フィリピン料理というと、日本人にとってはあまり馴染みがないかもしれません。
でも実は、香ばしくて、食欲をそそる料理がたくさんあるんですよ!
フィリピンは熱帯性気候で平均気温は26℃~27℃、最も暑い4月・5月は毎日30度を超える暑さ。わたしは暑さで「食欲がわかないな~」と感じたら、スタミナのつくフィリピン料理を無性に食べたくなるんです。
また、フィリピン料理は日本人にとってユニークなお料理がたくさんあります。
今回は、フィリピン各地の名物料理とその特徴をフィリピン北部、中部、南部に分けてご紹介したいと思います!
フィリピン北部/ルソン島の名物料理(Northern Philippines-Luzon island)
イロコス地方(Ilocos Region)の料理
フィリピンのイロコス地方では、バゴオン(Bagoon)という調味料が塩の代わりに使われることが特徴です。
バコオンとは、魚を塩漬けにして発酵させた後にペースト状にした調味料です。強い臭みがありますが、加熱すると香ばしい香りが出てきます。そのため、炒め物などに使えば食欲をそそるお料理になるのです。
イロコス地方の名物料理のひとつが、ピナクベット(Pinakbet)!ニンジン、カボチャ、オクラ、ナス、ゴーヤなどのお野菜と豚肉を、バゴオンで味つけしたお料理です。
▼ピナクベット(Pinakbet)
Yvette Tan-Pinakbet, Pamana.
参照:https://flic.kr/p/nryp1p
パンパンガ州(Pampanga)の料理
フィリピン パンパンガ州のお料理は、砂糖で甘く味付けされていることが特徴です。
ロンガニーサ(Longanisa)というソーセージや、トシーノ(Tocino)と呼ばれるベーコンは、パンパンガ特有の甘い味付けになっています。
また、パンパンガで特にオススメなのが、名物スイーツの数々!
フィリピンの水牛、カラバオ(Carabao)のミルクががよく使われているんです。
・ティボック・ティボック(Tibok-tibok):カラバオのミルクから作るプリン
・エンサイマダ(Ensaymada):バター、グラニュー糖、チーズの細切りをトッピングした甘いパン
・レチェ・フラン(Leche Flan):カラバオ のミルクから作る濃厚なプリン
などがあります。
ブラカン州(Bulacan)の料理
フィリピン ブラカン州は、広大な農耕地と大きな川の恩恵を受けた名物料理がたくさん!
昔ながらの調理方法で、ゆっくりと時間をかけて作られることが特徴です。お魚をシトラスやパームワインで茹でた後に直火で焼き上げたり、貝をグアバとショウガのスープと一緒に炒めたりして調理することが多いのだそう。
魚貝類だけではなく、お肉もよく食べられています。鶏肉に詰め物をした煮料理のガランティーヌ(Galantine)、ローストしたお肉アサード(Asado)、豚の足を調理したエストファード(Estofado)などがあります。
フィリピンのビーフシチュー、カレカレ(Kare-kare)は、ピーナッツバターがたっぷり入っていて、他の地域より濃厚で甘い味付けです。
ビコル地方(Bicol Region)の料理
フィリピン ビコル地方のお料理は、ココナッツミルクとチリがたっぷりと使われます。
たとえば、ライン(Laing)。ラインとは、細かく刻んだタロイモの葉、豚肉、たっぷりのチリ、ニンニク、ショウガ、タマネギをココナッツミルクで煮込んだお料理のこと。ご飯との相性が抜群で、ついおかわりしてしまう美味しさ!
フィリピン中部/ヴィサヤ諸島の名物料理(Central Philippines-Visayas)
バコロド(Bacolod)の料理
フィリピン バコロドは、ネグロス島北部ネグロス・オクシデンタル州(Negros Occidential)の島内最大の都市であり、グルメの街でもあります!
バコロドといえば、バーベキュー料理、チキン・イナサル(Chicken Inasal)がとても有名です。鶏肉に油を吹きかけ、直火で焼き上げた豪快なお料理であるチキン・イナサルは、他地域では醤油味が多いのですが、バコロドスタイルはブラウンシュガー、ココナッツビネガー、カラマンシージュース、レモングラスなどで味付けされ、独特の味と香りになるんです!
▼チキンイナサル(Chicken Inasal)
参照:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Chicken_Inasal.JPG
イロイロ(Iloilo)の料理
フィリピン イロイロのお料理の特徴は、中華料理の影響を強く受けているところにあります。
代表的なのはパンシットモロ(Pancit Molo)。濃厚なスープの中に、お肉やエビを詰めたダンプリング(餃子)が入ったスープで、ワンタンスープからできたお料理です。また、ルンピアン・ウボッド(Lumpiang ubod)は、エビ、タケノコ、タマネギ、ニンジンから作ったフィリングを、春巻きの皮で包んだお料理。見た目は春巻きによく似ています。
▼パンシットモロ(Pancit Molo)
pulaw-Pancit Molo
参照:https://flic.kr/p/bkMTyk
セブ(Cebu)の料理
フィリピン セブの名物料理は、以前も本ブログでご紹介したことのある豚の丸焼き、レチョン(Lechon)!
セブスタイルのレチョンはフィリピンNo.1と言われていて、数種類のスパイスで味付けしたお肉はとってもジューシー! カリカリの豚の皮もやみつきになります。
また、セブで有名なスイーツと言えば、ドライマンゴー(Dried Mango)。お土産として日本人からもよく知られていて、フィリピン全土のスーパーマーケットやお土産ショップで購入することができます。
フィリピン南部/ミンダナオ諸島の名物料理(Southern Philippines-Mindanao)
ミンダナオ島(Mindanao)の料理
フィリピン南部といえば、ミンダナオ島のことをしばしば指します。
ミンダナオで食べられるお料理はよく「エキゾチックな味」と表現され、異国風の料理が多いです。その理由は、マレー料理の影響を強く受けているから。
ターメリック、ショウガ、ニンニク、チリ、レモングラス、ローストされたココナッツなどが多く使われます。またムスリムが多いため豚肉料理が少ないのも特徴のひとつです。
ミンダナオでオススメの名物料理はといえば、サテ(Satay)。
サテはもともとジャワ島から伝わったお料理です。一口サイズのお肉を串に刺して焼き、特性のソースに付けて食べます。鶏肉、羊肉、牛肉、豚肉、魚、豆腐などいろいろな食材が使われます。
サテに使われるソースにもいろいろな味があるようで、最もポピュラーなのが醤油とピーナッツソースのコンビネーション。サテは日本の焼鳥を連想させるお料理です!
▼サテ(Satay)
stu_spivack-chicken satay
参照:https://flic.kr/p/jByFA
ルンダン(Rendang)は、牛肉をココナッツミルクと数種類の香辛料(チリ、レモングラス、ニンニク、ショウガなど)で長時間煮た、スパイシーなカレーです。
インドネシアのスマトラ島(Sumatra)の郷土料理でもあります。お祭りや結婚式など、特別な行事で振る舞われます。シンガポール、インドネシア、マレーシアでも一般的に食べられているお料理です。
▼ルンダン(Rendang)
Maythee Anegboonlap-Beef Rendang
参照:https://flic.kr/p/9bHY5x
他にも、ティユラ・イトム(Tiyula Itum)もありますよ。
見た目が真っ黒(あるいは深緑)のスープで、ムスリムの結婚式や特別な行事に食べれらます。色が真っ黒になる理由は、熟したココナッツの実を焦げるまで焼き、黒色にしているから。
牛肉もしくは鶏肉の塊と、黒く焦がしたココナッツフレーク、ショウガ、チリ、ターメリックなどの材料を一緒に煮込みます。見た目がかなり真っ黒なので食べるをためらう人もいますが、これが意外とおいしいんです!
フィリピンの名物料理、いかがでしたか?
フィリピン各地には、まだまだユニークなお料理がたくさん! 少ししかお伝えできないのがとても残念です!
フィリピンへ旅行をする際には、ぜひ今回ご紹介したお料理を食べてみてくださいね。