シンガポールの新型コロナウイルス感染状況と対策から学ぶ②

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前の記事「シンガポールの新型コロナ感染状況と対策から学ぶ①」では、今年に入ってから1月末までのシンガポール国内の新型コロナウイルス感染状況と初期対応についてまとめました。本記事では2月以降の状況と追加対応についてまとめています。

1. 入国制限対象が中国全土に拡大

2月2日以降、当初は湖北省に限定されていたシンガポール入国及びトランジットの制限とビザ発行の一時停止の適用範囲が、ついに中国本土に渡航歴をもつ者すべてに拡大されました(保健省HPでの発表)。中国旅券所持者ですでにビザが発行されている場合でも、シンガポールへの入国は許可されないことになりました。さらに、シンガポール市民や永住権、長期滞在ビザの所持者で中国から帰国した場合は、帰国日より2週間の休暇取得が勧告されています。中華系の出入りが頻繁なシンガポールにとってこの封じ込み政策による影響は大きく、思い切った決断です。しかしながら、ここまでの対応ができるのも、入国管理に厳しいシンガポールだからこそとも思えます。

その後の国内感染事例は2日に18名(保健省HPでの発表)と増えますが、いずれも感染者は武漢出身の中国人・武漢から到着の中国人及び,武漢渡航歴のあるシンガポール在住者のいずれかに留まります。また同時に、自宅待機者・休暇取得者との同居者に対する注意事項や助言も公表されます。

 

2. 市中感染フェーズへの突入

流れが変わったのは4日に24件5日に28件6日に30件7日に33件と感染者が増えた際、新規感染者に最近の中国渡航歴がないシンガポール在住者が含まれており、市内で中国人観光客や中国から一時渡航者に接触した可能性の高いことが判明してからです。この頃から、国内で人から人への市中感染という新たな局面に突入しました。そして、保健省は追加予防措置として、①大規模イベント開催の注意事項、②職場での体温測定・在宅勤務の導入、③教育現場での予防強化HPにて呼びかけます。

その後も26日時点で 感染者数91名,退院者数58名,死亡事例0名,停留措置371名と感染者は日々増加していることから、市中感染がすでに起こっていると想定できます。実際に主な発生場所として、教会、健康食品販売店、ホテル、建設現場などが公表されています。日本と異なる点としては、死亡事例は国内ではまだ報告はなく、退院者数も増えていることが示されています。一方停留措置者は多く、潜在的な感染者は今後も増える可能性があります。

 

3. 新たな制限国に対する追加措置

そして23日には、韓国のテグ市(大邱)とチョンド郡(清道)における感染者の急激な増加(この時点で累計556件)を踏まえ、これらの地域への不要不急の渡航を延期するよう勧告されると同時に、2月23日以降、これらの地域への渡航歴があり症状がみられる者は病院で指定検査を受けることの義務化保健省HP での発表)、さらに27日以降は、渡航歴があるすべての帰国者は帰国日から14日間外出禁止措置が取られることが義務化保健省HPでの発表)される追加的対策が講じられました。

ここまで年明けから2月末までのシンガポールにおける新型コロナウイルスの感染状況と政府による感染拡大の対策についてまとめました。これらから分かることは、シンガポールでは湖北省や中国からの入国規制の対応が早かったことが、感染拡大の最小限化に一定の効果があったとは思いますが、狭い市内ではすでに人から人への感染者が発生しているため、人が集まる場所へ行くことは避けるべきでしょう。シンガポールでの観光や過ごし方における制約とも言えますが、中国人観光客と接触しそうなチャイナタウンやオーチャード通り、ホーカーズ、中華料理店にも訪れるのは自粛したほうが良さそうです。できれば除菌ティッシュやウイルスブロックのスプレー等を携帯し、外出先では常に除菌を心がけて行動しましょう。

帰国日が近づく私個人としては、感染が広まる日本からの渡航者が韓国と同様に、入国制限対象にならないことを祈るばかりです。

これ以降の動向は、別記事でアップデートできればと思います。

日本の川育ち。海を越えシンガポールに渡りました。

日本の川育ち。海を越えシンガポールに渡りました。

ICONIC

東南アジアにいながら、実は南アジアが専門。日本の低気圧が苦手で、常夏のシンガポールでは何故か活力がみなぎる。小籠包とJolliebeeを愛する外資系ウーマン。日本に残るサラリーマンの夫を連れてくるため、戦略検討中。

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