タイ人と働く~タイに住んで、食べて、そして働いて~【隔離生活】

今回も前回に引き続いてのコロナ禍でのタイ入国における自身の経験を踏まえ、入国後の隔離生活についてご案内いたします。

一連の申請手続きまわりのややこしいことは前回のコラムを参照にしていただき、今回は隔離中のASQホテルと称される隔離対応の体制でタイ国外からの入国者を15泊16日受け入れるホテル内での実際の生活をお届けします。いつもより読みやすく気楽な内容ですので最後までお付き合いください。

早速ですが、まずは羽田空港発バンコク行9月25日の特別便でタイに向かうところからです。空港は当然ながらガラガラです。実際の搭乗率はみたところ7割くらいでしょうか。その時は思いのほか家族連れの方が同乗されており、子供帯同で駐在員の奥様方がたくさんいらっしゃいました。どういった基準で満席としているかはわかりませんが、私のときは100%搭乗率でなくても満席として締め切りになっていました。本コラム執筆時点(2020年11月12日)で在京タイ大使館のHPから手続きの案内を見る限りは申請条件などは当時とほぼ変わらずですが、便数は1か月12便と週当たり3便ほどになりだいぶ増えたと思います。これなら、申請して入りたい人はフライトについてはほぼ確保できるはずです。

タイ入国の場合

前置きが長くなりましたが、タイ入国の場面に移りましょう。

完全防備の恰好をした空港職員と恐らく検査対応する病院スタッフと思しき職員の方たちにまずは搭乗口を降りてすぐに出迎えられ、ソーシャルディスタンスの距離感で歩くよう指示されながら指定の場所(といっても空港内の通路)の椅子に待機させられます。この時に入国必要書類の確認として場所を2回ほど変えて受け付けをしてもらいます。その際事前予約した隔離ホテル毎にバッチを渡されます。書類確認が終わるといつもの入国審査カウンターに向かいますが、その手前で最終書類確認が更に設けられていて受けます。

入国後は荷物を受け取って税関検査口を出るとすぐに、先ほど渡されたバッチを係員がみて隔離ホテルに向かう専用バンに誘導されます。隔離ホテルが提携している病院スタッフとその運転手とで専用バンに乗車してホテルに向かいます。
ホテルに着いたら早速、検温、そして靴の上から履くビニール袋を渡されて履きます。専用のカウンターでチェックインし、隔離ホテルには予約票とFitToFly(前回コラム参照)、Covit19陰性証明書の3点を提示して確認を受けてから無事部屋に案内されます。

私の場合は着いた時間が夕方遅めで、そのまま部屋に入った時間の直後くらいにすぐに夕食が配膳されました。配膳という言葉がまさにふさわしく、プラスチックの容器に入った機内食のような食事が提供されました。配膳時もなるべく人と接触しないようになっており、部屋のドアの呼び鈴がなって、取りに出るともはやスタッフはいません。子供の頃にいたずらをしたピンポンダッシュを思い出しました(笑)。

隔離ホテルの部屋については、私の場合はベランダ(テラス)付にしたのでかなり良かったと思います。これは半月にわたるおこもり生活としてはやはり少しでも外気に触れられ、しかもベランダなのでいつでも出られるというのは大きなメリットです。半面、隔離ホテルの中には窓が開けられないというところもあります。いくら室内のしつらえなどがきれいでも想像するだけでぞっとします。多少設備が古くても個人的な隔離ホテルのポイントはベランダ付きか最低でも窓が開けられるかどうかだと強く思いました。ちなみに今回選択したホテルはアナンタラリバーサイドです。全室ベランダ仕様になっているのが決定打です。
 
さてこの隔離生活のサイクルですが、全15泊で3食付き、ホテルの部屋の掃除が3日おきくらいで、PCR検査が2回あります。最初のPCR検査は4,5日目くらいにありますが、それまではプラスチック製の容器に入った食事で、メニューはホテル指定のQRコードから毎日前日までに選びます。1回目のPCR検査が終わり、陰性が出れば食事はお皿で提供されるようになります。メニュー内容はほとんど同じですが、やはりお皿で出るとなぜかそれだけでおいしく感じました。また、外部レストランから頼めるメニューも出てきます。私は結局頼まなかったのですが、別日程ですが同じホテルに泊まった同僚曰く気分転換にもなり好評でした。

そして食事に関して言うと、このホテルでは2回目のPCR検査で陰性が出るとなんとリバーサイドに面した屋外レストランで食事が可能です。ほんの2~3品ですがちょっとしたコース料理です。これは確実に肥満になります。

隔離中の生活について

 
ということで、ちょっと気になる隔離中の運動ですが、皆さん工夫していたようです。向かいの別の棟の西洋人は皆さん狭いベランダでエクササイズしている姿が見えたりもしましたし、1回目のPCR検査陰性後はリバーサイドのバースペース(といってもアルコールは出ません)が1日90分だけ事前予約で開放されるのですが、そこでひたすら周遊している人がかなりいました。私はそこまでしなかったのですが、部屋でストレッチくらいはやっていました。無理やり生活にメリハリをつけるという意味でも毎日何かしら体は動かしたほうが良いです。
 
そしてこの隔離中の過ごし方ですが、私の場合はこれを機にということでYouTubeデビューしてみました(笑)。参考までに下記にURLを貼っておきますのでご関心のある方はご笑納ください。隔離前の申請手続きのところから隔離生活にわたって全般を5回に亘ってご案内しています。

それ以外だと仕事ではZoom会議や、ベランダで気晴らしにKindleなどで読書などをしましたが、実際やることはあっても同じ景色同じ部屋はやはり飽きます。なので、皆さんも折角半月も籠るのでこれまでやったことのない何かを始めるのにはちょうど良いかもしれません。タイならタイ語、ベトナムならベトナム語を徹底的に勉強するというのも手です。

そのほかの余暇として日本のTVなどが映るホテルも日系ホテルならあるようですが、未対応のホテルが多いので、どうしてもYouTubeやNetFlix、Amazon Primeなどでの視聴がメインにはなってしまいます。ただこれらも契約加入住所が日本だとVPNサーバーにつなげないと一部しか視聴できなかったりするので、観たいものがある方はオフラインでも観られるようにあらかじめダウンロードするなど対応しておいたほうが良いです。隔離期間中どうしても半沢直樹の最終回をリアルタイムでみたくて、海外サイトなど経由でトライしましたが、途中で何度もフリーズして結局翌日Dailymotionというサイトに上がっているのを観ました。

この長い隔離生活ですが、慣れると怖いもので引き籠り耐性を引き出すような気もしました。最後の3日間くらいなどは、なんかこのままずっとこれでも耐えうるなと思ったものです。なので、出所(!?)後の適度な予定は隔離生活中にもどんどん入れていきましょう。
ちなみに、この期間中に私はリモート引越しなるものを実施しました。それまでタイで居住していたコンドの部屋に一度も戻ることなく、契約完了し、内見もリモートで一度も現地で実際の部屋を見ることなく新しいコンドに引っ越したのです。

鍵だけ隔離ホテルに届くようにして、終了後はそのまま新居に入りました。こういったことも刺激となり個人的にはだいぶ充実した隔離生活でしたが、同じことをやれとなったらやはり考えてしまいます。1週間だったらまだ何とかといったところです。

 
ということで、タイでの隔離生活を具体的にご案内しましたが皆さんいかがでしたでしょうか?今回のコラムは生活系ですが、私のコラムシリーズは基本ビジネス系なので連載としては一旦今回で離れさせていただきます。皆さんにどこかでお会いできればと願いながら筆(キーボード)を休ませていただきますが、何かございましたらIconicさん経由でお気軽にお問合せください。長らくのお付き合いのほどありがとうございました。

 
<本記事に関するお問い合わせはこちら>
Accounting Porter Co., Ltd.
Web:http://aporter.co.th/

タイ在住歴8年・累計100社以上のご相談に対応

タイ在住歴8年・累計100社以上のご相談に対応

但野和博(外部ライター)

Accounting Porter Co., Ltd.にてManaging Directorを勤めています。弊社は日本からの進出や会計サービス全般をタイ国で提供して6年経つ会計事務所です。代表である私が日本で2社の上場会社のCFO通算6年の経験を活かして親身なサービスを提供できるよう心がけております。 これまで累計100社以上のお客様からご相談いただいた様々な実例もあり、本コラムではそんな実例の中からタイで就業するあるいは就業を想定した方向けに駐在員、現地採用の方を問わずお役に立てる情報をお届けしようと思います。 内容としては身近な給与などの取扱いから、経理処理、はたまたそれらをひっくるめたタイの日系企業で身近に起きたことなど雑感的なところも交えながら、気軽に読めるようなトーンで展開していきますのでどうぞよろしくおねがいします。

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