こんにちは、ベトナム人のVyです。
ベトナムの民族衣装と言えばアオザイです。
アオザイは日本でもよく知られていると聞きました。ベトナム人としても嬉しい限りです。
そこで今回は、ベトナムでアオザイが誕生するまでの歴史についてお話できればと思います。
ベトナムの少数民族と伝統衣装
ベトナムには54の民族がおり、その中でもキン族はベトナム総人口の約90%を占めています。一方で少数民族には、Tày(タイー)族、Thái(タイ)族、Mường(モン)族、Dao(ザオ)族、Khmer(クメール)族などが含まれます。
これらの民族の衣装は全て異なり、多種多様な種類があります。一般的にベトナムの衣装は、気候や周辺環境の影響を受けて形成されています。
Tày(タイー)族の伝統衣装
引用:http://tapchibaohiemxahoi.gov.vn/tin-tuc/10-su-kien-tieu-bieu-nganh-van-hoa-the-thao-va-du-lich-2011-317
Thái(タイ)族の伝統衣装
引用:http://yenbai.gov.vn/noidung/tintuc/Pages/chi-tiet-tin-tuc.aspx?ItemID=36&l=CacdantocYenBai&lv=11
Pà Thẻn(パテン)族の伝統衣装
引用:http://laodongthudo.vn/16-cong-dong-dan-toc-tham-gia-ngay-hoi-xuan-2017-o-ha-noi-47343.html
ベトナム フン王時代の衣装
ベトナム建国の祖、フン王の時代の典型的な衣装はロングスカートです。これは東南アジア地域によくある衣装です。
当時は男性もロングスカートを着用しました。その理由は天候に適応するだけでなく、農場での作業に便利だからです。
引用:http://congly.vn/giai-tri/ve-dep-phu-nu-ha-noi-xua-64184.html
女性は上に、日本で言う金太郎のようなものを着ていました。自宅で縫製されたものです。田畑で作業するときには茶色のものを着用し、特別なお祭りでは、女性はピンクや赤を身に着けていました。男性は上半身裸で、仕事に褌を着ていました。
引用:http://congly.vn/giai-tri/ve-dep-phu-nu-ha-noi-xua-64184.html
ベトナム フン王時代の中華風衣装
17世紀後半になると、フン王は大衆に中国のような服を着用するよう命じました。この時代から、ズボンがベトナム社会の中でもポピュラーな衣服になりました。
一方で女性は、ベトナムのアイデンティティを守るために、衣服の下に先ほどの金太郎のような服を着て、上着のボタンは留めずに中が見える作りになっていました。
引用:https://aodaishop.wordpress.com/2010/05/page/2/
ベトナムでアオザイの前進が誕生
そして18世紀後半になり、いよいよベトナムにアオザイが出現します。
但し、現代のアオザイのようにピッタリとした形ではなく、ベトナムの天候に合わせてゆったりとした形に縫われました。
引用:https://2sao.vn/hon-lac-troi-khi-ngam-phu-nu-viet-xua-mac-ao-dai-khoe-eo-thon-n-108960.html
アオザイの色は、北部ではダークブラウンで、南部は黒です。お祭りや結婚式のときは、ピンクと赤のアオザイを着用しました。これら2色は、幸運を象徴する色だとされていたからです。
現代のアオザイスタイルへ
19世紀に入ると、西洋と交流の影響もあって、アオザイは華やかな色や新しい素材など、多種多様なものが作られました。形も女性の曲線を強調してかなりキツくなりました。
やや挑戦的な作りですが、肌は露出しません。このタイプのアオザイが、ベトナムの伝統的な衣装として定着しました。
今日では、ベトナムの服はさらに近代化・多様化されています。西洋文化の影響を受けてジーンズやTシャツが人気になり、当たり前に洋服を着用しています。アオザイはイベント事や結婚式になると着用される他、学校の制服としているところもあります。とはいえ、ベトナムはとても暑いので、アオザイを毎日着る人は少ないです。
街中では度々アオザイ姿の女性を見かけますし、観光客も気軽にレンタルしたり購入できます。アオザイをオーダーメイドして、ベトナム旅行の記念にする人も多いようです。
ベトナム人は海外の文化を取り入れつつも、常に民族のアイデンティティを守ってきました。これからもベトナムに根付いた民族文化を持ちつつ、先進的な文化を構築していきたいと思います。