シンガポールの気候と自然災害事情

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2019年の令和元年、日本では千葉県を中心に深刻な被害をもたらした台風15号に続いて襲来した台風19号は、広範囲にわたって甚大な被害をもたらし、世界的にも話題になりました。

筆者はシンガポールで日本のニュース番組を視聴しながら、日本に残す家族や友人の安否を一日中気にしながら過ごしました。日本は世界でも有数の災害大国だけあって、大雨や台風、地震が日常的に発生します。テレビやラジオ、インターネットなどからの災害情報入手は欠かすことはできません。日本から異国に移り住むにあたっては、移住先の国の気候や災害事情について関心が高いと感じましたので、今回はシンガポールにおける気候や自然災害についてまとめてみました。

 

1. 台風や地震の心配がいらない国

過去に隣国であるインドネシアのスマトラ島沖地震などから揺れを感じたことはある様ですが、基本的にシンガポールは活断層から離れているため、地震などの災害を受けるリスクはほとんどありません。地震大国である日本人にとって、生活において地震のリスクを気にしなくて良いというのは、それだけで不安要素が少なく、生活環境のメリットは大きいですよね。

そしてシンガポールの国土は赤道直下に位置し、台風が発生する進路上にはないため、台風も来ません。熱帯モンスーン気候に属し高温多湿な気候ですが、乾季は晴れの日が多く、日本の様に寒い冬も梅雨もなく、1年中気候が安定していると感じることが多いです。私は日本では「気象病」と呼ばれる、低気圧によって自律神経が乱れやすい体質であったのですが、シンガポールに来てから低気圧による体調不良に悩まされることは一切なくなりました。また日本で花粉症の症状が強い人が、こちらにきて全く感じなくなったという話もよく耳にします。

 

2. シンガポールの雨事情

以下の記事では、シンガポールでは予想できないタイミングで短時間、雨が降ることに触れ、こうした突然のスコールや雨に備えて「折り畳み傘(日傘兼用であればベスト)」を普段から携帯することをお勧めしました。

筆者自身も、シンガポールに移り住んで初めて雨季に差し掛かった頃、本格的なスコールを初めて体験しました。日本の大雨と比較すると、非常に大きい雨粒が勢いよく地上に落下してくるので、思わず熱帯なのに雹(ひょう)かと錯覚してしまうほどでした。降り始めた頃には、ちょうど車内にいたのですが、車の窓に当たると聞いたこともないような騒音を立てて、窓ガラスが割れないか心配になったほどです。約2時間半後にスコールが止むまでは、皆無理に外を出歩かず、建物内に避難していました。また、シンガポールは赤道直下の高温多湿の気候であることから雷が発生しやすい世界有数の都市の1つであることもよく知られており、雷への恐怖は日本と比べ物にならないほどです。私の自宅周辺には背の高い木々が多いことから、一度の雷雨で雷が2,3回は落下したのを記憶しています。一度激しい雨が降りだすとその後の移動に制約が生じてしまいますが、降り終わった後は流石に湿気は高いものの、気温が下がり晴れることが多いので、気分が憂鬱になることはあまりありません。またあいにく傘を忘れてしまっても、以下の写真のように多くの歩道の上には屋根が設置されているところも多く、ほとんど濡れずに目的地まで移動することができるでしょう。

 

3. シンガポールの大気汚染問題

最後に日本ではあまり問題とならない「大気汚染」について、触れておこうと思います。アジア地域では、特に開発が急速に進む都市では、交通や工場などからの排気ガスによる大気汚染問題が生活に支障をきたすことが多くあります。まず安心していただきたいのは、シンガポールは車の交通量の規制や都市の緑化を推進しており、普段生活する上で大気の質は決して悪くありません(ちなみに筆者は持病で喘息を長らくもっており、空気には敏感な方ですが、問題がないと感じるレベルです)。

ところがシンガポールで暮らし始めて1ヶ月弱が経過したころ、中心街に出てみると、いつもより濃い霧に地上が覆われ、視界や景色が遮られる場に遭遇しました。ガスマスクのようなものを装着する人々にすれ違ったり、デパートのレジ横に特別なマスクが並べられているのに気がつき、流石に嫌な予感がしました。調べてみると、今回はインドネシアのスマトラ島やカリマンタン島(ボルネオ島)を発生源とするプランテーションによる焼畑や開発目的による野焼き、森林火災による煙霧(ヘイズ)であったようで、実に3年ぶりにシンガポールに深刻な被害をもたらしました。シンガポール政府は今回もインドネシアに消火の技術支援を申し出たようですが、政治的な対立もあって、受け入れてもらえなかった様です。参考記事:Singapore offers help to tackle illegal Indonesia forest fireshttps://www.ft.com/content/c47e3010-d82c-11e9-8f9b-77216ebe1f17

私はこの時初めてヘイズを体験し、数時間後には頭痛と吐き気でその後半日は体調が悪くなってしまいました。ヘイズはシンガポールで最大の環境問題と断定できるでしょう。いざという時に、マスクを常備しておくと良いかもしれません。その後も数日は大気中の汚染度が高い日々が続きましたので、外出は控える様に呼びかけられました。シンガポール政府の環境局が公表しているサイト(https://www.haze.gov.sg/)には、API(Air Pollutant Index)やPM2.5のの値が毎日更新されており、人体への健康影響の度合いを確認することができます。

今回はシンガポールの気候や自然災害に関する、長所と短所を取り上げました。現地で長期的な生活を検討されている方に、なるべく実体験での感覚や度合いというものをお伝えできるよう、心掛けたつもりです。予防や対策を万全にして、安全で快適なヘルシーライフを送りたいものです。

日本の川育ち。海を越えシンガポールに渡りました。

日本の川育ち。海を越えシンガポールに渡りました。

ICONIC

東南アジアにいながら、実は南アジアが専門。日本の低気圧が苦手で、常夏のシンガポールでは何故か活力がみなぎる。小籠包とJolliebeeを愛する外資系ウーマン。日本に残るサラリーマンの夫を連れてくるため、戦略検討中。

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