Happy Lunar New Year!
今日、1月27日(金)は、2017年旧暦の大晦日!
ホーチミンでようやく年末気分を感じてきたパクチー丹羽です。
さて、旧正月の長期休暇を前にしながらも、いつものように出勤する2人。
前回、突然のあやなの元カレ登場に、まもるは気持ちがザワついたまま。
あやなも、こうすけが‟元カレ”だということは黙ったまま。2人の関係はどうなってしまうのでしょうか……?
第7話
The early morning in Ho Chi Minh
~朝の匂いと君の横顔~
朝7時。
乾季だから、朝晩はカラっとして、半袖だと少し肌寒いくらいの日もある。
今日は土曜日だけど、午前中のみ出勤。
『おはよっ』
「うわっ! びっくりしたー。おはよう」
『今日珍しく早いじゃん。私に会うためでしょっ』
「ち、ちげーし」
実は、あやなとは住んでいる家も結構近い。
僕もあやなも家からオフィスまで歩いて15分くらい。
だから、こんな風に朝出勤中に会うこともよくある。
『まもるはもう朝ごはん食べた?』
ホーチミンは、朝、道のいたるところに屋台が出る。
通勤時間の7時~8時は、特に出勤前に朝食を取る人たちで混雑する。
日本にいる時は、朝めしなんて、そんなに食べてなかったけど、ホーチミンに来てからはほぼ毎日食べるようになった。
『バインミーも食べたいなー。このおばちゃんのところ、美味しいんだよね~』
『衣食住で言ったら「食」が一番大切!』と常日頃から豪語するあやなが、朝めしのチョイスに悩んでいる。
まあ確かに、ホーチミンの朝は屋台が多すぎて迷う気持ちは少し分かる。
「俺、今日は麺がいい」
『結局、定番のとこだね。だけど、ここ美味しいから好き~』
今日は、少し早く家を出て正解だったな。
あやなと一緒に、ゆっくり朝めしを食べられる。
「そ、そういえば、こうすけさんは最近どうなの?」
『どうって何が?』
「いや、もうホーチミンに慣れたのかなとか思って」
『まだ1週間くらいだからね。あ、麺来たよ~』
「・・・飯とか一緒行ってる?」
『ご飯? んーたまに行くけど?』
「そっか」
何となく沈黙になり、お互い黙々と食べる。
『まだちょっと時間あるよね』
朝は眠くて時間ギリギリの時もあるけど、ちょっと早めに出ると、あやなに会える可能性が高いし、屋台で朝めしもゆっくり食べられるから、いいな。
今後は頑張って早起きしよう。
『ねえ、コーヒー買っていこ~』
「いいね。俺もコーヒー飲みたいと思ってた」
会社も近いし、時間は余裕だし、一服してから行こう。
『もうすぐテトじゃん。まもるどこ行くんだっけ~』
もう来週からは1週間くらいの、長い旧正月のテト休みが始まる。
あやなとしばらく会えなくなるな……。
あやなは友達とベトナム国内を旅行するって言ってたけど、誰と行くんだろう。
もしかして……こうすけか?
今までは、“友達”ということについて何も考えてなかったけど、こうすけの存在を知ってしまってから、色々こうすけを絡めて考えてしまう。
考えすぎか……?
いや……十分あり得るよな。
『もう、何も話聞いてないじゃん』
「っあ、ごめんごめん。考え事してた」
『別にいいけど。もう行くよ。遅刻しちゃう』
「うん、ごめん」
今日の午前中が終わったら、しばらくあやなに会えない。
聞くなら今だよな。
だって、この休暇中に絶対何かあるし!
会社のビルに着いた。
オフィスに入る前までが、あやなに聞くチャンスだ。
「あのさ……」
『ん?』
「ベトナムの国内旅行に一緒に行く友達って……こうすけさん?」
『え? なんでそうなるわけ?』
「いや……」
なんか、あやな怒ってる?
けど、こうすけが元カレだってこと、ずっと黙ってるから気になるんじゃん。
エレベーターには、誰も乗ってこない。
あやなと2人きりだ。
「だって・・・こうすけさんは元カレなんだろ」
『どういうこと? 確かにそうだけど、まもるに関係ないでしょ。何もないって言ってるじゃん!』
「あ、いや……」
『いいよ。じゃあテトは、こうちゃんと遊ぶことにする』
……しまった。
今朝はあやなの話も聞かずに、ずっとそのことばかり考えてた。
挙句の果てに、この事態だ。
あああああ、もう最低だ!
モヤモヤする!
こんなに、しつこく聞くような性格じゃないのに。
なんで、あんなこと……。
“ 「っていうか、まもるさんって、あやなのこと、好きなんですか?」 ”
こうすけの言葉を思い出す。
「・・・好きだ。悪いか」
そう呟いて、旧正月前最後の仕事が始まった。
屋台で朝食編―完―
ベトナムの朝食文化は、どうでしたか?
美味しい誘惑が多すぎるホーチミンの朝の屋台。
そして、とにかく安いのも魅力!!! ローカルなお店で難易度高めに見えますが、とりあえず席に着くか、売っているおじちゃんやおばちゃんに近寄っていって、食べたいものを指差せばOK。
お店の人たちは優しいし、お客さんも緩い雰囲気なので、朝食は絶対屋台をおすすめします!
ついにあやなへの気持ちを認めたまもる。
しかし、2人は長期休暇を前にして、険悪ムード。
気持ちが大きくなる一方で上手くいかないことに、まもるはモヤモヤが募っていきます。
まもる、大丈夫? 次回はどうなるの!? どうぞお楽しみに。