第1.はじめに
2020年6月2日、保健・スポーツ省よりCOVID-19予防のためのオフィス及び事業所での遵守事項(以下「本通知」という。)が発布された。各オフィス及び事業所において遵守する必要があり、以下、本通知の内容を紹介する。
第2.本通知の内容
・ COVID-19は主に、呼吸飛沫または汚染された表面に触れることで感染し、職場でのCOVID-19の感染リスクは、従業員間の距離を6フィート保つ、COVID-19を有する者と密接に接触する又はウイルスに汚染された物/表面に触れるかどうかによって決まる。
・ COVID-19に感染する可能性がある職場でのエクスポージャーリスクの調査によると、オフィス及び事業所でのCOVID-19の感染率は、従業員が互いに又は公に直接接触する、頻繁に又は密接に顧客と接触する可能性がある場合でも、陽性又は疑われる患者との接触を必要としないため、中程度のエクスポージャーリスクとして分類される。
・ 警察及び警備員、食品小売業、ゲストハウス事業、観光業、デリバリーサービス、給水、衛生及び最前線の労働者等、中程度のエクスポージャーリスクを伴う業種を含む必須公共サービスは、健康及び安全のため職業上の危険に曝されるリスクが高まる。
遵守事項:オフィス及び事業所で勤務する従業員を含む顧客が遵守すべき保護措置
1.手指の衛生
・水及び石鹸で20秒間手を洗う又は最低60%のアルコールを含む手指消毒液で手を洗う。
– 仕事開始前、食事前、業務シフト中(特に同僚又は顧客と接触した後)、御手洗に行った後、分泌物、排泄物、体液との接触後、汚染されている可能性がある物を触った後(手袋、洋服、マスク、使用済ティッシュ、ごみ)、目、鼻、口を触る前に、頻繁に行うこと。
・ 手洗い及び手洗いディスペンサー等の手指を衛生的にする場所を、職場の全ての出入口、職場周辺の目立つ場所に設置し、全従業員、顧客が使用できるようにすること。
2.呼吸器衛生
・ 全ての人により、職場での呼吸エチケットを促進すること。
・ 医療用フェイスマスク、ティッシュ及び蓋つきのごみ箱を、衛生的な処分のため仕事で鼻水や咳をする人が職場で利用できるよう確保すること。
・ 保健・スポーツ省のガイドラインに従い、必要に応じてマスク又はフェイスシールドを着用する習慣を身につけること。
・ 従業員や労働者が仕事中に気分が悪くなった場合、サージカルマスクを提供し、近隣の保健所に連絡し、公開されているガイドラインを遵守するよう指示すること。
・ マスクは適切に使用しなければリスクを伴う可能性があるため、安全且つ適切な使用、手入れ及び破棄を確実にすることが非常に重要である。
3.身体的距離
・ 従業員間の距離を6フィート保ち、従業員が向かい合わせよりも横並びで仕事できるようするような対策を導入すること。計画・財務・工業省が製造したプラスチックの障壁を購入し設置すること。
・ 建物内の人々の密度を減らす目的で、従業員又は顧客が集合しやすい又は待ち行列が発生しやすい出入口、エレベーター、階段等の一般的なスペースで最低6フィートの身体的スペースを空け、出入り口等の一般的なスペースでの混雑を避けるため勤務時間をずらすこと。
・ 従業員の集合を避けるために、十分な食事スペースを手配すること。
・ 直接のミーティングの必要性を最低限に抑え、必須な場合、直接のミーティングに出席する人数を最小限に抑え、互いに6フィート離れた距離に座ること。
・ 懇親会を含む、出席者間の密接且つ長期の接触を含む職場のイベントを中止又は延期すること。
・ 身体的距離に関するガイドラインに従い従業員のためのフェリーを手配し、全従業員のマスクの着用を確実にすること。一人がけのシートを手配すること。
4.出張に関連する業務の減少及び管理
・ COVID-19の感染があるコミュニティーエリアへの必須ではない出張を中止又は延期すること。出張に行かなければならない従業員に手指消毒剤を提供し、出張する場所の現地当局からのガイドライン(出張中に具合が悪くなった場合の連絡先の情報を含む)全てに遵守するよう、労働者にアドバイスすること。
・ COVID-19の感染が発生している地域から戻って来た従業員は、医療専門家に連絡を取り、現地当局のガイドラインを遵守すること。
5.定期的な環境清掃及び消毒
・ 頻繁に触れる表面(ドア及び窓のハンドル、電気スイッチ、御手洗及びタップ、コンピューターキーボード及び職場の机の表面)を優先的に、床は一日に一回消毒すること。消毒の際、0.1%の次亜塩素酸ナトリウム溶液又は0.1%の次亜塩素酸カルシウム溶液又は70%のエチルアルコールベースの消毒剤を使用し、保健・スポーツ省のウェブサイト(www.mohs.gov.mm)又はフェイスブックページ(www.facebook.com/MinistryOfHealthAndSportsMyanmar)に公開されている指示に従い消毒手続きを実施すること。
・ 従業員は御手洗の使用を待たず、御手洗に十分なゴミ箱を提供し、医療廃棄物を安全に処分し、廃水及び排泄物汚水を安全に管理することを確実にすること。
・室内及び室外では、直接スプレーされた場所の外側の汚染物質の除去には効果がなく、目、呼吸器、皮膚への刺激やその他の毒性を引き起こす可能性があるため職場でのスプレー又は噴霧での環境の表面への消毒剤の日々の塗布は、通常推奨されない。
6.リスクコミュニケーション、訓練及び教育
・ 従業員間でCOVID-19の認知を高めるため、ポスター、ビデオ及び電子メッセージ版を提供すること。行う際は、虚偽のニュースを避けるため、保健・スポーツ省、世界保健機関(WHO)が発表した公式の情報源のみを使用すること。
7.COVID-19を有する人々の管理
・ 従業員が以下のいずれかの事実に適合する場合、仕事に来てはならず、家に留まり治療を受けること。
– 発熱(体温が38℃又は100.4゜F及びそれ以上)、咳、呼吸困難及び疲労等の症状が疑われる場合
– 14日以内にCOVID-19の陽性者と接触があった場合
– COVID-19が疑われる患者と同じ家に住んでいる場合
・ 従業員が職場で具合が悪くなり、COVID-19が疑われる場合、当該従業員は隔離部屋に移され、近隣のクリニック/病院に連絡を取ること。保健・スポーツ省はさらなる治療に協力することができる。
・ 従業員の出席及びミーティングの記録は、同期間中には行われず、他の適切な方法で記録を実施すること。
上記記載以外の対策
(i) 全従業員及び顧客の検温は、職場に入る前に非接触体温計を使用して実施すること。体温を測定する従業員には、マスク及び手袋を提供すること。
(ii) 全ての職場で、十分に換気されていること。
(iii) 監督者が割当てられ、毎日入口で従業員の出勤に関する責任を負うこと(書類への署名、指紋スキャナーへの記録を避けること)
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日本国弁護士:堤雄史
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