【ミャンマー法務ブログ】第17回:労働・入国管理・人口省からの検査及び補償に関する通知

第1.はじめに

4月19日に、突如4月20日より工場などが業務を再開するためには、労働・入国管理・人口省及び保健・スポーツ省による各工場、ワークショップ及び商業施設に対する職場検査を4月30日(その後、5月15日まで延長された)までに受け入れ、保健・スポーツ省が発表しているインストラクション及び指示を遵守している場合のみ再開が許可される旨の通知(以下「本通知」という)が出された。
その後、本通知に関連する2つの通知が出されたため、以下に紹介する。

 

第2.補足通知

5月3日に本通知の補足通知が労働・入国管理・人口省より発布された(以下「補足通知」という)。補足通知の内容は以下のとおりである。

1.COVID-19予防期間中,2020年4月19日付労働・入国管理・人口省の通知に記載されている工場,作業所及び部門のうち、以下に記載された業務を、必要不可欠な業務、多くの国民に関係するサービス及び多くの国民にとって必要な業務として指定する。

(1)必要不可欠な業務
(ア)国営工場・作業所・事業
(イ)給配水業務
(ウ)電力及び燃料エネルギーの製造・運搬・配送業務
(エ)消防業務
(オ)民間病院・クリニック・保健サービス
(カ)通信・情報及び技術に関する業務

(2)多くの国民に関係するサービス
(ア)運送、倉庫及び卸売センター
(イ)港湾業務,貨物運送及び貨物積み下ろし業務
(ウ)輸出入業務及び貿易業務
(エ)地域行政サービス関連業務
(オ)銀行及び金融サービス
(カ)保険会社及び物品の生産活動を行わない業務
(キ)人材紹介業務
(ク)情報関連業務
(ケ)入域料,道路及び橋梁の通行料の徴収業務
(コ)ホテル、モーテル及びゲストハウス業務

(3)多くの国民のために必要な業務
(ア)印刷・出版業務
(イ)鉱物・天然資源業務
(ウ)化学関連業務
(エ)建設業務
(オ)魚・エビの養殖・捕獲及び冷蔵保存倉庫業務

2 上記に含まれる業務は事業を継続し、保健・スポーツ省のCOVID-19予防について、工場、作業所が遵守すべき事項に沿って、準備を行わなければならない。準備が終わり次第、それを証明するものを労働・入国管理・人口省及び保健・スポーツ省へ提出し、関係機関の調査を受けられるようにしておく必要がある。

 

第3.補償通知

4月28日に本通知により事業をできなかった会社の従業員に対する補償に関する通知が労働・入国管理・人口省より発布された(以下「補償通知」という)。補償通知の内容は以下のとおりである。

1.本通知に基づき一部の工場、作業所、部門は2020年4月20日から稼働を予定していたが、検査を受けるため一時的に閉鎖し、当該工場、作業所、部門の社会保障に加入している労働者は2020年4月20日から工場が再稼働するまで勤務することがなく、一時的に停止した。

2.当該勤務を一時停止し、社会保険に加入している労働者のため、勤務停止日数を換算し、2012年社会保障法13条(B 項)2及び同法100条に基づき2020年1月に支払った社会保障料で算出された給与の40%を給付することを認める。

3.上記2.に該当する工場、作業所、部門の事業者は社会保障に加入している労働者のため、社会保険の給付を得るため関連する地区の社会保険局へ補償通知が発布された日から申請を行うことになる。

 

第4.留意事項

上記の補償通知について労働事務所に確認したところ、担当官によれば本通知又は補足通知に基づき期間内に検査を経て合格した会社の従業員のみが対象になるとのことであり、期間内に検査を受けない場合には補償を受けられないとの回答を得た。また、事業を完全に停止した期間があることも必要である。在宅勤務の形であっても業務を継続している場合には補償を受けることができない。更に、社会保障料を算出する際の給料は30万チャットが上限であることから、40%の補償の前提となる給料も上限は30万チャットとなる。したがって、実際に補償対象となる企業は限定的であり、かつ、金額も実際の給与額の40%とは限らない点に留意が必要である。

 
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