『東日クラブ』28年の歴史を持つホーチミンの日本語コミュニティに参加してみた

皆さんは、「ベトナムに住む」ということに対して、どのようなイメージを持っていますか?

もちろん、良い側面をたくさん持ち合わせているものの、慣れない土地で生活を送ることに、以下のような不安を持つ方も少なくないかもしれません。 

 

  • 日本のように頼れる友人や知り合いがいない
  • ベトナム語を勉強してみたいけど、なんだか難しそう...
  • ベトナム人の文化を理解し切れておらず、生活に戸惑っている

 

上記のようにベトナム生活に不安を抱く日本人の皆さんには、「現地のコミュニティに入る」ということをおすすめします。

人との繋がりができれば、困ったことがあっても頼ることができますし、何より、ベトナムでの生活がより楽しいものになるでしょう。

そこで今回紹介するのが、ホーチミンにあるベトナム人向け日本語コミュニティ、『東日(とうにち)クラブ』です。大学の日本語サークルで、誰でも気軽に参加することができます。

本記事を最後までお読みいただくことで東日クラブの魅力やメリットをたくさん知ることができ、今後のベトナム生活を充実させるための新たな選択肢を得ることができます。皆さんもぜひ今後のベトナム生活に役立ててください。

 

東日クラブとは

団体概要

東日(とうにち)クラブとは、ホーチミンの人文社会科学大学にある日本語学部の日本語会話クラブです。日本で言うサークル活動のイメージです。

ちなみに、人文社会科学大学は、ベトナム国家大学ホーチミン校を構成する傘下大学の一つであり、ベトナム国家大学ホーチミン校は、ベトナム大学ランキング2位にランクインしています。

<参考データ>
TOP 100 TRƯỜNG ĐẠI HỌC VIỆT NAM NĂM 2024 (VNUR)

 

東日クラブは、1997年に活動を開始し、今年で28年目を迎えます。

現在は、日本語学部の3年生8名によって運営。彼らは、2年生の頃に6週間トレーニングをした後、東日クラブメンバーになります。先日には、前期である27期との交代式もあったそうです。30年近くも続く活動となると、たくさんの学生の継続によって守られてきたことが伺えますね。

東日クラブの参加人数はおよそ80人程度。毎回大盛り上がりです。運営メンバーによると、参加者の国籍の比率は、ベトナム人7割・日本人3割ほどだと言われています。年齢層や男女比は、まさにバラバラ。10代の若者から、60代以上の方々もいらっしゃいます。

 

基本情報

続いては、参加する上で必要な基本情報をご紹介します。

①活動日時

毎週日曜日の9:30〜11:30

 

②開催場所

人文社会科学大学 Đinh Tiên Hoàng(ディン・ティエン・ホアン)キャンパス 

 

※注意※

教室は毎回異なるため、最新の情報は、以下の公式SNSよりチェックする必要があります。

・Instagram:https://www.instagram.com/tonichiclub

・facebook:https://www.facebook.com/Tonichiclb

 

③参加費

人文社会科学大学の学生:5,000VDN=約29円

その他の参加者:10,000VDN=約58円 

※記事内の情報およびレートは2024年8月時点のものです(1円 = 171.102 VND計算)。

設備利用料やゲームの景品、資料準備代に使用されるようです。とっても安いですね!

 

東日クラブの実際の活動内容

さて、今回は28期目の活動が始まって2回目の開催となる会に参加してきました。実際の活動内容や様子についてレポートします。

 

9:20 到着

事前にフォーム入力をしたり、予約したりする必要は特にありません。指定の集合場所に行けば参加が可能です。

まず教室に着くと、参加費をを支払って、このようなパンフレットを受け取ります。

毎回の活動にはトピックがあり、今回は「挨拶」でした。挨拶にまつわる知識などがたくさん書かれていますね。

 

9:30 開会

開会の挨拶を終えると、ウォーミングアップが始まります。東日クラブの皆さんが寸劇の披露や、テーマ紹介を行なって会場を盛り上げてくださいました!日本語クラブなので、会場で使用される言語は基本的に日本語のみです。

 

10:00 トピックに基づく意見交換

次は、参加者同士の交流の開始。10人ほどの輪に分かれて、「挨拶」について隣に座ってる人たちと話し合います。

ここで嬉しいのは、話のトピックを用意してくれていること。ネタが書かれたたくさんの紙切れが各グループに配布されているので、「何を話したらいいか分からない」という状況がなくなりますね。

また、参加されるベトナム人は、基本的に日本語を話せる方がほとんどなので、安心してコミュニケーションをとることが可能です。

話し合いの後は、参加者の方による発表もあります。80人もいる教室の中で、発表に挑戦する、積極的な姿勢が印象的です。

 

11:00 ゲーム

続いては、ゲームの時間です。各チームに分かれて、日本語に関するゲームで競い合います。

先ほどのように隣の人だけでなく、チーム全体の人と交流ができるので、多くの人と仲良くなることができます。

買ったチームには、景品の用意まで...!



11:30 閉会

たくさん交流を楽しんだら、2時間があっという間に終わりました。最後は、東日クラブメンバー全員が揃い、元気な挨拶をしてくれます。

 

ここで、東日クラブの公式イベントは終了しますが、この後は、参加者と運営メンバーの皆んなで近くのレストランに行き、昼食を食べます。

その後、カフェに行き、夕食の時間も一緒に過ごすようなメンバーも一部います。

(※昼食以降の参加は任意ですので、ご自身の都合に合わせて参加することが可能です!)

 

各関係者へのインタビュー

参加者は先述した通り、日本語を勉強しているベトナム人や、留学や駐在の関係でベトナムに住んでいる日本人など、多岐に渡ります。

今回は参加者の皆さんと一部の運営メンバーに、インタビューをさせていただきました。ぜひリアルな声を通して、今後のベトナム生活に役立ててみてください。

 

参加者のコメント

・謙志さん(日本人男性・21歳)

ベトナム語を学ぶために、大学の交換留学でベトナムに住んでいます。東日クラブは、友人の紹介で知り、月に1回ほど参加しています。

日本語やベトナム語を使って、ベトナム人と話すこと、そして仲良くなれることが嬉しいです。

 

・ヴさん(ベトナム人男性・27歳)

昔から日本の少年漫画が好きで、17歳の時に日本語の勉強を始めました。今は、日本の会社の現地工場で働いているので、日本語の勉強を継続しています。

東日クラブの活動では、日本語力の向上に繋がり、また友人もできるので嬉しいです。

 

・ミーさん(ベトナム人女性・29歳)

15歳の時に日本のアーティストを好きになり、歌詞の意味を知りたくて日本語の勉強を始めました。東日クラブは、参加し始めて1年が経ちます。

ほぼ毎週通っているのですが、長い付き合いの友人もできますし、いつも新しい人とも仲良くなれるので、それが楽しさの一つとなっています。

 

運営者のコメント

・ザーギーさん(ベトナム人女性・19歳)

私は、大学1年生の頃から、東日クラブに参加していましたが、参加しているうちに、運営メンバーに憧れを抱くようになりました。彼らは毎週のイベントを少人数で運営し、日本語も堪能です。私も運営メンバーになって、彼らのように日本語を向上させたいと思っていました。

活動内容は、毎週の教室での集まりに加えて、特別な回もあります。例えば、1年の活動の締めくくりとして、次期メンバーとの交代式前に、大学外でピクニックをします。これは代々続く、伝統行事です。

また、お正月には親のいない子どもたちの施設に行って、子どもとダンスや歌を楽しみ、プレゼントを渡します。

活動の中で最も楽しいのは、東日クラブの参加者の皆さんとお話しすること。しかし、苦労する時もあります。例えば、寸劇やゲームの台本を準備するのは大変ですし、毎回のイベント内容を考えるのも難しい。ですが、だからこそ良いアイデアを出すことができた時の達成感や喜びは格別です。

 

参加者や運営者の皆さんのリアルな声を知って、東日クラブの素晴らしさをより一層感じましたね。皆さん、インタビューにご協力いただきありがとうございました!

 

参加するメリットは?

ここまで東日クラブの活動についてご紹介しましたが、最後に参加してみて感じたメリットをお伝えします。

ぜひ参加を検討する上での参考にしてみてください。

 

友人やネットワークの広がり

まず、これは友人を作りたいと考えているベトナム在住者にとっては一番の魅力ポイントではないでしょうか。東日クラブでは、ベトナム人はもちろん、日本人とも仲良くなることができます。

東日クラブのイベント終了後は、先述の通り、ランチやお茶に行くことが多く、筆者もそちらに参加してきました。夕食の時間まで一緒に過ごしましたが、参加者の皆さんは、とても気さくなので、すぐにコミュニティに溶け込むことができたように感じます。

 

語学の勉強

こちらも大変大きなメリット。大前提として、東日クラブに参加するベトナム人の皆さんは、日本にゆかりがあり、日本語が堪能な方ばかりです。したがって、ベトナム語を勉強したい場合、彼らに教えてもらうなんてこともできます。実際、参加者のベトナム人の中には、平日は日本語教師として働いている方などもいて、筆者自身としては、彼らの日本語能力の高さに刺激を受けました。もっと語学勉強を頑張ろう!と気が引き締まる思いです。

 

異文化を知るチャンス

ベトナムで生活をするには、現地の文化を受け入れ、そこに適応していく必要があります。例えば、交通ルールや食事中のマナー、挨拶の仕方など、様々ありますが、実際に住んでみないと分からないことってたくさんありますよね。

そこで筆者は、仲良くなったベトナム人に、料理の食べ方やベトナム人の性格、価値観について教えてもらいました。現地の人と交流するからこそ、初めて知ることもたくさんあり、それが醍醐味の一つです。

 

まとめ

今回は、ホーチミンの人文社会科学大学の学生によって運営される、日本語コミュニティ「東日クラブ」を紹介しました。

毎週でなくても、自分のペースで参加することができますし、初めて参加する場合でも、とても親切に受け入れてもらえます。実際に参加しても、性別や年齢を超えた繋がりを感じました。ベトナム人特有の明るく、フレンドリーな性格がこの関係性の構築に貢献しているのだろうと考えさせられます。

もし、「人見知りで自信がない...」と感じる方がいても、全く心配ありません。むしろ、日本人もベトナム人も参加者は1人で来ている方がほとんどの印象でした。毎週顔を合わせることによって、次第に仲が深まっていっていくそうです!

皆さんも、東日クラブへ参加してみませんか?事前予約の制度等はなく、教室に行けばそのまま参加可能です。一つコミュニティに入ってみれば、ベトナム生活がより楽しいものなること間違いなしです☆

 

<東日クラブ公式SNS>

・Instagram:https://www.instagram.com/tonichiclub

・facebook:https://www.facebook.com/Tonichiclb

 

他にも様々な観点から、ベトナムには日本人が快適な生活を送れる環境が整っています。この機会にぜひ、以下のブログもご覧ください。

 

東南アジア好き女子大生

東南アジア好き女子大生

Hana

現在、大学を休学し2024夏からICONICでインターンをしています。初めて見る景色や初めて食べる料理に心を躍らせている毎日です。sinh tố bơ(アボカドスムージー)に絶賛ハマり中。

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