こんにちは。パクチー丹羽です。
みなさん、お気づきでしょうか……バレンタインデーはすぐそこに!
男性のみなさんはソワソワ、女性のみなさんはドキドキ。
パクチー丹羽はチョコをたくさん食べられる季節にワクワク。
日本のバレンタインはチョコレート! というイメージですが、ベトナムでは、男性が女性に花をあげます。
前回、ケンカをしてしたまま長期休暇に入ってしまったあやなとまもる。
そんな2人にもハッピーバレンタインはやってくるのでしょうか…?
第8話
Happy Valentine in Ho Chi Minh
~赤い箱と君のシグナル~
旧正月休みが終わり、ホーチミンに日常が戻った。
休み前にあやなとケンカしてからというもの、職場で会っても業務の話しかしていない。
皆といる時は普通に笑って話すから、周りの人からしたら特に変わったようには見えないだろう。
でも、僕からしたらやっぱり、少し距離を感じる。
テト期間中ずっと、あやなはこうすけと一緒にいるんじゃないかって気になっていた。
結局、どうなったのかは……まだ聞けていない。
『まだお客さん、着いてないみたいだね』
「そうだね」
今から、クライアントと新プロジェクトの打ち合わせだ。
実は、休み明けからスタートするプロジェクトであやなと同じチームになった。
待ち合わせのカフェに早めに着いて2人でクライアントを待つ。
『あ、渋滞であと10分くらい遅れますだって』
「確かに今日も道混んでるもんな」
ホーチミンはバイクの交通量がとにかく多くて、移動は結構時間がかかることもよくあることだ。
最初は戸惑ったけど、この交通事情にも、もう慣れた。
まあ、ゆっくり待つか。
『まもるは、テトどうだった?』
「ぷらぷらとベトナム国内旅行をしてたけど、楽しかったよ」
『そっか。・・・まもるっ、あ、あのね・・・』
「何?」
『この前は、怒っちゃってごめん! これ・・・早めのバレンタイン!』
「え、ええ! ありがとう。ってか、俺の方こそごめん」
まさかの状況に驚きつつ、袋を受け取る。
そっか。もうすぐバレンタインデーか。
まさかチョコを貰えるなんて思ってもいなかったから、めちゃくちゃ嬉しい。
……しかも、あやなから。
『テト休暇中、女の子の友達とダナンの海に行ってきたけど、まもるに怒っちゃったことが実はずっと気になってたんだ』
“女の子の友達と”か。
良かった……こうすけと一緒に行ってなくて。
「ありがとう……。これダナン本店のやつだよね。美味しそう」
『そうだよ。食べて食べてっ』
楽しそうにこっちを見てくるあやなを前に、チョコを1つ口に入れる。
月並みな感想だけど、甘くて、風味があって……。
この、チョコレートの意味を勝手に脳内でポジティブ変換してしまう。
『チョコ・・・まもるにしかあげてないんだからねっ』
えっ!?
僕にしかって、それってもしかして……
カラ――ンッ
『っ! こ、こんにちは!』
「っ! お世話になっております!」
クライアントが到着して、2人とも慌てて冷静になった。
背筋を伸ばして平然を装う。
だめだ、だめだ!
一旦今は仕事に集中しよう!
・
・
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「・・・はい! ありがとうございました。ではまたご連絡します!」
打ち合わせも無事終わった。
いいアイデアも出てきて、面白い企画になりそう。
『疲れたけど、久しぶりにわくわくしたねっ!』
あやなも同じ手ごたえを感じているみたいだ。
「そうだな。とりあえず、次の打ち合わせまで時間あるし、少し休憩しようか」
また、2人で話し始める。
さっきの言葉がどうしても気になっていたから、あやなに直接聞きたかった。
僕にしかバレンタインチョコをあげてないってことは、もしかしてこのチョコの意味は……
「あ、あのさ、俺にしかチョコをあげてないって……それはどういう……」
『だ、だから、味わって食べてよってこと!!』
「だ、だよね。ありがとう」
そうだよな。ただの仲直りのチョコだよな。
危ない、バレンタインデーだから勘違いするとことだった。
何はともあれ、あやながいつもの笑顔になってくれて良かった。
会社までは、歩いて帰ることにした。
少し距離があっても歩きにしたのは、実は僕も謝るために用意していたものがあるからだ。
「あやな! ちょっと目つぶってて」
『えっ、なになに?』
「大したものじゃないけど、俺も謝ろうと思って・・・はい!」
営業鞄の中に忍ばせていた、バラを渡す。
『え! ・・・バラなんて、柄じゃないじゃん! でも、すごく嬉しい』
「うん。じゃあ、会社戻ろうか」
『・・・もう。なんで好きになっちゃったかなぁ』
思いがけない言葉に、びっくりして振り返る。
「え、え、そ、それって、お、俺のこと・・・!?」
『ばかっ。好きっていうのはこのバラの香りのことを言ったのっ』
ダメだ。そう言われて頭では理解しても、胸の高鳴りは収まらない。
夕焼け空の下、涼しい風に吹かれながらあやなの瞳を見つめていた。
バレンタイン編—完—
どうでしたか?
険悪ムードがようやくほぐれて仲が戻ったみたいですね。これぞバレンタインの力です!
日本ではあまり知られていないですが、ベトナムには世界的に有名なチョコレートショップがあるんです。
そこで、バレンタインに備えて、おすすめのチョコレートショップ2店舗と、ホーチミンでお花が買えるお店をご紹介します!
~ベトナムおすすめチョコレートショップ~
・Pheva chocolate
ベトナム中部ダナンから生まれたチョコレートショップ。
フランス人の夫婦がプロデュースしており、バニラ以外の原料は全てベトナム産というこだわりで人気。国内の有名ホテルにも卸しています。
ピスタチオやブラックペッパーなどの珍しいフレーバー18種類。
箱や紙袋の色も10色以上から選べて、プレゼントにはピッタリですね!
6個入り 50,000ドン(約300円)/12個入り 80,000ドン(約400円)/24個入り 160,000ドン(約800円)
ウェブサイトは現在改装中。
Facebook:https://www.facebook.com/Phevachocolate/
・Maison Marou
ホーチミンに工場がある、こちらも100%ベトナム産のカカオで作られたチョコレート。
既に世界的にも有名で数々の賞を受賞しています。
パッケージも魅力的で、少し高級なプレゼントをしたい時にはおすすめです!
【Maison Marouについては『世界で大人気。ベトナムの高級チョコレート「Maison Marou」』の記事をどうぞ】
値段は100,000~200,000VND(500~1,000円)
ホームページ:http://www.maisonmarou.com/
Facebook:https://www.facebook.com/MAROU.CHOCOLATE/
※どちらも各所に店舗はありますが、Takashimaya地下2階でも手に入れることができます!
~ホーチミンおすすめ花屋さん~
・Ben Flower
花1本 20,000VND(約100円)~
ラッピングサービス有(有料)
住所:15N Nguyễn Thị Minh Khai, Bến Nghé, Quận 1, Hồ Chí Minh, Vietnam
・Sen Flower
クオリティの高いブーケがオーダー可能。
直接お店に行っても良いですが、電話でオーダーして配達してもらうことも可能です。
サイトがベトナム語しか対応していないので、知り合いのベトナム人に協力してもらうと良いかもしれません。
住所: 27 Nguyễn Bỉnh Khiêm, Đa Kao, Quận 1, Hồ Chí Minh, Vietnam
みなさんも、バレンタインに向けてしっかり準備をしましょう♪
それでは、次回もお楽しみに。