日本とシンガポールでの確定申告を終えて。日本との違いとは?

最近、転職初年度の日本とシンガポールの確定申告が完了し、一安心したAyuです。日本で働いていた間は年末調整のみで確定申告をしたことはなかったのですが、昨年度に日本の会社を退職して税金の還付金を主に受け取るため(また私の場合は出産も同時期だったため医療費控除を受けるため)初めて確定申告をしました。そして海外転職の初年度は、転職先のシンガポールでも確定申告を行う必要があります。シンガポールでは日本のように会社が一律で年末調整を行う仕組みはないため、毎年自身で申告し所得税を納めなくてはなりません(ただ会社によっては税理士法人に代行してもらうことはあります)。

この記事では、私自身勉強中のビギナーではありますが、良く言えばフレッシュな視点で、日本の確定申告との違いで感じ取った部分をシェアしていきたいと思います。

「それじゃあ、物足りないよ」という方、シンガポール税制の全般についてより詳細を知りたい方は、日本貿易振興機構(ジェトロ)シンガポール事務所が作成したレポート(シンガポール税制の概要)をご覧いただくのがよろしいかと思います。

 

1. シンガポールの確定申告の概要

Inland Revenue Authority of Singapore (IRAS)によると、個人所得税の申告対象者は、シンガポールに183日以上の滞在あるいはシンガポール企業に雇用されている年間2万2,000SGD以上の給与所得をうける居住者です。

確定申告における大きな違いは、シンガポールは給与からの所得税や社会保険料の天引き(源泉徴収制度)がないので、日本のように先に支払った所得税や社会保険料の見込み額と実際の税金の徴収額との増減を調整するといった目的ではなく、シンプルに実際の所得額に対する税金を申告後に納めるために、毎年実施しなければなりません。

 

2. 海外転職初年度の課税対象項目

現金課税対象項目は、主に基本給与(Base/Fixed Salary)、赴任手当(Setting-in Allowance)、入社一時金(Sign On Bonus)などがあります。また、現物給与の課税対象としては、現地住居が決まるまでの一時滞在費(Temporary Living)や駐在員などに支給される住宅や教育補助などです。一方、課税対象外の手当は、日本からの渡航費用、ビザ代行業者、税金申告代行サービスなどがあります。

 

3. 確定申告から納税までのプロセス

所得の計算期間は暦年で、申告期限は税務上の賦課年度である翌年4月15日頃とされています。2020年度はもともと4月18日でしたが、新型コロナウイルスによる感染拡大対策のサーキットブレーカー(Circuit Breaker)と呼ばれる規制中の経済支援策の一環として、5月31日までに自動延長されました。従業員は1暦年における給与所得を翌年3月1日までに雇用主から”Form IR8A”と呼ばれる書類の通知を受けます。それをもとにIRASに申告し、その後IRAS から”Notice of Assessment(NOA)”と呼ばれる納税通知を受領後、1ヶ月以内に電子的に納税することが義務づけられています。

 

4. 年収600万円を想定したシンガポールと日本の所得税を比較してみる

シンガポールも会社員を前提とした個人所得税率は累進課税制度である点は日本と同じです。そして、55歳未満は1,000 SGD(約75,000-8,0000円)の基礎控除、また年齢に関わらず配偶者は2,000 SGD、扶養は一人につき4,000 SGDの控除が受けられます。

2017年度以降の課税所得の税率はInland Revenue Authority of Singapore (IRAS)が公開している、以下の表のとおりです。

例えば28歳の独身で、月額給与が6,000 SGDで年収が6,000 SGD ×(12ヶ月+13ヶ月ボーナス) で78,000 SGD(約600万円)あるとすると、基礎控除を引いて、所得課税額は77,000 SGD。最初の40,000 SGDの部分が550 SGD、残りの37,000 SGD部分は7.00%かけて、2,590 SGDなので、合わせて3,140 SGD(約25万円)程度となります。日本における年収600万円で、基礎控除38万円と社会保険料85万円分を前提とした所得税が30万円程度なのでそこまで大差はないですが、社会保険料(約85万円)や住民税(約30万円)などを含めると手取り額は120万円ほどシンガポールの方が多い計算になります。

今年は新型コロナウイルスの影響で、イレギュラーな年となりましたが、無事に初めての海外での申告手続きが完了できてよかったです。個人的な感想としては、日本の確定申告をご自身で行っている方からすれば、シンガポールの確定申告の方が日本のように複雑な計算式などはなく、書類の書き方に悩まされることも少ないですし、納税プロセスも全て電子的に行えるので、より簡単に感じることでしょう。

日本の川育ち。海を越えシンガポールに渡りました。

日本の川育ち。海を越えシンガポールに渡りました。

ICONIC

東南アジアにいながら、実は南アジアが専門。日本の低気圧が苦手で、常夏のシンガポールでは何故か活力がみなぎる。小籠包とJolliebeeを愛する外資系ウーマン。日本に残るサラリーマンの夫を連れてくるため、戦略検討中。

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