ベトナムへの旅行や中長期での滞在時に気になるのが「日本で購入した電化製品をベトナムでも使えるかどうか」ということ。
結論から言うと、ベトナムでもそのまま使用できる場合もあれば、コンセントの変換プラグや変圧器が必要になる場合もあり、使用できるか否かは製品次第です。
そこで今回は、ベトナムのコンセントや電圧について日本と比較しながら解説し、変換プラグや変圧器を購入できる場所についてもご紹介します。
この記事をお読みいただくことで、ベトナムのコンセントや電圧について理解が深まり、ベトナムを訪れた際に安心して電化製品を使用できるようになるはずです。
記事の後半では、ベトナムで購入した電化製品を日本で使用する際の注意点も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください!
※記事内の情報及びレートは2024年7月時点のものです(1円 = 0.006VNDで計算)。
ベトナムのコンセントの形状
AタイプとCタイプの複合が一般的
ベトナムのホテルやカフェに設置されているコンセントは、日本で使われるAタイプと、先端が丸いCタイプをどちらも差し込める形状になっている場合が多いです。
そのため、後述する電圧の要件を満たしていれば、変換プラグを使用せずにそのままコンセントに差し込んでも問題ありません。
ただし、コンセントの差し込み口はCタイプに最適化されており、Aタイプのプラグを差し込むと充電器の重さでコンセントから抜け落ちることがあるため注意してください。
なお、Cタイプのコンセントは、タイやインドネシアを始めとする東南アジアやヨーロッパで広く採用されています。
一部ではCタイプしか利用できない場所も
ベトナムではCタイプのコンセントが主流であるため、一部のホテルではAタイプを差し込めないケースも当然あります。
ただし、多くのホテルでは変換プラグを無料で貸し出しており、変換プラグを購入する場合でも1個あたり100〜500円程度ですので、忘れても心配する必要はありません。
ベトナムの電圧について
日本の電圧は100Vであるのに対し、ベトナムの電圧は220Vです。
電圧が2倍異なるということは、流れる電流の大きさも2倍異なることを意味するため、高電圧に対応していない日本の電化製品をベトナムで使用した場合、負荷に耐えきれず、故障の原因になる可能性があります。
ただし、スマートフォンやノートパソコンを始め、グローバルに展開している企業の製品は、購入地域の電圧とは異なる電圧にも対応している場合も多いです。
変圧が必要か否かの確認方法
対応電圧は、電化製品の本体、アダプター、取扱説明書のいずれかに記載されていることが多いです。記載が見当たらない場合は、インターネット上で製品名を検索し、メーカーのWebサイト等で確認しましょう。
この際、「100V」や「日本国内専用」と記載されている場合は変圧が必要となるため、そのまま使用することは避けてください。
一方、「100V-220V」や「100V-240V」など、対応電圧の上限が220V以上と表記されている場合は変圧器を挟まずに使用できます。
変圧が必要な製品・必要ない製品の代表例
変圧が必要になるかどうかは、アダプターの性能で決まります。
変圧が必要な製品の代表例は、ドライヤー、髭剃り、電子レンジ、炊飯器などです。外付けのアダプターがなく、コンセントに直接差し込むタイプの製品の場合は、製品本体に電圧に関する記載が書かれています。
変圧が必要ない製品の代表例は、iPhoneやMacbookといったApple製品、アンドロイド端末全般や、デジタルカメラなどです。
参考までに、日本でのシェアが高い「AQUOS」「Xperia」「Galaxy」といったAndroid端末の純正アダプターは全て、変圧する必要がありません。
ただし、純正のアダプターを使用する場合の話ですので、純正以外のアダプターを使用する場合は故障の恐れがあります。そのため、ベトナムで電化製品を使用する際は、最初に必ず電圧に関する記載を確認するようにしましょう。
<参考データ>
・Apple:https://support.apple.com/ja-jp/HT210133
・AQUOS:https://k-tai.sharp.co.jp/support/other/shn01/option/index.html
・Xperia:https://www.sony.jp/support/cs/check/correct/xperia.html
・Samsung:https://www.samsung.com/jp/mobile-accessories/travel-adapter-45w-white-ep-ta845xwegjp/
変圧しなかった場合のリスク
変圧が必要な製品を変圧せずに使用した場合、どういったことが起こり得るのかご紹介します。
1. 電子機器が高温になり故障する
このケースが最もよく見られると思います。電子機器の規格を上回る電圧が加わることで、電化製品に負荷がかかり、最終的に故障します。このケースの大半は、誤ってコンセントに差し込んでから1分も経たないうちに発生することが多いため、事前の確認を怠らないようにしましょう。
2. 電子機器から煙・炎が出る
高温になり電子機器が故障した状態で長時間放置していると、差し込み口が300℃近くにまで上昇し、発火する恐れがあります。例えば、「日本からベトナムに炊飯器を持ち込んで変圧器を挟まずに使用し、うっかり予約タイマーをかけて外出してしまった」など、身近な場面でも危険が潜んでいるものです。
コンセントの変換プラグを買える場所
日本で変換プラグを買える場所
日本で変換プラグを買う場合、通販サイトや家電量販店はもちろん、ダイソーやキャンドゥといった100円ショップでも買うことができます。
変圧機能がないものであれば、数百円程度で購入できるため、とりあえず購入しておいても損はないでしょう。
<参考データ>
価格.com:https://kakaku.com/search_results/%8aC%8aO%95%cf%8a%b7%83v%83%89%83O/?maxp=999&lid=pc_ksearch_price
ベトナムで変換プラグを買う
ベトナムで変換プラグを買う場所として、一番おすすめなのは「Phong Vũ」という家電量販店で、ベトナム全土でチェーン展開しています。
1個あたり8万VND(約480円)前後で販売されており、日本で購入する場合と同じ価格帯です。
また、慣れている方であれば、ShopeeやLazadaといった現地の通販サイトで購入する方が手軽かもしれません。なお、ホーチミン市やハノイ市などの主要都市にはダイソーが出店しているため、そこで購入することもできます。
ちなみに、変換プラグはベトナム語で「Phích cắm chuyển đổi」と呼ぶため、商品探しや店員さんに伝える際などの参考にしてください。
<参考データ>
Phong Vũ:https://phongvu.vn/
変圧器を買える場所
日本で変圧器を買う
日本で変換プラグを買う場合と同様に、通販サイトや家電量販店、さらにはダイソーでも店舗によっては変圧器を購入できるようです。
ただし、値段と性能は比例する傾向にあります。安心して変圧器を使用したい方は、低容量の変圧器であれば5,000円程度、大容量の変圧器であれば3〜4万円程度の出費を見込んでおくと良いでしょう。
<参考データ>
価格.com:https://kakaku.com/kaden/power-transformer/
ベトナムで変圧器を買う
ベトナムで変圧器を買う場所として一番おすすめなのは、「LiOA」というお店で、ホーチミン市とハノイ市を中心に店舗を展開しています。
価格は、ドライヤーや髭剃り用であれば約100万VND(6,000円)程度、大容量であれば300万VND(1万8,000円)程です。
写真にあるホーチミン市中心部のお店では、簡単な英語を話せる店員さんが対応してくれました。(Google Mapはこちら)
日本から来たことや、使用する家電の消費電力を伝えると、公式のカタログを参照しながら必要な変圧器について教えてくれ、カタログに記載してある価格で購入することができます。
LiOA以外のお店で購入する場合、実店舗で販売されているケースは非常に少ないため、現地の通販サイトで購入するのがおすすめです。
ちなみに、変圧器はベトナム語で「Máy biến áp」と呼びます。
<参考データ>
LiOA:https://lioa.com.vn/vi/danh-muc-san-pham/bien-ap
変圧器を購入する際に注意するべきポイント
購入する変圧器を選ぶ際には、使用する電化製品の電圧(V)と消費電力(W)を確認する必要があります。
消費電力が記載されていない場合でも、「消費電力(W) = 電圧(V) × 電流(A)」で計算できるため、確認してみましょう。
また、変圧器はその用途に応じて、以下のような3種類に分かれます。
- アップトランス:現地の電圧よりも高い電圧が必要な場合に使用
- ダウントランス:現地の電圧よりも低い電圧が必要な場合に使用
- アップダウントランス:上記の2つを合わせたもの
先述した通り、ベトナムは日本よりも電圧が高いため、ベトナムで日本の電化製品を使用する場合は、ダウントランス又はアップダウントランスの変圧器を購入してください。
なお、変圧器の選び方に関しては、ヤザワコーポレーションさんのこちらの記事にわかりやすくまとまっているため、余裕がある方は目を通しておくと良いかもしれません。
ちなみに、ベトナム語ではダウントランスを「Biến áp đổi nguồn hạ áp」、アップダウントランスを「Biến áp đổi nguồn tăng hạ áp」と呼びます。
<参考データ>
ヤザワコーポレーション:https://www.yazawa-online.com/contents/page/transformer/
【在住者向け】ベトナムで購入した電化製品を日本で使用する場合
ベトナムの電化製品の多くはCタイプのプラグを備えているため、そうした製品を日本で使用する場合は、コンセントの形状をAタイプに変換するプラグが必要になります。
また、ベトナムの電圧は220Vなので、電圧が100Vの日本で使用する場合は、電圧を上げるための変圧器(アップトランス)が必要です。
ベトナムよりも日本の方が電圧が低いため、誤って差し込んでも大事には至らないと思うかもしれませんが、電圧が低いことで、かえって過剰に電流を引いてしまい、機器の故障や発熱につながる恐れがあります。
アップダウントランスを購入すれば、日本とベトナムの両方で使用できますが、重たい変圧器を毎回持ち運ぶのは大変です。
そのため、ベトナムと日本を頻繁に行き来される方は、日本用とベトナム用で別々に電化製品を購入するのが良いかもしれません。
まとめ
ベトナムのコンセントのタイプや電圧について解説してきましたが、いかがでしたか?
ベトナムへ行く予定のある方で、変換プラグや変圧器をまだ準備していない方は、この機会にぜひ、それらが必要かどうか確認してみてください。
変圧が必要な場合や、変圧をしなかった場合のリスクは、紹介したケース以外にもたくさんあるため、ベトナムで日本の電化製品を使用する場合は、説明書や表記を改めて確認するようにしましょう。
ベトナムを訪れる際はぜひ、現地のコンセントや電圧事情を理解した上で安心して、充実した日々をお過ごしください!