【知らなきゃ危険】ホーチミンの治安と犯罪被害に遭わないための対策



ベトナム旅行や滞在を検討する時、必ず気になるのが
現地の治安ではないでしょうか。

 

ベトナムといえば新興国のイメージが強く、女性の一人旅でも大丈夫?」「盗難とか置き引きは多いのかな?」などの不安を抱える方も少なくありません。

 

そこで今回は、ベトナム ホーチミンの治安情報をエリア別にご紹介するとともに、犯罪被害に遭うリスクを減らすための対策もお伝えします。

 

この記事をお読みいただくことで、ホーチミンの治安に関する理解を深めることができ、安心してベトナム旅行を楽しめるようになるはずです。

 

記事の後半では、ホーチミンでパスポートを紛失した時の連絡先や救急外来に対応している病院など、緊急時に役立つ情報も掲載しています。ぜひ最後までご覧ください!

 

※記事内の情報は2024年8月時点のものです(1VND = 0.006円で計算)。

 

ベトナムの治安情報


新興国と聞くと、観光客に対して鋭い眼差しが向けられるような、殺伐とした街の風景を思い浮かべる方もいるかもしれません。

 

しかし、結論からお伝えすると、ベトナムの治安は基本的に良好です。

 

国別に治安を比較しているIEP - Global Peace Indexの最新統計によると、ベトナムは41位にランクインしており、他のASEAN主要国と比較しても遜色のない順位です。(日本は17位でした。)

5位 シンガポール
10位 マレーシア
41位 ベトナム
48位 インドネシア
76位 タイ
104位 フィリピン


また、外務省が公開している
国・地域別の危険レベルでは、ベトナム全域が危険度レベル1未満に指定されていることから分かるように、どの地域も比較的安心して訪れることができます。

外務省Webサイトより引用)

ただし、ベトナムは日本のように、財布を落としても交番に届いていることが多かったり、荷物を置いたまま離れることができたりするほど治安の良い国でもありません。

 

そのため、ベトナムを訪れる際は、貴重品の管理や身の回りの安全には常に注意する必要があります。


<参考データ>
・IEP - Global Peace Index『2024 Global Peace Index
・外務省『海外安全ホームページ

エリア別にホーチミンの治安をご紹介

ホーチミン市の面積は約2,095㎢で、東京都とほぼ同じくらいの大きさです。

 

その中でも今回は、観光客が多く訪れる中心部のエリアと、市内でも特に犯罪が多いとされているエリアの治安について解説します。

 

“ドンコイ通り” 周辺の治安

日系ブランドのお店や高級ホテルが立ち並ぶエリアで、区画が整理されていて道幅も広く、治安はかなり良いです。

 

ただし、外国人観光客が多く滞在するエリアなので、簡単な英語や日本語を話せる人も多く、気を取られている間に、スリの被害に遭う可能性も少なくありません。

 

そのため、比較的安全で治安の良いエリアではありますが、警戒を緩めないようにしましょう。

 

ベトナム最大の日本人街 “レタントン” の治安

ベトナムでは最大規模の日本人街が広がるエリアで、すき家、CoCo壱番屋、一風堂などの外食チェーンをはじめ、日本人向けの飲食店などが数多く立ち並んでいます。

 

訪問者の多くが日本人ということもあり、日本語を話せる店員さんが多く、「日本語で勧誘を受けて、ついて行った先でぼったくり被害に遭う」というケースが後を絶ちません。

 

全体的にやや治安が悪いエリアなので、日本人の街だからといって油断せず、貴重品の管理や会計時の金額には注意するようにしましょう。

 

“ブイビエン通り” 周辺の治安

ブイビエン通りは、ホーチミン随一の繁華街で、日没後から明け方までクラブミュージックが鳴り響き続け、「眠らない街」とも呼ばれるエリアです。

 

ただし、メインストリートの脇には人目につきにくい場所も多く、違法薬物や賭博などが横行していると言われています。さらに、スリやぼったくり、ひったくりなど、あらゆる犯罪に巻き込まれる危険性が高く、総じて治安の悪いエリアです。

 

また、通り沿いに立ち並ぶガールズバーの中には、日本語を話せるスタッフがいるお店もありますが、1回の訪問で約15万円を請求された被害なども報告されています。

 

ブイビエン通りを訪れる際は、最低限の貴重品だけを身につけて管理を徹底し、判断能力が鈍るまでお酒を飲みすぎないよう、十分注意してください。

 

ベトナム最大の中華街 “チョロン” の治安

ホーチミン市中心部から車で10分ほどの場所には、華僑が多く住む「チョロン」と呼ばれるエリアが存在します。

 

日本の中華街とは異なり、広範囲にわたって中華料理屋や小売店、寺社や仏閣が点在しており、日中は市場を訪れる現地の人々や観光客で賑わうエリアです。

 

しかし、飲食店が多く立ち並ぶ大通り沿い以外は、基本的に個人店が立ち並んでいるため、17時頃には閉店して人通りも極端に減り、犯罪に巻き込まれるリスクが高まります。(写真右は18時に撮影したものです。)

 

そのため、チョロンを訪れる際は、日中に観光を楽しみ、夜遅くなる前にホテルや宿泊施設に戻るようにしましょう。

 

ホーチミン市4区・8区の治安

ホーチミン市中心部から川を隔ててすぐの場所に広がるエリアで、かつて低所得者層が多く住んでいたことで知られています。

 

現在でも、大通りから脇道にそれると迷路のような路地が広がっており、観光客が踏み込むと、鋭い視線を向けられることが多いです。

 

なお、ホーチミン市4区の一部は、20年ほど前までマフィアが仕切っており、治安が非常に悪い地域であると言われていましたが、直近10年ほどで大幅に改善されました。

 

また、ホーチミン市8区では、川沿いを中心に、トタン屋根の平屋が並ぶスラム街のようなエリアが残っていますが、4区と同様に治安は改善されつつあります。


いずれも、大通り沿いであれば飲食店などが立ち並び安全ですが、細い路地などは人目につきにくく、行き止まりも多く存在するため、基本的には足を踏み入れないようにしましょう。

 

ホーチミンで犯罪被害に遭わないための対策

スリ・ひったくり被害に遭わないための対策

貴重品を入れたポーチや鞄は前にかける

日本では、リュックや鞄を背負ったり、トートバッグを肩にかけたりする人が多く、ベトナムでも、同様のスタイルで街中を歩く現地の人を見かけるでしょう。

 

しかし、治安の良い環境で生活してきた日本人と、スリやぼったくりに遭うリスクが高い環境で生活してきたベトナム人とでは、日常的に抱いている警戒心の程度が異なります

 

特に最近では、複数人による犯罪が増加しており、1人が観光客に話しかけて意識を逸らしている間に別の人が貴重品を抜き取る、という手口による被害が多く報告されているようです。

 

そのため、移動時や人混みの多い場所などでは、鞄やポーチを前にかけて、貴重品が常に視界に入るよう意識しましょう。

 

ポケットには貴重品を入れない

日本では、財布やスマートフォンをズボンの後ろポケットに入れて出歩く姿がよく見られますが、ベトナムでは絶対に行わないでください

 

特に屋外では、貴重品を抜き取ってバイクで逃走するケースが多く、取り返しのつかなくなるリスクが非常に高いです。

 

また、前ポケットについても同様で、「日本語や英語で話しかけてきた人に、気を取られている間に、いつの間にか貴重品を抜き取られていた」というケースが多々あります。

 

屋外でスマホを使用する際は要注意

日本では、スマホを通信手段の1つとして捉えている人が多いでしょう。

 

しかし、平均月収が4万5,000円(2024年第2四半期)のベトナムでは、スマホ(特にiPhone)を1つの資産として捉える人も多く、スマホもスリの対象となることが多いです。


そのため、現地のベトナム人ですら、屋外(特に路上)でスマホを使用する時は、周囲に注意を払い、スマホを強く握るように意識しています。


<参考データ>
・ベトナム統計総局(GSO)『2024年第2四半期および上半期におけるベトナム労働市場の成果と課題

 

貴重品を必要以上に携帯しない

携帯している貴重品が多いと、何かを盗まれたときに気づくのが遅れてしまいます。

 

ホーチミン市内であれば、クレジットカードを使用できる場所が多いため、大量の現金を持ち歩く必要はないでしょう。

 

また、中心部のホテルであれば各部屋に金庫が置かれている場合も多く、「金庫に預けておいた貴重品を盗まれた」という事例はほとんどないため、貴重品を可能な限り金庫に預けておくことを推奨します。

 

ぼったくり被害に遭わないための対策

ベトナムの紙幣を理解する

ベトナムで使われている紙幣は桁が多く、来た当初は見誤ることがよくあります。(2024年8月時点で、10,000VND = 60円です。)

 

また、下3桁の0を省略して、10,000VNDであれば「10」、200,000VNDであれば「200」と表記するケースも多いなど、馴染みのない方にとっては混乱しやすいかもしれません

 

さらに、日本の紙幣では、金額ごとに異なる人物の肖像画を採用していますが、ベトナムの紙幣では、10,000VND(60円)から500,000VND(3,000円)の紙幣まで、全て「ホー・チ・ミン主席」の肖像画が描かれている点にも注意が必要です。

 

訪れる予定のお店はGoogle Mapで事前に確認

ホーチミン市中心部にあるレストランやお店であれば、Google Mapで多数の口コミを確認できます。日本人が書いた口コミも多く、ぼったくりのリスクについて、日本人目線の情報を事前に得ることが可能です。

 

また、ベトナムには、飲食店に関する情報サイトがいくつかあるものの、日本の『食べログ』や『ホットペッパーグルメ』ほど人気のものはなく、お店の人たちはGoogle Mapの口コミを重視しています。

 

ローカルな雰囲気が漂うお店でも、Google Mapでは多数の口コミを閲覧できることが多いので、念のため、訪れる前に一度確認してみるのがオススメです。

 

なるべくレシートを確認

会計を済ますたびにレシートを確認するのは大変かもしれませんが、確認することに越したことはありません。

 

ぼったくり被害を防ぐ意図があるかは分かりませんが、現地のベトナム人も、レストランやスーパーで買い物をした際には、入念にレシートを確認する人が多いです。

 

日本で生活する際と同様に、身に覚えのない項目がレシートに記載されていたら、Google 翻訳などを使用して、ためらわずに店員さんにその場で確認しましょう。

 

あらかじめ相場を確認しておく

ホーチミンに訪れる日本人観光客の増加に伴い、犯罪の手口も高度化しています。

 

最近では、観光客が日本人であると分かると、法外な金額ではなく、日本の相場では妥当と言える絶妙な金額を請求してくるケースが増えてきました。

 

あくまでも筆者の推測ですが、複数の日本人に様々な価格を提示して反応を見る中で、比較的妥当な金額帯を推測しているのではないかと考えられます。

 

もちろん、その金額を費やすだけの価値があると感じた場合は、そのまま支払っても良いと思いますが、タクシーの運賃など、相場を把握していないと法外な金額を請求される可能性もありますので、あらかじめ相場を確認しておくのがオススメです。

 

ぼったくられる場所に行かない

ぼったくりのリスクが高いお店には、最初から行かないことが最も効果的です。

 

なお、「ぼったくり被害が報告されているお店にYouTuberやTikTokerが訪れてみたら、実は明朗会計だった」といったケースを見かけることがあるかもしれません。

 

しかし、お店の人も動画が全世界に発信されることは理解しているため、カメラを向けられている間のみ、正しい金額を請求するケースが少なくないようです。

 

最近では、筆者が動画を撮影するためにバーを訪れてSNSで紹介したところ、別の日に訪れた人からは、法外な金額を請求されたという報告が寄せられました。

 

その他の対策

夜に出歩くのはなるべく避ける

ベトナムも日本も、夜型の若者は一定数存在しますが、ベトナムは夜に出歩く若者が多い印象です。

 

最近では24時間営業のカフェも増えており、日付が変わる時間帯でも、街中には多くの若者が出歩いています。

 

ただし、彼らは基本的に家から目的地までの間をバイクで移動しますが、観光で訪れる人の中にはホテルから徒歩で向かう方も多く、道中で犯罪に巻き込まれかねません。

 

どの場所でも、夜になると治安は悪化する傾向にあるため、外出時はタクシーを利用するなどして、犯罪被害に遭うリスクをできる限り減らすよう心がけてください。

 

流しのタクシーよりも配車アプリを使用

ホーチミンのタンソン二ャット空港で到着ロビーを出ると、数多くのタクシードライバーが声をかけてきます。

 

その中には、比較的安全に利用できるタクシー会社もありますが、基本的には配車アプリを利用するのがオススメです。

 

配車アプリを利用すれば、事前に目的地を伝えることができ、料金も前払い方式であるため、ドライバーとのコミュニケーションを最小限に抑えることができ、その分犯罪に遭うリスクも減らすことができます。

 

【体験談】ホーチミンで最近増えている犯罪

ホーチミンで最近増えている犯罪について、在ホーチミン総領事館のWebサイトでは以下のような内容が掲載されています。

ホーチミン市1区レタントン通り及びホーチミン市2区内の大型ショッピングセンター出入口付近において、中東系若しくはインド系外国人から英語で「日本に興味がある。日本円を見せて欲しい。」等と言われ、しつこく日本円の提示を求められた。

筆者も、2024年4月にホーチミン市1区のショッピングモール内において、同様の手口で犯罪を行っている外国人から声をかけられました。

 

彼らは一見、外国人観光客と見間違えるような身なりで行動しているため、事前に情報を聞いて注意しておかないと、被害を防ぐのは難しいかもしれません。

 

このケースに限らず、ベトナム人以外の外国人も犯罪を企てている可能性があることを、心に留めておいてください。


<参考データ>
在ホーチミン総領事館『邦人被害に係る注意喚起について

ホーチミンでトラブルに遭ったときの連絡先

  • ホーチミン滞在中にスリやひったくりに遭い、パスポートを紛失した
  • 夜に出歩いていたら、不審者に襲われて怪我をした

こうしたトラブルに遭った際、まず最初にどこへ連絡すべきか紹介いたします。

 

パスポートの紛失は在ホーチミン日本国総領事館へ

ホーチミンでパスポートを紛失した場合、様々な手続きを行うことになりますが、まずは在ホーチミン日本国総領事館に相談してください。

在ホーチミン日本国総領事館
電話番号(代表):028-3933-3510
メールアドレス:ryouji@hc.mofa.go.jp
Webサイト:https://www.hcmcgj.vn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
住所:261 Dien Bien Phu Street, District 3, HCMC


なお、在ホーチミン日本国総領事館の
Webサイトに掲載されている情報によると、パスポート紛失から出国までの手続きについて、以下のような流れが想定されます。

  1. 現地警察に依頼して、盗難もしくは紛失を立証する書類を発行
  2. 日本から戸籍謄本(又は抄本)を取り寄せる
  3. 臨時パスポートの発行
  4. ベトナムの出入国管理局から出国査証を入手


パスポートの再発行に10日程度、出国査証の入手に5日程度はかかると言われているため、パスポート紛失から約2〜3週間後に出国できるでしょう。


<参考データ>
在ホーチミン総領事館『旅券紛失・盗難に係る注意喚起

事故・けがの時に利用できる病院

ホーチミン市内には日本人が多く住んでいることもあり、日本人医師が常駐している病院がいくつか存在します。

 

ただし、深夜や早朝といった受付時間外に、不慮の事故に見舞われることもあるでしょう。

 

そこで今回は、日本語での対応が可能であり、24時間対応の救急外来を備えているホーチミン市内の病院を2つご紹介します。

1. ファミリーメディカルプラクティス
電話番号:028-3822-7848
Webサイト:https://www.vietnammedicalpractice.com/hcmc/jp/about-us/welcome-family-medical-practice
住所:Diamond Plaza, 34 Le Duan Street, District 1, HCMC



2. ラッフルズメディカル ホーチミン
電話番号:028-3824-0777
Webサイト:https://rafflesmedical.vn/ja/raffles-medical-ho-chi-minh-city/
住所:167A Nam Ky Khoi Nghia, District 3, HCMC

 

まとめ

ベトナム ホーチミンの治安についてご紹介しましたが、いかがでしたか?

 

治安の悪いエリアや現地で被害に遭いやすい犯罪について解説しましたが、ホーチミンの治安は全体的に良好です。

 

特に、ホーチミン市中心部には日本人が多く住んでいるため、日本クオリティのサービスが充実しており、犯罪被害に遭った場合でもスムーズに対応できるでしょう。

 

その他にも、食生活や日常的な買い物を含め、ベトナム ホーチミンには日本人が快適に生活を送るための環境が整っています。この機会にぜひ、以下のブログもご覧いただき、海外転職先としてベトナムを検討してみてください!

 

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休学してベトナムで奮闘中

休学してベトナムで奮闘中

山野拓真

活気あるベトナムに住んでみたい!という思いから、2023年夏よりICONICのホーチミンオフィスでインターン中。日本人目線でのリアルなベトナムの情報をお届けします!

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