【ミャンマー法務ブログ】第21回:商標法に基づく優先出願開始

第1.はじめに

商業省は2020年8月28日付けで商標法に基づく登録申請に関する命令(以下「本命令」という。)を発布した。商標法は2019年1月に公布されていたものの、施行時期は未定であった。本命令は、先使用主義から先願主義へ移行する旨及び2020年10月1日より商標法に基づく優先出願を開始する旨規定している。

ミャンマーはマドリッド協定にも加盟していないため、ミャンマーで出願しなければ商標を保護することはできない。先に第三者に自社の商標を取得されてしまった場合、奪回は困難である。施行直後は出願が世界から殺到することが予想されるため、優先出願中に対応可能な企業は優先出願期間中に出願することが望ましい。なお、商標法に基づく出願は全てオンラインで行われることとなっており、オンラインシステムのID及びパスワードがミャンマーに所在する法律事務所のみに付与されることとなっている。そのため、ミャンマー以外の国の法律事務所に依頼しても結局はミャンマーの法律事務所に業務を委託することとなるため、是非当事務所に依頼をご検討下さい。以下、本命令の内容を紹介する。

 

第2.本命令の内容

1.商標法第 93 条(a)項に規定される商標所有者とは、商標法施行前に契約書等登記所において登記された商標所有者と、登記されていないが、連邦内市場において実際に使用されている商標所有者をいう。

2.上記第 1 条に記載される商標所有者は、商標法第 93 条(b)項規定の使用による優先権を取得希望の場合は、2020 年 10 月 1 日から商標登録申請の受付を正式に開始する日までの期間に登録官に対して申請をしなければならない。その期間内に申請し、規定の料金を納入して、申請に関して必要とする基本要件が満たされた者は、商標登録申請の受付を正式に開始する日付を登録出願日として認められることになる。

3. (a)第一の方法として商標所有者は、商標登録申請の代理業務サービスを提供している 企業、会社及び法律事務所を通じて消費者局より定められた電子的手段で申請することができる。
(b)第二の方法として商標所有者は、自分で、または第一の方法記載の代理業務認可所持 者を通して消費者局より定められた電子的手段で申請することができる。
(c)上記(b)項の手段で申請した商標所有者は、(a)項の手段で申請した商標所有者と同じく商標法第 93 条(b)項規定の使用による優先権が享受でき、(a)項と(b)項両方とも同じ登録出願日が認められる。

4.申請の際は、今度商標権出願する標章と、過去に契約書等登記所において登記した商標、
または、市場で実際に使用している商標とは、同一でなければならないうえ、当該商標を使用する商品または役務も同一でなければならない。商品または役務をより増やして表示した場合でも、その増やした分のものは、検討対象外となる。

5.商品または役務を表示する場合は、標章登録のため商品及び役務の国際分類に基づいて、詳細に表示しなければならない。

6.商標登録出願手続きを含むその料金の金額及び納入方法に関しては、商標法を施行する命令が出される前に別途告示する。

7.過去に契約書等登記所で登記済みであること、または登記していないが、当該商標を連邦内市場で使用していたこともしくは現在に至るまで当該商標を自分一人だけが使用していることの事実として、下記のいずれかの資料などを立証書類として提出することができる。
(a)過去に契約書等登記所で登記された標章
(b)契約書等登記所で登記された登記証書(正式複写)
(c)新聞広告または一般に告示したことの証明
(d)連邦内の市場において実際に使用したことの証明
(e)自分の商標を広告したことの証明
(f)納税の領収書または経費に関する領収書
(g)申請人が、過去に契約書等登記所で登記した商標所有者でない場合は、商標所有者から譲渡したまたは所有者名義を変更したことの証明
(h)その他の証明

8.ミャンマーの商標法に基づく商標権を取得希望であるが、商標法第 93 条(a)項規定に該当しない標章所有者は、商標法施行後、商標登録出願が正式に開始した日から、規定された商標法、規則などに基づき出願することができる。

 
 
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