インドネシア観光や日常生活で気をつけたい、宗教(イスラム教)のルールやマナー!

こんにちは。インドネシア ジャカルタ在住のキャリアアドバイザー、中島です。

インドネシア観光や現地での生活において、切っても切れないのが「宗教」です。

今回は、インドネシアで多くの人が信仰しているイスラーム(今回は「イスラム教」と表記します)のルールやマナーの紹介に加え、私がインドネシアでの生活で気を付けていることもお伝えします。
私はこれらを知ったことで、インドネシア観光や現地での生活がより面白く、魅力的に感じるようになりました。

これからインドネシア旅行や移住を考えている方にとって、お役に立てましたら幸いです。

 

世界随一のイスラーム大国。インドネシアの宗教事情

ムスリムが巡礼するイスラム教の聖地「メッカ」の様子

 
イスラム教とは、唯一絶対の神であるアッラーを信仰し、最後の預言者であるムハンマドを通じて人々に下したとされるコーランの教えを信じ、従う一神教です。私の住んでいるインドネシアは、世界最大のムスリム(イスラム教の信者)を抱えるイスラム教大国。インドネシアの約2.5億人の総人口のうち、約87%がムスリムと言われています。

宗教 比率
イスラム教 約87.21%
キリスト教(プロテスタント) 約6.96%
キリスト教(カトリック) 約2.91%
ヒンズー教 約1.69%
仏教 約0.72%

参考:外務省「インドネシア基礎データ」http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/indonesia/data.html

 
余談ですが、イスラム教はインドネシアの国教(国家が保護・支援する宗教)には指定されていません。
多民族国家であるインドネシアでは、憲法上で信教の自由が保障されています。

 

イスラム教のルールやマナーを知れば、インドネシア観光・生活が快適に!

インドネシアで現地の方と一緒に気持ちよく過ごすためには、多くの人が信仰しているイスラム教のルールやマナーを理解することが近道です。尊重しあえれば、より良い関係構築にも繋がります。
そこで、私が普段気を付けているイスラム教のルールやマナーをピックアップしてご紹介します。

ただし前提として、インドネシアでは「自分の宗教に則って生活すればOK」と考えられています。必ずイスラム教に合わせて生活しなければならない……ということは全くありませんので、ご安心を。日本で過ごすような生活をしていても、「ムスリムではないんだな」と思われるだけで非難されることはありません。

 

インドネシアへの入国前に、信仰する宗教を決めておく

宗教への信仰心が強い国では、信仰している宗教=個人の重要なアイデンティティとして認識されます。インドネシアも例に漏れず、日頃から「あなたが信仰している宗教は何ですか?」と聞かれることがあります。施設への入館時に、名前と共に宗教を記入する場合もあります。

インドネシアでは「無宗教です」と言うと、怪しい人だと思われてしまうケースがあるため、旅行等で入国する前に、答える宗教を決めておくと良いでしょう。私は仏教と答えるようにしています。

 

「不浄の手」はインドネシアも同じ!できる限り左手を使わない

ヒンドゥー教では、左手は「不浄の手」と言われており、握手をしたり何か物を渡すとき、食事をするときに左手を使用すると、失礼と感じられてしまうことがあります。これはイスラム教においても同じく、左手よりも右手を優先するように…とされています。

そのため、フルマラソンに出場するのが趣味の私は、給水所で給水スタッフから手渡しで水をもらう際には、右手で受け取るようにしています。現地での生活はもちろん、観光中のちょっとした物の受け渡しの際に配慮できると、素敵ですよね。

 

インドネシア人と一緒に挑戦する人も!?プアサ時の飲食は、相手に気を遣おう

ムスリムは、ラマダーン(イスラム暦の9番目の月)の1か月間に断食を行い、これを「プアサ」と呼びます。プアサ中は「怒ってはいけない」「唾を飲んではいけない」など、食事以外にもいろいろと守るべきことがあります。

この時期はインドネシア人もナイーブなので、私も人前で物を食べたり、飲み物をゴクゴク飲んだりしないように気を遣います。観光時にひと目を気にせず食事を楽しみたい方は、プアサのスケジュールを事前に確認しておきましょう。

余談ですが、インドネシアではムスリム以外の宗教を信仰していても、ムスリムの方と一緒にプアサをする人もいます。「3日間限定プアサ」など、短期間でチャレンジする人もちらほら。
(でも、夜に集中してご飯を食べることになってしまって、太ってしまう人も多かったりします)
「私も今プアサ中だよ」というと、ムスリムの方々は意外と歓迎してくれます。
気になる方は、一緒にチャレンジしてみても良いかもしれませんね。

 

インドネシアの食生活に配慮。お酒や豚肉料理を勧めない

イスラーム法においては、合法な食事や料理を「ハラール」、非合法なものを「ハラーム」と呼びます。ムスリムにハラーム(お酒や豚肉料理など)を勧めるのは基本的にNGです。インドネシア生活や観光で現地の人と仲良くなったら、こうした宗教上の制限があることを念頭に置いておきましょう。

ただし、お酒や豚肉料理を口にするゆるめのムスリムもいるので、自分から「食べたい・飲みたい」と言っているときには、付き合っても大丈夫です。

参考:日本ハラール協会「ハラールとは」https://www.jhalal.com/halal

 

インドネシア観光の際は要チェック。露出度の高い服装は控える

イスラム教では、女性の顔や髪の毛は男性を誘惑するもので、近親者以外には目立たないようにしなければならないと一般的に考えられています。インドネシアでは地域によりますが、都心から離れた田舎ほど信仰が厳格です。

女性は露出度の高い服装(タンクトップやショート丈のスカート・パンツなど)は控えた方が良いでしょう。服装がラフになりがちな旅行時でも、インドネシアにいることを意識して行動しましょう。

 

お祈りの時間を配慮する

ムスリムは1日5回、決まった時間に聖地メッカに向けてお祈りをします。加えて、イスラムの祝日である金曜日には、成人男性がモスク(イスラム教の礼拝堂)でお祈りすることが義務づけられています。
そのため、ムスリムの方と一緒に働くときや行動を共にするとき、車の運転手がムスリムの方のときには、お祈りの時間に配慮が必要です。

そうは言っても「お祈りが絶対優先!」ということではありません。観光中などはこちらの予定を優先させて、お祈りを別の時間に変更してくれる場合もあります。こんな風に、お互いにコミュニケーションを取りながら、柔軟に対応したいですね。

 
いかがでしたか?
今回はインドネシアの宗教とそのルールやマナー、そして私が普段気を付けていることを紹介しました。
インドネシアの人々は、それぞれの宗教を尊重しながら生活しています。
配慮が必要な一方で、自分のスタイルを無理に変える必要がないのは、外国人の私たちにとって大きな利点です。

次回は、インドネシアの交通事情についてご紹介します。お楽しみに!

 


 

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趣味は、温泉、マラソン、登山。

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中島 明日香

京都市出身。大手外資系製薬会社のMR(医薬品営業)として7年間勤務。ベンチャー企業 × 東南アジア に興味を持ち、29歳で単身インドネシアへ。 日系企業の経営者・人事担当者に向けた経営戦略としての人材採用コンサルティング、日本人の転職サポートに携わる。 現在の目標は、「インドネシアで最強のチームをつくること」。 メンバーがお互いに理解し、アイデアを共有し高め合うことで新たな社会的価値を創造するチームビルディングを目指し、社内のローカルスタッフとともに奮闘中。

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