こんにちは、マレーシア在住のライターのパンダンです。
4月1日から引き続きマレーシア全土に活動制限令(Moving Control Order=MCO)が発令されています。
日本でも4月7日(火)に7都府県で非常事態宣言が出されましたが、当地の封鎖と比べると大きな違いは「全国規模ではない」「不要不急の外出自粛の要請にとどまる」「罰則がない」などです。
現在生活をしている中で、どのような状態か筆者の生活の行動可能な範囲内、および政府からのアナウンスを元にお伝えしたいと思います。
強化された活動制限令の発令
3月27日からコロナウイルスの陽性クラスタが発生したエリアには「強化された活動制限令(Enhanced Moving Control Oder=EMCO)」が発動されることとなりました。
4月15日現在までに5例発令されています。
その詳細は以下のようになっています。
- エリア内の住民に対して完全な外出禁止
- 居住者以外の封鎖エリアへの立入禁止
- エリア内の必要最低限の企業の閉鎖。
- 完全封鎖期間中のエリアへの政府による食料の提供。
- エリア内に医療拠点の設立。
- エリアへ続くすべての道路をブロック。
マレーシア国内で最初にEMCOが発令されたのは、3月27日。マレー半島側の最南端のジョホール州(Johor)シンパンレンガム(Simpang Renggam)エリアで61の陽性反応が確認され、4月9日まで完全封鎖が決定(その後さらに4月14日まで延長)。
https://www.nst.com.my/news/nation/2020/03/579651/emco-enforced-kl-skyscraper-3200-affected
その後、502世帯3200人が居住するクアラルンプール市内中心部の商業施設兼コンドミニアムのメナラ・シティ・ワン(Menara City One)で、17人の陽性反応が認められたためEMCOが発動されました。
https://www.freemalaysiatoday.com/category/nation/2020/04/07/2-more-areas-in-kl-under-emco/
さらに4月7日には同じくクラルンプール市内の最古の集合住宅群の一つでもあるセランゴールマンション(Selangor Mansion)、マラヤマンション(Marayan Mansion)2カ所にもEMCOが発動。
365世帯6000人が検査対象となり、少なくとも全員のスクリーニングテストが終了するまでは解除されない見通しとのことです。
ロックダウンによる日々の生活の制限
4月9日現在のマレーシアの現在の一般市民の日常生活におけるロックダウン(行動制限令)の状況の一部は以下のようになっています。
・必要最低限の買い物は可能。ただし原則外出は一家に1人のみ。
・車の運転は1名のみ。原則として同乗者は認めない。
・10kmを超える移動は最寄りの警察署から移動証明を事前に取得
・買い物、病院へ行くなどの理由のない外出の禁止
・スーパーではソーシャルディスタンシングの徹底と検温の実施、また店舗滞在時間は原則として30分
・エッセンシャルビジネス(飲食店、ガソリンスタンド、デリバー、スーパーや商店)の営業時間は8:00-20:00
・宗教施設への礼拝活動の禁止
運動や散歩のための外出が許されないというのは欧米などに比べてもかなり厳格な規則であるという声もあります。
延長されるマレーシアのロックダウン
https://www.thestar.com.my/news/nation/2020/04/10/mco-extended-until-april-28-pm-announces
マレーシアのロックダウン(行動制限令)は4月14日で終了が予定されていましたが、4月10日午後4時にムヒディン首相が記者会見を行い、延長されることがアナウンスされました。さらなる感染拡大の防止対策の継続として4月15日から28日までの2週間とされています。
イスラム教を国教とするマレーシアでは4月23日前後にムスリムの宗教行事となるラマダン(断食月)がスタートし、その後イスラム教の新年ハリラヤ・プアサ(Hari Raya Puasa)を迎えます。
通常の場合はラマダンバザールの開催やラマダンの期間に行われるタラウィー(Tarawih)と呼ばれる特別礼拝が今年は中止となることが併せて伝えらました。
イスラム教はマレーシアの国教であり、人口の約7割を占めるムスリムにとってその影響はかなりのものとなっています。
https://www.bernama.com/en/infographics/index.php?v=6232
マレーシアの現在の新型コロナ肺炎による死亡率は1.8%。3月18日に行動制限令が発令されて以来毎日100-240人ほどの陽性患者が出ていますが、死亡者数は73人(4月11日現在)となっています。
今後のロックダウンの延長や経済活動とのバランスの兼ね合いを測りながら、感染拡大を防止する対策が、フェイズ3(Phase3)に入ったマレーシアの課題とのことです。
※写真は本文とは関係ありません。
写真:全て筆者撮影
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