屋もあり本当にオススメです。中のモールがすごく便利で、お酒も安く買えますし、レストランの料理も美味しいです。
みなさんもぜひ、インドネシアで自身に合った暮らし方を見つけてください。