【新型コロナウイルス】(3)8週間目に入った活動制限令とラマダンのマレーシア

こんにちは、マレーシア在住のライターのパンダンです。

マレーシアのロックダウンである活動制限令(Moving Control Order=MCO)のさらなる延長が4月23日の夜にムヒディン首相から発表されました。ついに3度目の延長となりフェーズ4は4月29日-5月12日までの2週間となっています。現在のところマレーシアでは延長は2週間単位となっています。

マレーシアのロックダウン行動制限令コロナウイルス

新型コロナウイルスがラマダンに及ぼす影響

今回の延長は過去2度とは事情が異なります。というのも5月24日-23日まで、マレーシアの人口の69%を占めるイスラム教徒(ムスリム)にとって重要な宗教行事となる断食月ラマダン(Ramadan)を挟むこととなるからです。

ラマダン期間中イスラム教徒は日没後に特別礼拝タラウィ(Tarawih)を行います。断食月のため日の出から日没までは食事をすることができませんが、特別礼拝のあと夜11時頃にイフタール(Iftar)と呼ばれる食事を摂ります。

この期間はラマダンバザールと呼ばれるマーケットがマレーシア各地で夜に開催されるのですが、クアラルンプールは今年に限りマーケット出店の申請を全て却下し、オンラインなどを利用を推奨していますが、スモールビジネスや家庭内ビジネスが多いため状況的にはかなり厳しくなっているのが現状です。

本来ならば家族や友人などと食卓を囲んだり、ホテルやレストランなどではラマダンバフェ(食べ放題)などが開催されるのですが、今回はロックダウン期間にかかるため、スーパーやレストラン(テイクアウトのみ)となりました。

今後の状況によってはさらなる延長で、イスラム暦の新年となるハリ・ラヤ・プアサ(Hari Raya Puasa)の期間にまで及ぶ可能性があることです。

外務省 マレーシア基礎データより

マレーシアのロックダウン行動制限令コロナウイルス

アプリで取得する移動許可証、緩められたロックダウン

ロックダウンの禁止事項の一つに移動が禁止があります。10km以上、もしくは州を越えるどうしても移動が必要な場合は、最寄りの警察署(balai Polis)で移動許可証を取得しなければなりません。これは例外がなく外国人が出国のため空港に行く際にも適用されます。

移動許可証の申請者が殺到したため、発行は一時停止に。その後スマホアプリ「Gerak Malaysia(Gerakとはマレー語で「移動」の意味)」で、移動許可証の申請を行えるようにしました。利用はマレーシア国民のみとなりますが、5月3日現在120万人がダウンロードし、移動許可証の申請は50万人を越えました。申請許可がおりるとQRコードが生成され検問所などで表示するだけとなるため時間の短縮となります。またアプリを通じて情報を最新情報を取得も可能。4月25日以降に登録した人は5月7以降の移動許可が出ます。

参照:https://www.bernama.com/en/general/news_covid-19.php?id=1838075

マレーシアのロックダウン行動制限令コロナウイルス

ロックダウン活動制限令のフェーズ4

冒頭でもお伝えしましたが、4月29日-5月12日までロックダウンが延長されました。ただし今回フェーズ4はいくつかの変更があります。

・食料品の買い出しは一家で1人→2人に
・車はドライバー1名のみ→同居家族2名まで乗車可
・病院、通院で移動する場合は移動許可証不要。
マレーシアのロックダウン行動制限令コロナウイルス

5月4日からは緩和されたロックダウンへ

さらに5月4日からは、条件付き活動制限令(Conditional Movement Control Order=CMCO)の発令が決まりました。これは今までよりも緩和された活動制限令とみなされており、一部の経済活動などが許可されることとなります。

ただし以下のカテゴリーについての再開は今回は認められません。

・映画館、カラオケ、マッサージ、テーマパーク
・サッカー、ラグビー、水泳など身体的接触の可能性があったり、バドミントンなど屋内スポーツ。
・宗教施設における礼拝など

また大学を含む学校は引き続き閉鎖されます。

レストランなどは条件付きで再開されます。まずテーブル間の距離は2m以上、会計時には1mのソーシャルディスタンスが課せられます。さらに来店者に対しては検温の実施、来店日時、氏名、連絡先などを記録する必要があるとのことです。

バス、電車といった公共交通も平常運行に戻りますが、ソーシャルディスタンスを確保するため、定員の半分ほどの乗車率となります。マスクの着用は義務ではありませんが衛生的ガイドラインを考えると実際は必須かと思われます。

また個人所有の車に関しては1台につき家族4人までの同乗が許可されることになります。これはフェーズ4開始からわずか6日でさらに条件が緩和されました。

このように4月28日に終了したフェーズ3までと比べると、ロックダウン解除へむけ前進したように思えますが、政府は「不要不急の外出は禁止」という基本方針を維持したままです。

マレーシアはソフトランディングでロックダウンの解除を行っていくと見られます。

※本文と写真は関係ありません。

写真:全て筆者撮影

 
 


 

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パンダン(外部ライター)

暑いところが大嫌いだったはずが、住んでみたらマレーシアの南国独特の時間の流れにすっかりはまったビール好きライター。旅は自分で車を運転していくのが好き。ビーチで夕日を見ながら一杯!が至福の時間。

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