こんにちは!マレーシアでの生活・お役立ち情報を発信するライターYuuuuです。
マレーシアへ転職や移住した方の中には、日本ではあまり馴染みのないイスラム教の祝日や行事に戸惑う方も多いのではないでしょうか?
そこで今回はマレーシアの祝日のひとつ「Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)」について、以下の点を中心にご紹介します。
- Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)とは何の日か
- Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)が持つ2つの意味
- マレーシアではHari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)をどのように祝うのか
この記事を読むと、イスラム教の祝日のひとつであるHari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)について理解が深められ、マレーシアでどのようにお祝いをするのかが分かります。
ぜひ最後までお読みください。
Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)とは?
まずはじめに、Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)とは何の日なのかをご紹介します。
マレーシアには「Ramadhan(ラマダン)」や「Hari Raya Puasa(ハリラヤ・プアサ)」といった行事がありますが、Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)は犠牲祭や巡礼祭とも呼ばれ、イスラム教徒によって祝われる最も重要な祭りのひとつです。
マレーシアでは祝日として定められており、2023年のHari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)は6月29日(木)、一部の州では30日(金)も祝日となっています。
Hari Raya(ハリラヤ)は日本語で「偉大な日」を意味し、Haji(ハジ)はメッカ巡礼を達成した男性や、巡礼自体を指します。
メッカ巡礼はイスラム教徒の義務である「5行※」のひとつとされており、巡礼月は世界各地のムスリム(イスラム教徒のこと)がメッカへ巡礼に訪れます。
メッカ巡礼の最終日であるヒジュラ歴(イスラム歴)の12月10日目にあたる日をHari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)と呼び、巡礼の成功を祝うのです。
この日はマレーシアだけでなく、シンガポールやインドネシアなど、さまざまな国で祝日に定められています。
※5行とは?
ムスリム(イスラム教徒)に課せられた5つの義務のこと。
1.信仰告白(シャハーダ)
2.礼拝(サラー)
3.喜捨(ザカート)
4.断食(サウム)
5.巡礼(ハッジ)
Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)には2つの意味がある
1.メッカ巡礼の祭り
▲メッカ巡礼の様子
メッカとは、サウジアラビアにあるイスラム教の聖地のこと。
世界中のムスリムがメッカに集まり巡礼をする月の最終日、ヒジュラ歴(イスラム歴)の12月10日にあたるのが、Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)。
マレーシアからは毎年約3万人がこの時期にメッカを訪れ、巡礼するそう。
イスラム教の教えの中に「夢でお告げを受けた者だけが、一生のうちに1度はメッカを訪れなければならない」というものがあり、巡礼を終えた男性はHaji(ハジ)、女性はHajjah(ハジャ)という尊称で呼ばれ、その時だけ白い帽子を被る事ができます。
お告げがなかった人やメッカ巡礼に行けない人はこの時期はそれぞれの国・場所で祈りを捧げ、Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)の日に巡礼の成功を祝うのだそう。
マレー半島東海岸側やジョホール州といったイスラム教徒が多い地域では、断食明けのお祭り「Hari Raya Puasa(ハリラヤ・プアサ)」よりも「Hari Raya Haji(ハリ・ラヤ・ハジ)」のほうが重要な祝日とされています。
2.犠牲祭
Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)には、イスラム教徒がアブラハムとその息子イスマイルの物語に基づいて祝う祭り、という意味もあります。
《アブラハムとその息子イスマイルの物語》
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この言い伝えから、アブラハムの神への忠誠心をたたえ、Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)の日は羊や牛などの家畜を生贄として捧げられるようになりました。
生贄として捧げられた家畜は解体しモスクで配布され、その後家族や友人が集まる際の食事に使われます。
イスラム教にとってこの行為は、自己犠牲の重要性や他者への奉仕、家族との絆を深めるための機会といった重要な意味があるのです。
マレーシアにおけるHari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)
マレーシアでは主にマレー系マレーシア人の間で祝われています。
Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)の前日に家族や友人が集まって特別な祈りを行い、Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)当日は生贄として捧げられた動物を使った料理や伝統的な料理を家族や友人と共有し楽しみます。
新しい衣服を着て家族や友人を訪ねたり、プレゼントを交換したりすることもあるそう。
異なる宗教や文化が共存しているマレーシアならではですが、マレー系マレーシア人以外のヒンドゥー教徒の間でもHari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)が祝われ、伝統的なマレーシア料理やインド料理、中国料理などのさまざまな料理も楽しまれるようです。
まとめ
Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)についてご紹介しましたがいかがでしたか?
Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)についてまとめると下記の通りです。
- Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)とはイスラム教の重要な祭りのひとつで、メッカ巡礼の成功をお祝いする日
- Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)には「メッカ巡礼の祭り」と「犠牲祭」という2つの意味がある
- マレーシアではHari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)は祝日にあたり、主にマレー系マレーシア人の間で家族や友人と一緒に祝われる
Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)は地域によって異なる方法で祝われ、異なる文化や伝統と融合することもあり、お互いを受け入れ尊重し、共存することの重要性を示す祭りでもあります。
Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)のように、マレーシアの祝日には宗教的に重要な日も多くあるのが特徴です。
この記事が、祝日の意味や役割を理解する良い機会になれば幸いです。
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