英文履歴書の書き方(3) 英文履歴書(英文レジュメ)の構成要素

前回に引き続き、英文履歴書(英文レジュメ)の書き方についてお伝えします。

日本の履歴書とは違い、自分で好きなように作成してよいといっても、英文履歴書(英文レジュメ)にも下記のように、含まれるべき要素というものがあります。

 

英文履歴書(英文レジュメ)の構成要素 ①氏名、住所、電話番号、メールアドレス

メールアドレスは勤務先のものを使うのはやめましょう。応募先への印象がよくないだけでなく、勤務先に転職活動がバレる可能性があります。

 

英文履歴書(英文レジュメ)の構成要素 ②プロフィール/技能/業績要約(Profile/Qualifications/Summary)

前回の英文履歴書(英文レジュメ)(Sales Professional)の例で見たように、今ではObjectiveの代わりに、自分の技能や業績のハイライトをまとめた要約で始めるスタイルが主流です。
この部分はProfile、Qualifications、Summaryなどと呼ばれ、ここを読めば応募者のプロフィールが一目でわかるようにするものです。売り込みたい業績、資格、スキルなどを書きます。自分には応募職に「就く資格がある」「やりこなす能力がある」ことを訴える、大切な自己PRの場です。この部分次第で、英文履歴書(英文レジュメ)のその先を読んでもらえるかどうかが決まる非常に大事な部分なのです。

Objectiveは古い
日本で紹介されている英文履歴書の例には、未だにObjective(希望職種)が入ったものが多いですが、これはふた昔前の形式であり、今ではほとんど使われません。Objectiveが使われなくなったのは、下記の例のように、採用企業のニーズではなく、応募者自身のニーズに焦点を当てるものが多かったことが一因です。

× Seeks a challenging position that will utilize my education and skills and give opportunities for advancement and personal growth.
(私の学歴やスキルが生かせ、昇進や成長の機会を与えてくれるやりがいのある職を求める)

× To secure a position within a stable, growing company where my skills and experience will be used to their full potential, while always having the opportunity to allow them to grow.
(私の技能や経験が可能な限り生かされ、常に成長するチャンスのある安定した成長企業での職を得ること)

まず上記のように漠然とした内容では、その人がどういった仕事がしたいのかがまったく伝わらないので記載する意味がありません。さらにchallenging jobやpersonal growth、opportunitiesを応募者に与える義務は、採用側にはありません。採用側が聞きたいのは、「あなたがその会社のために何ができるのか」ということです。

 

英文履歴書(英文レジュメ)の構成要素 ③職歴(Experience/Employment)

新卒でない限り、学歴よりも職歴が重視されるので、先に職歴を書きます。これまで就いてきた職をすべて書く必要はありません。新しいものや応募職に関係のあるものは詳しく書き、古いものや関係のないものは省くか、簡潔に書きます。

職務内容ではなく業績を
英文履歴書(英文レジュメ)作成を希望される方々の大半は、英語でも日本語でも、職歴の部分に職務しか書いていません。職務というのはその職に備わっているものであり(つまりJob Description)、誰が就いても変わりません。一方、業績はその人特有のものです。採用者が知りたいのは、あなたがその職で何を成し遂げたか、どういう結果を出したかということ。他の応募者との差別化をはかり、抜きん出るには、職歴の部分に記載する職務は必要最低限に抑え、具体的な業績を中心に書くことです。

 

英文履歴書(英文レジュメ)の構成要素 ④学歴(Education)

学歴も、職歴と同様、新しいものから書きます。高卒の場合は高校から、大卒の場合は大学のみ記します。小学校や中学校から書く必要はありません。専門学校の場合は、専門学校と高校の両方を記してもいいでしょう

 

ロングセラー著書多数

ロングセラー著書多数

有元美津世(外部ライター)

日本で大学卒業後、日米企業勤務を経て渡米。MBA取得後、独立。アメリカで16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。その後、投資家に転身。在米30年後、東南アジアやヨーロッパをノマド生活中。訪問国は60ヵ国にわたり、英語のほかにスペイン語も操るが、中国語、韓国語、ベトナム語には苦戦。 著書に、ロングセラーの『英文履歴書の書き方』『面接の英語』のほか、『英語は7つの動詞でこんなに話せる』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(以上ジャパンタイムズ)、『ロジカルイングリッシュ』(ダイヤモンド社)など30冊。韓国語や中国語にも翻訳され、韓国、中国、台湾で出版されている。

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