【ベトナム進出日系企業トップ×ICONIC】ベトナムでは、どんな人材が求められているのか、「RENSEI VIETNAM – President 今野様」にお話をおうかがいしました。
日本の学習塾文化を輸出しようと思い、海外展開を始めました。
安倉:まずは、御社の事業概要と、日本でやられていること、ベトナムでやられていることなどを教えてください。
今野:弊社は、日本では北海道と一部東北を中心として学習塾を展開しており、来年でちょうど40周年になります。スクールとしては今現在232会場あって、生徒さんが1万6500名ほどになります。おかげさまで今のところは順調に展開できています。ただし、ご存知のとおり日本も全国区で見ていくとやはり子供の数が減っています。
現在は、大学受験や高校受験を中心とした進学のサポートをするものを中心としていますが、この先例えば5年10年と見たときに、弊社としても積極的に手を打っていかなければいけないという状況だと考えています。また日本の一つの文化とも言える「塾文化」を世界に向けて発信したいという思いもありました。
安倉:つまり「塾文化の輸出」ですね。
今野:その通りです。日本の教育は「寺子屋」と呼ばれる塾から始まり、現在でも学校教育を支え、子どもたちの可能性を引き出している塾の存在は大きいと思っています。その塾の文化を日本以外の国々にも届けたいと考えました。
安倉:そこで海外展開というわけですね。
今野:はい。そういった形で海外展開をしていくことが決定したわけですが、東南アジアを最初からターゲットにしていた中、人口も多く、平均年齢が28歳という非常に若い国であるベトナムがこれからやっぱり有望であると判断し、ベトナム進出を目指そうということになりました。
安倉:それはいつぐらいからなんですか?
今野:これはですね、決まったのは去年の1月なんです。
安倉:あっ、結構最近なんですね。じゃあかなりもう急ピッチで。
今野:そうですね。弊社の代表から海外展開したいと考えているけど、ベトナム辺りはどうか?という話を聞いて。話を受けたものの、その時私はベトナムに詳しいわけでも、知り合いがいるわけでもない状況で。インターネットでベトナム事情のブログとかを書いている人に、手当たり次第にメールを出したりして、情報を収集しました。
安倉:教えてくださいと。
今野:プロジェクトチームがあるわけでもないので、1人で。
安倉:全面的に支援するから、それをとにかくやれと。
日本のスタイルのままではだめだと痛感し、ビジネスモデルを転換。
今野:はい。ということで、去年の4月から月一の出張ベースで来て市場調査をしました。調査開始前は、塾として日本と同じ形態でスタートしようとしていました。しかし、調査の中で、小学校中学校高校の親御さん何十人と会ったりしていく中で、話を聞けば聞くほどですね、これ日本のスタイルの塾は持ってこれないなと思ったんですよね。
安倉:それはなぜなんですか?
今野:まずは、ベトナムでは学校の先生が副業で塾をやっていて、子供達は昼間は学校に通って夕方はその学校の先生がやっている塾に行くか、家庭教師を受けるというスタイルが多いことがわかったんです。
安倉:なるほど。
今野:塾で教えている学校の先生は、当然自分でテストの問題を作るので・・・
安倉:そっちのほうが点取れますよね。
今野:そうなんです。また、他の先生がやっている塾に行くと、お前なんでそっち行くんだみたいな話になって、ちょっとその学校の成績とかにも少なからず影響を及ぼすと・・・。学校の自分の持っている担任の先生がやっている塾に行くっていうのがもう、定例化されてるんですよね。
安倉:昼間に先生の授業を受けて、夜もその先生の所に行くと。
今野:はい。それでその学校の先生がやってるので、塾という概念ではないんですね。なので、塾という言葉が全く通じないんです。こちらではホクテンと表現するみたいなんですけども、親御さんはそのホクテンという通訳語を聞いても、もう学校という認識しかないんですよ。
安倉:おもしろいですね。なんか課外学校みたいな。学校がやってるオプショナルサービスみたいな受け止め方なんですね。
今野:なので、結局全部学校の一環なんですよね。それで、これは日本の学習塾のスタイルをそのまま持ち込んでもだめだなとわかったわけです。わざわざ日本から来た塾が、学校の授業や受験勉強の補填をするようなことをやっても、ニーズが無いと。
安倉:そこでビジネスモデルの転換をはかったということですね。
我々がべトナムに貢献できることは何かを、とことん考えローカライズ。
今野:はい。方向転換を思いっきりしました。この状況をふまえ、我々がベトナムでどういったことで貢献できるかを考え直しました。その中で、ベトナムでの授業風景を見学させてもらったんですけども、子供たちがその学校の先生が黒板にばーっと書いてるのを、ひたすら写すんですよね。
安倉:板書をしてるわけですね。
今野:一方的にずーっと喋って、子供達は黙々とノートを写して、それで40分とか45分の授業が終わって、それを1日繰り返しています。理科の授業でもなんでもそう。子供たちはそれに対してどうこうは言いませんけども、これおもしろくないだろうなと思ったんですよね。
国の政策としては今後のベトナムの将来を考えても、IT人材だとか理系人材を増やしたいという方針があるのに、この教育環境の中で理系に興味を持つっていうのは、これはかなり無理があるだろうなと思ってですね。
安倉:そこに課題を感じ、貢献できるポイントがあるのではないかと考えられたわけですね。
今野:科目自体の勉強を教えるという面では学校の先生がやっているので、我々がべトナムに貢献できるのは、そのもっと前の段階で子供たちがそもそもそういう科目に興味を持てる、関心を持てる、そういった土壌作りをしていくことだと思ったんです。
そもそも日本でもそうなんですけど、成績があがる為のポイントって何かって言った時に、やっぱり子供たちがその科目に興味を持つとか、その科目の先生を好きになるとか、その土壌があって初めて自分で勉強するから成績って上がるのであって、一方的に暗記させたところでやっぱり時間が経つとすぐ忘れてしまって、テストの為だけの勉強になっちゃうんですよね。我々としてはそれは本意ではないので、じゃあそもそも子供たちが勉強に前向きになる姿勢作り、それを目指そうということで方向転換し、我々の学校ではその科目などに興味を持てる、そういう環境づくりをしていこうということを決定しました。
安倉:となると対象は若い、小学生くらいですか?
今野:メインターゲットは小学生ですね。それで色んなコンテンツを考え、例えばロボットを使った勉強だとか、理科の教科書に載っている実験を実際にやる実験教室とか。そういう興味関心付けをする為のコンテンツを取り揃えました。あと、日本語コースも用意しています。
安倉:日本語コースはニーズがあるものですか?
今野:当初は大人向けに用意するつもりだったんですが、メインは小学生を対象にやっているんだから小学生向けの日本語コースも作ってみたんです。さすがにニーズはないだろうなと思っていたんですが。
安倉:そう思いますよね。
今野:でも、実は一番日本語の子供コースが希望が多いんですよ。
安倉:いや、そうなんですか!小学生向けの日本語コースが一番人気なんですか?
今野:一番人気なんです。聞いてみるとですね、将来日本に留学させたいっていう親御さんがいらっしゃるのと、逆に子供向けの日本語教室が今までなかったっていうんですよね。
安倉:ないですよね。だってそんなにニーズがあるとは思えないですよね。
今野:そうなんですよね。それで通わせたくてもそういう学校がなかったんで、嬉しいですという声をいただいています。
安倉:すごい。潜在的なニーズを掘り起こすことに成功したんですね。
今野:そこは自分も意外だったんですよね。ベトナム人が日本に行く数ってどんどん増えてますから、そういった考えでいくと、ある意味ニッチなところだったのからメジャーになっていくのかなと感じました。
安倉:おもしろいですね。ちなみに日本では科目を教えることもされてるわけですよね?
今野:はい。その通りです。
安倉:ローカライズですね。
今野:そうですね。当初は完全に科目を教えようとしていたので。去年市場調査をして、これはだめだなと思って。会社としては塾としてやりたいというのもあったんですけども、まずは現状に合った、よりニーズと貢献ができる今のスタイルを導入したんです。
いかにも先生という姿勢ではだめなんです。
安倉:今まさに、これからの拡張に備え、人材を募集されていると思いますが、ベトナム人も含めて日本人も両方ともなんですけど、どのような職種とどういった人に来てほしいと考えていますか?
今野:一番はやっぱり先生職になりますが、求めるスペックとしては、弊社の場合は学校という括りになっているので、師範大学卒業または日本語学科、あとは物理とか化学とか数学系の学科学部を卒業されている四年制卒業の方が対象になります。
安倉:スペック以外のところでは、どのような要件を求めていますか?
今野:学校はやっぱり人の力なので、そこが最も重要ですよね。今回の求人の時も面接する中で、学校の先生から転職でこちらに来てくれる方もいるんですけども、学校の先生先生している人だと、弊社のスタイルにはちょっと合わないんです。どうしてもこちらの先生というと威厳のある絶対的な存在なので、子供達の中に入っていけないんですね。
安倉:もっと、サービス産業でもあることを意識してほしいということですね。なかなか合う方はいなかったですか?
今野:合わない方が多かったですね、最初の頃は。やっぱり教えてやるなんですよね。教えてやる、授業を聞け、みたいな感じで一方通行の授業をしてしまうので。ただ、結構柔軟性がある方もいて、そういう人は、面接の時に弊社を希望した理由を聞くと、日本の教育への関心が強く、学びたいからですとおっしゃってくれます。そのようなスタンスで入ってくる方はすごく合うんですよね。なのでそういう方々とのご縁があると、うちにとっては非常にありがたいです。
安倉:日本人の方も今回採用されてますよね?どういった募集で、どういった方を求めてらっしゃったんですか?
今野:今回は日本語の授業のアシスタントの募集ですね。弊社の日本語授業の場合ベトナム人が基本授業するんですけども、日本語コースは週2回あるんですけど、そのうち1回は日本人が授業をして、ネイティブの発音だとか、やっぱり日本人と普段喋るみたいな機会をなるべく多くしています。
これから、2校舎3校舎と展開しようとしてますので、今来ている日本人5人では日本人ネイティブが足りなくて、あと2人ほど欲しくてですね。
安倉:その5名の方は、今野社長以外は、皆さん先生職でやってらっしゃるんですか?
今野:5人のうち3人はですね、いちおう先生職兼管理職っていう形で来てるんですよね。
安倉:ベトナムでビジネスを推進する人ですよね。3人の方が先生を兼務されてる?
今野:そうですね。週に2コマから3コマ程度日本語の授業のアシスタントをしつつ、あとは一般事務だとか経理関係とかをやってもらっています。
安倉:今回の2名の方は現地採用だと思いますが、現地採用は初めてですかね?
今野:現地採用は初めてですね。
安倉:今後も現地でどんどん日本人は採用していきたいと思ってらっしゃいますか?
今野:はい。積極的に採用していこうと思っています。
安倉:広い意味で日本人をどんどん採用していきたいと。日本語をしっかり広めていくっていう部分、日本の文化の講師という側面も強いですもんね。そういった方を採用するにあたって、どういった人だったら合うなと思ってらっしゃいますか?
今野:会話のキャッチボールがまず成り立つかっていうのがすごく一番重要なんですよね。というのも我々は喋るのが仕事なところもあるので。
安倉:そうですよね、うまいですよね。お話されるのが。
今野:言葉のキャッチボールが掴んで返せないと、子供達と話をするとか保護者と話をするにしても、あっち向いた方向の会話をしてても全く成り立たないので、やっぱり一番重要なのは会話のキャッチボールがまず成り立つっていうのを一番最初に見ます。
安倉:なるほど。他にはありますか?
今野:やはり教育だとか何かに貢献したいっていうベースを持ってる方ですね。
もちろん生活の為に仕事をするのはこれは当たり前であって、それは全く否定されるものじゃないので、それはもう大前提のベースにあるっていうのは当たり前なんですけども、それを超えたものとして是非その仕事を通して何かに貢献したいという想いを持っていてほしい。
例えばベトナムの国の何かに貢献したいんですとか、ベトナムの子供達に何かを伝えていきたいとか、他者に対する貢献をしたいという言葉が出てくると自分にとっては大きいですね。
これは、日本で教える時もそうなんですけども、勉強って何の為にするんだってなると、人によってはもちろん自分の為、自分の将来の為となる。しかし、我々の教育の考え方というのは、自分の為の勉強だったら自分がやらないと思ったらそれでおしまいになってしまうということで、それじゃあ勉強の意味っていうのは自分がやりたくないからやらないと思ってしまうと。
そうじゃなくて勉強する意味っていうのは、実は他の人の為にやってるんだと。小さいうちはお父さんお母さんの為でいい。だんだん大きくなっていくと今度は周りの友達の為、自分の知ってる人の為、社会の為って拡げていくことで、だから勉強を続けていこうと。
それが我々のベースにあるので、その応募された方の言葉の中に何か他の人に貢献したいとか、他者の為に何か力を付けていきたいとか、そういった考え方がどこかに見え隠れされる方は、教育の経験があまり無くても、ぜひうちという会社を選んで頂いたらですね、一緒に働いていきたいなと考えていますし、必ず合うと思います。
ベトナムだからではない。熱意は必ず伝わる。
安倉:教育というのはビジネスなんだけども、ビジネスの観点だけじゃない要素がやっぱり大事ですよね。角度を変えて、実際に海外で、ベトナム人の職員と一緒に、ベトナム人の生徒に対して教えるという中で、特に日本で求める要素と海外だから特別に求める要素って何か違いはあります?それともあまり無いですか?
今野:実際のところ、今ここまでベトナムの職員と付き合ってきてですね、何か違いがあるかっていうと、最初はなんだかんだ違いを感じていたんでしょうけど、今となっては何も無い感じですね。だから言葉は、自分がベトナム語できるわけじゃないので、ベトナム職員も日本語ができるわけじゃないので、片言の英語でやり取りしながらではありますけど、伝わっちゃいますよね。
こちらがミーティングとか全体の中で話したり、ビジュアルを中心にしたパワポを作って、全体の職員に伝えたい事を伝えていくんですけども、何をこの人が喋ってるか全部がわからなくても、ジェスチャーだとかその喋り方とかで、その熱意は伝わるものです。それが伝わると職員もやっぱりそれに感化されてくるっていうんでしょうかね。なので今はあんまり違いは無いですね。
安倉:ですよね。一緒ですよね。
具体的にこれから日本から来る方に関しても、特に海外、ベトナムに来るからということで特別に見ている要素っていうのはあんまり無いですかね?
今野:無いですね。
安倉:ちなみに今野さんご自身も海外で事業されるのって初めてなんですか?
今野:そうですね。もう本当に今回が初めてで。
安倉:どこかに留学されてたとか?
今野:それも無いですね。
安倉:今実際にやってみていかがですか?何も日本とそんなに変わらないと思いますか?
今野:そうですね。変わらないなと思いますね。最初は情報が無いとか色々な事を考えましたけど、インターネットが発達して、これだけ日本人があちこちの国にいる状況なので、後はもうやるかやらないかだけだと思うんです。
安倉:海外だから、ベトナムだからといって特別じゃないんじゃないかと思ってらっしゃるってことですね。
とはいえ、海外での事業には色々リスクがあるのは僕らもすごく感じてはいるんですけど。常に何が起きるかわからないと。そのリスクも感じていらっしゃいますか?
今野:それは感じています。なので、なるべくアメーバ式に、色んな可能性を探りながら、ベトナムを起点にして東南アジア各国にも出る準備をしています。
安倉:そうなんですね。やっぱりそうですよね。じゃあ次はタイとかですかね?
今野:タイとか、あとカンボジア。タイは順当なんでしょうけど、ちょっとプノンペンとかに行ってみようかなとも計画しており、いくつか調査を開始しているところです。
安倉:まだカンボジアでは大きなマーケットは見込めないように感じますけど、どのような狙いで。
今野:大きい展開ではなくてですね。調査的に、一店舗二店舗ずつ出していきたいと考えています。ベトナムは法的な面でのライセンス取得のハードルが高かったので、、だいたいどの国を調査しても、ベトナムよりは全然楽なのかなと。こんなに苦しい国があるのかっていうくらいベトナムは大変だったので。それを考えると他の国は結構スムーズにいきやすかったです。じゃあちょっとずつ、一店舗ずつでもまずやってみようかなと。
安倉:どれくらいの計画で考えていますか?
今野:そうですね。来年くらいから年に一校二校は行きたいなと思ってますね。
安倉:もう来年ぐらいから。
今野:そうですね。
安倉:では、来年はもう新しい国に。すごいですね!
僕はベトナムへ来てもうすぐ9年経つんですけど、すごく思っている事があります。それは、場所や国が変わっても、人の本質的な所は何人であろうが変わらない、その感覚をしっかり持つっていうのは大事な事だなと。すごく同意したのは、僕も一緒だと思っているんです。やっぱりほとんど変わらないです、事業で大事なことって。
ただ戦略というか戦術がちょっと違うだけで、やってることはほとんど一緒だなと思いますね。最初は違うなと思ったけどやってくうちにもう肌感で勝手に切り替えていくんで、改めて聞かれると何が違うかわかんなくなってくるみたいな、最近すごく思ってるので。
でも、一国一国やっぱり全然違う言語を、全然違うロジックでまわしてるってところに僕らは今チャレンジしてるわけじゃないですか。それは意外と大変なんじゃないかなと。東京展開して大阪行って札幌行ってとかっていうのと訳が違う、とは思ってます。やっぱり国も法律も違う、それこそまさに労務も違いますし、労働法も違いますし、人の採用に関わる大事なポイントも違うので、やっぱり難しいなと思ってますね。
今野:自分も本質の部分は一緒だとは思っていますが、それぞれの文化とか国にある良さを理解しながら、それをミックスしてバランス良く取り入れていくバイタリティとか、そういった感覚が無いと、海外で事業を展開していくのは難しいですよね。
安倉:ここすごく難しいポイントですよね。郷に入るんだけどローカルと同じことしても僕らがここでやっている意味が無い。僕らにしかできない価値を提供する為には、僕らの要素も残さなきゃいけないし、かといって僕らの価値を押し売りしてもだめということですね。
今野:そこを意識して事業を展開していきたいですね。
まずは飛び込んで、自分の目で見て、感じてほしい。
安倉:最後に、我々日本人がベトナムで働くというところを、お聞きしたいんですけども、働く中で実際今野さんご自身であったり社員さん5名の方を見てて、どういうことが成長できるなとか、日本だと得られなかった経験とか、ありますか?
今野:そうですね。一番言えるのはすごい抽象的な言葉で申し訳ないんですけども、やっぱり人間的に成長が実感できますよね。日本にいても当然自己成長したいと思って、例えば読書したりとか、色んな交友を広めたり、セミナーに出たりしましたけども、実際に海外に出て同じようなことをしても、成長の実感が大きいですね。
安倉:具体的にどういう事に実感されます?
今野:何か物事が起きた時の自分の考え方や物の見方が、確実に変わってきている。もっとこういう考え方もできるよねとか、この人だったらこういう風に考えるよねというように、多様化しました。
安倉:変わるきっかけが多いですよね。日本人とベトナム人であったり、場所も違うし、対象にするビジネスもマーケットも違うということで、考えなきゃいけない比較対象が多いので、多様性を持って考える癖がつくイメージですよね。
今野:そうですね。さらにやっぱりもう一つは成長実感っていう部分でいけば、もっと成長したいなってより強く思えるようになりました。日本でも成長したいなという成長意欲はあったんですけども、こっちに来るともっともっと成長したいなと思いますね。
安倉:いや本当それは同意ですね。よくベトナムにいて何が楽しいんですかって聞かれますが、いるだけで刺激を受ける。これだけ社会が伸びてく中にいさせてもらうだけで、それが自分の自己成長とリンクしやすい。
今野:人間ってもともとやっぱり成長欲っていうのがあると思ってますし、知識欲もあると思ってますし。
安倉:それを掻き立てられるんですね。
最後に、これからベトナムや海外で働いてみようかなと思っている人たちに伝えたいことをお聞かせください。
今野:今ベトナムを中心として東南アジアがフォーカスされてきて、興味がある方って絶対多くなってきてると思うんですよね。もし迷っているのであれば、私としてはチャレンジとして本当に短期間でもいいからまず一回来てみるといいと思うんですよね。
安倉:実際に来て、見てみるって大事ですよね。
今野:日本にいてインターネットとかで色々情報見ても、書かれてる情報って本当に色んな情報があって、勇気付けられる記事を読めばもちろんテンション上がりますけど、どっか不安もあるので、不安要素の記事を見ちゃうとその行動がストップしてしまう。
日本人がベトナムにもたくさんいらっしゃるわけですから、実際に一回旅行でも何でもいいので飛び込んでみて、こっちの現地に住んでる日本人の方と、色々コミュニケーションを取って話してみるといいと思うんですよね。そこで生の声として、ベトナムで働く良さや成長を実感できる部分だとか、もちろんマイナス要素もあると思うので、そういったところをしっかり生の情報として聞いた上で、そこから考えても遅くはないなと思います。
安倉:百聞は一見にしかずって本当に大事な言葉ですよね。
今野:そして来て頂くとたぶんわかると思いますけど、本当に100人いたらもう本当に90人以上はたぶんすごいやってみようと思えると思うんですよね。それぐらいのすごく元気の良い国だと思います。
安倉:こんなに成長できる環境があるのにもったいないと思いますよね。
今野:いや本当にそうですね。やっぱりこちらでは1人の日本人が貴重な戦力ですからね。
安倉:貴重ですよね。特に我々日系企業としてはやっぱり日本人も必要じゃないですか。日本語教育であったり日本企業を相手にしたりという場面もあるので。これがやっぱりこれから社会がグローバル化していく一つの現象ですよね。求めてますからね。
今野:そうですね。なので絶対人生変わると思うので、積極的に挑戦してほしいですね。
安倉:成長実感得られるし、共に生きられるし、色んな事に気づかされるし、学べるしという。
どんどんベトナムに挑戦する人が増えてくるといいですね。素晴らしいお話をありがとうございました。
<取材協力先企業>
RENSEI VIETNAM CO., LTD.
Address: 49 Mac Dinh Chi, Dist. 1, HCMC
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■Interviewer
ICONIC Co., Ltd.
代表:安倉 宏明
■writing
ICONIC Co., Ltd.
桝田 亮