タイ人と働く~タイに住んで、食べて、そして働いて~【渡航申請】

今回は通常のビジネスコラムを一旦一休みして、Withコロナで旬な話題にもなっていて各国間の移動につきものの、タイに入国するための実際の手続きやその後の隔離ホテル生活などについて、ちょうど先日私自身が経験したことを踏まえてご案内をいたします。

まずこれからの話は日本からタイに入国する際のものです。その点踏まえたうえでよろしくお願いします。更にこちらのコラム記載時点(2020年10月16日)で、既に結構な数の日本人がタイに入るような状況になっているため、各種情報も身近なものとして耳にされているかもしれません。今回はあくまでも私がタイに渡航した2020年9月25日時点のものにはなります。今後状況はまた変わるかもしれませんので最新の情報は常に在京タイ大使館のHP等で取得及び確認する必要はありますのでその点もご注意ください。

さて、前置きが長くなりましたが、皆さんが一番気になるのはやはり手続きや手順のことになることかと思います。こちらをざっとご案内していきましょう。

書類申請時の流れ

以下が簡単な書類申請時の流れです。
1. 在京タイ大使館のHPよりタイ入国予定月のフライト情報にアクセス
2. 予約可能になっているフライトから希望便を予約(HP画面よりクリックすると各航空会社の特別便予約サイトにつながるようになっています)
3. 上記フライトの予約が確定したら(通常は1~3営業日くらい)、ASQホテルの予約を入れる。ホテル予約については各ホテル直接になり、予約確認書が必要なことを考慮すると最初からe-Mailでの問い合わせ対応が良い。
4. 上記ホテル予約と同時くらいにCovit19対応記載の保険証書(付保証明書でOK)が出る保険に加入。開始日はできれば搭乗日から、1年超(1年1日というのが通常保険商品である)。
5. 上記、フライト確定した予約確認書、ASQホテル予約確認書、付保証明書が揃ったら、大使館のHPより指定された申請書類に必要事項を記載して、その他必要書類(各人の属性などにより違うが、一般的にはNonB-VISAやWP所持者)とともに大使館指定のメールアドレスに送付して申請完了。
6. 搭乗日の4営業日前くらいまでに入国許可証(COE)がメールで送付される。
※上記が一連のCOEの申請となり、搭乗時までに必要な書類としては搭乗日時の72時間以内のPCR検査での陰性証明書とFitToFly証明書(搭乗にあたっての健康状態証明書)が更に必要です。

大使館のHPに出ているものが最新の情報となりますが、私が経験したときと変わった点は5に記載の属人により変わるタイ入国要件の範囲がやや緩和されたといったところです。緩和といっても、通常の観光客などビザなしで入れるようなものではなく、ABTCというAPECカードとも言われるビジネストラベルカード所有者(海外投資などしている会社の所属者が申請して取得可能)や、タイランドエリートカード(お金で買えるツーリストビザの扱いで、最低50万バーツが必要となり、デポジットではないため支払額は返還されない)所持者に対しても門戸を広げたといったものです。

しかし、いずれにせよ隔離期間14日間という縛りはまだ緩和されていないので、それを考えると、短期での出張も現実的ではありません。

こうした一連の手続きの煩雑さもさることながら、費用面でも痛手です。保険だけで駐在員保険など対応できるもので日本円で20万円前後、片道航空券が12~14万円ほど、そしてASQホテルが13~30万円ほどかかり、更にPCR検査代も3~5万円くらいかかります。合計50~60万円は最低でも見ておいたほうが良いくらいかかります。

また手続きの中でも割と難易度が高いのが保険加入手続きです10万USD以上又は11百万円以上のCovid19に対応できることが明記されている付保証明の出せる保険が必要になります。

大企業で海外赴任者対応にこなれた人事部を擁する規模の組織であれば、人事セクション任せで良いでしょうが、普通の会社となるとそうはいきません。自分自身である程度対応しないといけない会社もあるかもしれません。何せ、どの会社にとっても初めての経験だからです。私の場合もやや苦労したのが、駐在員資格としてタイに入っているわけではないため旅行保険の範囲で最初探さなければならなかったことです。その時の料金が想定以上で見積もり上30~40万円くらいするものばかりであまりにも高額なので、色々と調べていったところやはり駐在員保険のほうがだいぶお得なことがわかりました。そのため、裏技的ですが、急遽提携関係にある日本の事務所から出向通知書を出してもらうことで駐在員として保険会社のほうで扱ってもらえることがわかり、それで一番安いところで16万円ほどという顛末でした。

実は当初はクレジットカード会社附帯の保険で何社かのカードを集めて、利用附帯ではなく自動附帯の金額の合算でぎりぎり10万USD以上だったのでそれで申請しようとも考えて動いていました。ただ、申請条件の中に1年以上タイに滞在予定の人は1年超の保険加入とあり、1年VISAを更新している私の場合はやはり最初から1年以上の保険に入っておいたほうが良いだろうとそこで思い直したのです。カード付帯の保険だとどうしても旅行保険扱いになってしまい、どのカード会社も90日が適用期間の最長になってしまうからです。もっとも、90日以内にタイ国外に再び出国するという復路の航空券予約確認書などがあればもしかしたら大丈夫なのかもしれませんが、最初からリスクを冒すつもりもなかったので今回は正攻法で対応しました。

72時間以内のPCR検査

もう1点留意すべきなのが、72時間以内のPCR検査です。こちらは証明書の発行日時が72時間以内と記載されていますが、周りの皆さん含め念のためフライト搭乗時間の72時間以内に検査を受けている人がほとんどです。自主検査としてPCR検査のできるクリニックは増えてきてますが、土日祝日は対応していないクリニックも多いので、スケジュール組みには気を付けましょう。私が受けたときは診断書含めて4-5万円くらいが相場ですが、1.5万円程度で受けられるところが出てきたようです。

今回は、皆さんが一番知りたいであろう申請時のことにフォーカスを当ててご案内しました。次回もこの話題がまだ旬なうちにこの一休みコラムの続きとして、実際の隔離生活についてお届けしたいと思います。

<本記事に関するお問い合わせはこちら>
Accounting Porter Co., Ltd.
Web:http://aporter.co.th/

タイ在住歴8年・累計100社以上のご相談に対応

タイ在住歴8年・累計100社以上のご相談に対応

但野和博(外部ライター)

Accounting Porter Co., Ltd.にてManaging Directorを勤めています。弊社は日本からの進出や会計サービス全般をタイ国で提供して6年経つ会計事務所です。代表である私が日本で2社の上場会社のCFO通算6年の経験を活かして親身なサービスを提供できるよう心がけております。 これまで累計100社以上のお客様からご相談いただいた様々な実例もあり、本コラムではそんな実例の中からタイで就業するあるいは就業を想定した方向けに駐在員、現地採用の方を問わずお役に立てる情報をお届けしようと思います。 内容としては身近な給与などの取扱いから、経理処理、はたまたそれらをひっくるめたタイの日系企業で身近に起きたことなど雑感的なところも交えながら、気軽に読めるようなトーンで展開していきますのでどうぞよろしくおねがいします。

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